誰でもできる本音を引き出す営業トークのコツ-営業トーク例付き

「あなたは顧客から本音を引き出せていますか?」
「あなたは本音を引き出す営業トークを持っていますか?」

営業ヒアリングで重要なのは、質の高い顧客情報を掴むことです。「本音を引き出す営業トークのコツ」で、口の堅い顧客からも、本音情報を入手できます。

また、1000件の商談で培った、「本音を引き出す営業トーク例」をまとめましたので参考にしてください。


営業トークで引き出すべき「2種類の本音」


本音を引き出す営業トークのコツの有無で、ヒアリングで得られる情報の質と量は圧倒的な差がでます。営業トーク例を通じて、再現性のある営業トークのコツを身につけましょう。

「営業トークで本音を引き出す」とは、2種類の意味があります。つまり、「すでに意見がある顧客から本音を引き出す場合」と「そもそも引き出すべき本音がない場合」の2つです。

本音の意見はあるが教えてくれない場合

本音の意見がある場合は、いかに本音を引き出すかが、営業トークの目的となります。

本音を引き出す営業トークのコツは、「情報機密の線引きが曖昧なところをつく」ことです。顧客は「この情報は話してよい」「この情報は話してはいけない」という線引きが、明確ではありません。

例えば、競合情報。なんとなく秘密にしたい気持ちはある。しかし、例えば「競合の社数までならいってよい」という明確な線引きを持っている方はいません。この線引きの曖昧さを突いて質問を重ね、徐々に本音に迫るのが営業トークのコツです。

そもそも引き出すべき本音がない場合

営業トークで本音を引き出せないときに、実は多いのが「営業質問で引き出すべき本音がない。つまり、そもそも顧客の意思がない場合」です。

このとき営業トークの目的は、「顧客の本音を一緒に作ること」。つまり、「顧客の頭を整理し意思を持ってもらうこと」です。

営業トーク例①の予算ヒアリングでは、「引き出すための本音」がない状況から、質問により、顧客が自分の意思として予算感を持つようリードしています。

本音を引き出す営業トークのコツ

比較となる具体情報をぶつけ本音を引き出す

予算や競合情報などは、直接は言いにくいところです。しかし、大抵の顧客は、こちから営業トークで比較できる具体例を出すと、何かしら反応してくれます。相手の反応から徐々に範囲を狭めて顧客の本音に迫っていくのです。

営業トーク例のように、具体的な比較対象となる情報を、こちらから出していきます。予算なら、「金額そのものや、他との比較」、競合なら「競合の名前、仕様、そもそも何社か」など具体的比較対象を出し、顧客の反応で情報を絞っていきましょう。


あらゆる切り口で質問を重ねる


  • 営業トーク例(予算):
    「今のシステムはいくら?」「400万だったら?」「350万円だったら?」
  • 営業トーク例(競合):
    「競合は何社?」「5社?」「3社?」「一番安い競合?」「100万円下がったら競合と比べてどうか?」「競合はA社?」「競合は商社系?」「競合の仕様は?」

営業質問で一発で期待した回答が得られるのは、まれです。本音に迫るまで、切り口を変えて何度も質問を重ねるのが営業トークのコツです。

例えば、営業トーク例では、様々な営業質問の切り口を使っています。あらゆる切り口から質問を重ね、徐々に本音を引き出します。


2つの営業トーク例:「予算」「競合」の本音を引き出す


①予算情報の本音


※実際に、我々が顧客訪問ヒアリングに関わった事例を元に再構成したものです。

予算を引き出す営業トーク失敗例

普通の営業担当「今回の予算は決まっていますか?」
お客様「いやー、まだですね。」
普通の営業担当「そうですか。決まったら、また教えてください。」

★ここで終わらずに顧客の本音を引き出す

予算を引き出す営業トーク成功例

トーク例「そうですか。目安はありますか?例えば、今のシステムはいくらぐらいだったのですか?
お客様「うーん、500万円ぐらいですかね。でも、今回はそこまで予算が取れるかどうか。。」
トーク例「というと、いくらぐらいならいけそうですかね?」
お客様「うーん、やってみないとわからないですね。」
トーク例「そうですか~。例えば、400万円ぐらいだったら、感触どうですか?検討対象になりそうですかね?」
お客様「そうですね。。それぐらいだったら、なんとか。いや、もうちょっと下かな。」
トーク例とすると、350万円ぐらいの提案だと土台にのりそうですかね?
お客様「まあ、そんなところですかね。」

営業トークの違いで、情報の質が圧倒的に変わる

  • 通常の営業トークで得られる情報:予算は決まっていない
  • 顧客の本音を引き出した営業トークで得られた情報:予算は350万円が目安

営業トークで得られる情報の質に圧倒的な差がでるのがお分かりでしょう。


②競合情報の本音


※実際に、我々が顧客訪問ヒアリングに関わった事例を元に再構成したものです。

競合情報を引き出す営業トーク失敗例

普通の営業担当「他社の状況はどうですか。」
お客様「いまいろいろ情報収集している段階ですね。」
普通の営業担当「他社と比べてうちはどうですかね?」
お客様「そこは、ちょっとまだいえないですね。」
普通の営業担当「そうですか。」

★ここで終わらずに本音を引き出す

競合情報を引き出す営業トーク成功例

トーク例「そうですか~。・・・」
トーク例「(しばらく違う話題で会話)」
トーク例「(戻って)ところで、何社さんぐらい提案しているんですか?
お客様「複数社に提案してもらってますよ。」
トーク例5社ぐらいですか?
お客様「いや、そこまでは。。」
トーク例3社ぐらいですかね?
お客様「・・・まあ、そんなところですね。」
トーク例選定のポイントなどは、もう決まってきているんですか?
お客様「信頼性とやっぱり価格ですかね。」
トーク例「価格ですか。今、うちは何位ぐらいですか?
お客様「まあ、一番安くはないですね。2番目ぐらいかな。」
トーク例「そうですか。一番安いところは、いくらぐらいなんですか?
お客様「それは、ちょっといえないですね。」
トーク例「なるほど、そうですよね。。100万ぐらい下がったら見劣りしない金額になりますかね?
お客様「いや、そこまでは。。」
トーク例70万円ぐらいですかね?
お客様「うーん、そのぐらいかな。」
トーク例最も低価格の企業ってA社さんですか?
お客様「いや、そうではないですね。」
トーク例「なるほど~。。商社系の会社さん、ですかね?
お客様「まあ、そうですね。。」
トーク例「そうですか~。弊社の提案内容と比べてどうですか?何か違いがありますか?
お客様「ほぼ同じですね。あ、●●(とある仕様)だけ違うかな。」
トーク例●●がついているとかですかね?(競合が特定できるような仕様を聞く)」
トーク例「なるほど。わかりました。ありがとうございます。」

営業トークの違いで、情報の質が圧倒的に変わる

  • 通常の営業トークで得られた情報:「競合は言えない」
  • 本音を引き出した営業トーク例で得られた情報:「競合は2社(自社入れて3社)」「価格は2番目に安い」「競合最安値と70万円差ぐらい」「競合は商社系の会社」「競合提案は一部異なる仕様あり」

得られる競合情報の質が営業トークで全異なることがわかるかと思います。

まとめ

営業トークのコツで、顧客から引き出せる情報の質・量ともに大きな差がでることを感じていただけましたか。

本音を引き出すには、営業トークのコツも必要ですが、最後の最後は「諦めないこと」が重要です。本音を引き出すまで、諦めずに何度も質問することにチャレンジしましょう。




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