予期せぬ失注も事前察知!購買プロセスの裏まで掴む5つのコツ

「あなたは顧客の購買プロセスをどこまで把握していますか?」 「営業商談が受注寸前で、突然失注したことはありませんか?」

営業ヒアリングのキモの一つが、「顧客の購買プロセスを、各プロセスの裏側で、誰がどう動くかをできるだけ詳細に掴むこと」です。「予期せぬ失注も事前察知!購買プロセスの裏まで掴む5つのコツ」を教えます。


BtoB営業では、複雑な顧客購買プロセスを掴む


法人営業の特徴として、顧客DMUの複雑性があります。DMUは、Dicision Making Unitの頭文字を取ったもので、顧客の意思決定関与者のことです。法人営業では、たくさんの購買意思決定関与者がいるため、購買プロセスが長く複雑になります。決裁承認までの購買プロセスの各段階で、様々な意思決定関与者が登場します。

そこで、重要なのが顧客の「購買プロセスを詳細に掴むこと」です。顧客の意思決定関与者を理解したうえで、購買意思決定で、具体的に誰が、いつ、どのように、行動して、プロセスが進むかの具体的イメージの把握が重要です。

公式の購買プロセスを掴む2つのコツ

まずは、公式の購買プロセスを掴むコツをまとめます。


稟議承認フローの購買プロセスと権限を確認


まずは、「稟議承認の表の購買プロセス」を把握しましょう。購買プロセスの「公式な」承認権限と承認フローは「企業として文書で定められている」はずです。

特に、上場企業では内部統制上、購買プロセスを規定した公式文書が必ず存在します。文書には、購買プロセス、意思決定関与者、金額などの権限範囲も明確に示されます。


購買プロセスと権限の具体例


稟議プロセス例

稟議承認権限は、上限執行金額などで区分されています。例えば、「部長(100万円以下)」「本部長(500万円以下)」「社長(500万円以上)」などです。また、稟議承認の流れ=購買プロセスも決裁区分ごとに詳細に決まっています。


購買プロセスの最終意思決定者を押さえる


購買プロセスの最終意思決定者は、購買承認の最終意思決定する人、この人が承認すれば、稟議が通るという人です。

公式文書の、最終意思決定者は、わかりやすいキーマンです。なお、承認する金額により、部長→本部長→役員など、職位が上がっていきます。

購買プロセスと権限を知る営業トーク

なお、私はこのとき、「この案件実行することになったら、次は稟議申請ですかね?」といった形で水を向けて、社内購買プロセスをさぐります。さらに、「この金額だと、本部長承認ですかね?」といった営業質問を重ね、最終意思決定者を、具体的に確認していきます。


購買プロセスの裏まで掴む3つのコツ


非公式な購買プロセス行動を把握


顧客の意思決定関与者把握の次のステップは、正式な稟議承認フロー確認後、稟議を通すための、各関与者の具体的な行動プロセスを把握しましょう。

例えば、「担当者が最初に課長に説明する」「100万円以上の案件は、月1回の部門長会議で、担当の課長が説明して承認をもらう」などです。

法人営業・BtoBマーケティングでは、このDMUの具体的行動プロセスにあわせて、営業担当は顧客をサポートし、マーケティング担当は適切な営業ツールを用意する必要があります。

各購買意思決定プロセスで、いつ、だれが、具体的に何をするか?の情景がイメージできるぐらいの顧客行動理解が必要です。


購買プロセスの非公式なキーマンを押さえる


非公式のキーマンである「案件推進者」を抑えることも重要です。公式のキーマンである最終意思決定者より、案件推進者を後押しする方が重要なことも多いです。

「案件推進者」とは、この案件をぜひやりたい、推進したいと思っている人、この案件に情熱を持っている人です。案件推進者は、最終決済権限をは持っていませんが、案件を通すために、社内意思決定関与者を把握し、キーパーソンを説得しようとします。

法人営業担当者は、案件推進者のパートナー、もっと言えば盟友となることを目指しましょう。私は、案件推進者と仲良くなり、「どうやって社内を通したらよいと思いますか」と相談されることも、しばしばです。時には、案件推進者に代わって、別の部門から情報を吸い上げなど、購買意思決定プロセスの進みをアシストします。


「失注」は、購買プロセスの裏側を掴む大チャンス


実は、営業商談が失注したときこそ、購買プロセスの裏を精緻に理解するチャンスです。

「この営業商談はいけると思ったが、最後のどんでん返しで失注した」という経験はないでしょうか?このとき、購買プロセスの理解が表面的で、顧客内部の真の購買プロセスやキーマンの影響力のズレを見落としていた可能性があります。失注原因を突き止め、認識している、購買プロセスとのズレを探ります。

「この営業商談のボトルネックはどこにあったのか?」「誰がどういう理由で、営業提案を却下したのか?または、他社の提案を選んだのか?」実は、受注した時よりも、失注したときの方が、購買プロセスの実像、意思決定関与者の影響力が生々しく見えてくるのです。


まとめ


BtoB営業では、購買意思決定プロセスの理解が必要です。

意思決定構造とそのプロセスを具体的に把握し、購買意思決定意思決定プロセス全体を動かす営業スキルを身につけましょう。


 


 


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