シナプス海老原です。

「訪問営業トークのコツ-どうやって顧客の本音を引き出すか」と題して、1000件の新規事業商談現場で培った「顧客から本音を引き出す訪問営業トークのコツ」を事例を通じてをまとめます。


1.訪問営業トークのコツ-どうやって顧客の本音を引き出すか


1-1.訪問営業トークのコツ ①比較となる具体情報をぶつけ本音に迫る

予算や競合情報などは、直接は言いにくいところです。しかし、大抵の顧客は、こちから営業トークで比較できる具体例を出すと、何かしら反応してくれます。相手の反応から徐々に範囲を狭めて顧客の本音に迫っていくのです。

営業トーク例のように、具体的な比較対象となる情報を、こちらから出していきます。予算なら、「金額そのものや、他との比較」、競合なら「競合の名前、仕様、そもそも何社か」など具体的比較対象を出し、顧客の反応で情報を絞っていきましょう。


1-2.訪問営業トークのコツ ②あらゆる切り口で質問を重ねる


訪問営業トークでは、質問で一発で期待した回答が得られるのはまれです。顧客の本音に迫るまで、切り口を変えて質問を重ねていきます。

例えば、訪問営業トーク例では、以下のような様々な切り口を使っています。このようにあらゆる切り口から質問を重ねて、徐々に本音を引き出していきます。

  • 訪問営業トーク例(予算):
    「今のシステムはいくら?」「400万だったら?」「350万円だったら?」
  • 訪問営業トーク例(競合):
    「競合は何社?」「5社?」「3社?」「一番安い競合?」「100万円下がったら競合と比べてどうか?」「競合はA社?」「競合は商社系?」「競合の仕様は?」

2.顧客の本音を引き出した訪問営業トーク例


2-1.訪問営業トーク例再現 ①顧客の本音の予算情報を引き出す

※実際に、私が顧客訪問ヒアリングに関わった事例を元に再構成したものです。

営業担当のトーク「今回の予算は決まっていますか?」
お客様「いやー、まだですね。」
営業担当のトーク「そうですか。決まったら、また教えてください。」

★ここで終わらずに顧客の本音を引き出す

私の営業トーク「そうですか。目安はありますか?例えば、今のシステムはいくらぐらいだったのですか?
お客様「うーん、500万円ぐらいですかね。でも、今回はそこまで予算が取れるかどうか。。」
私の営業トーク「というと、いくらぐらいならいけそうですかね?」
お客様「うーん、やってみないとわからないですね。」
私の営業トーク「そうですか~。例えば、400万円ぐらいだったら、感触どうですか?検討対象になりそうですかね?」
お客様「そうですね。。それぐらいだったら、なんとか。いや、もうちょっと下かな。」
私の営業トークとすると、350万円ぐらいの提案だと土台にのりそうですかね?
お客様「まあ、そんなところですかね。」

訪問営業トークの違いで、本音の引き出し量が全く変わる

  • 通常の営業トークで得られる情報:予算は決まっていない
  • 顧客の本音を引き出した営業トークで得られた情報:予算は350万円が目安

2つの得られた情報を比べていかがでしょう?初回ヒアリングの訪問営業トークだけで圧倒的な情報の差がでるのがお分かりでしょう。


2-2.訪問営業トーク例再現 ①顧客の本音の競合情報を引き出す


※実際に、私が顧客訪問ヒアリングに関わった事例を元に再構成したものです。

営業担当のトーク「他社の状況はどうですか。」
お客様「いまいろいろ情報収集している段階ですね。」
営業担当のトーク「他社と比べてうちはどうですかね?」
お客様「そこは、ちょっとまだいえないですね。」
営業担当のトーク「そうですか。」

★ここで終わらずに本音を引き出す

私の営業トーク「そうですか~。・・・」
私の営業トーク「(しばらく違う話題で会話)」
私の営業トーク「(戻って)ところで、何社さんぐらい提案しているんですか?
お客様「複数社に提案してもらってますよ。」
私の営業トーク5社ぐらいですか?
お客様「いや、そこまでは。。」
私の営業トーク3社ぐらいですかね?
お客様「・・・まあ、そんなところですね。」
私の営業トーク選定のポイントなどは、もう決まってきているんですか?
お客様「信頼性とやっぱり価格ですかね。」
私の営業トーク「価格ですか。今、うちは何位ぐらいですか?
お客様「まあ、一番安くはないですね。2番目ぐらいかな。」
私の営業トーク「そうですか。一番安いところは、いくらぐらいなんですか?
お客様「それは、ちょっといえないですね。」
私の営業トーク「なるほど、そうですよね。。100万ぐらい下がったら見劣りしない金額になりますかね?
お客様「いや、そこまでは。。」
私の営業トーク70万円ぐらいですかね?
お客様「うーん、そのぐらいかな。」
私の営業トーク最も低価格の企業ってA社さんですか?
お客様「いや、そうではないですね。」
私の営業トーク「なるほど~。。商社系の会社さん、ですかね?
お客様「まあ、そうですね。。」
私の営業トーク「そうですか~。弊社の提案内容と比べてどうですか?何か違いがありますか?
お客様「ほぼ同じですね。あ、●●(とある仕様)だけ違うかな。」
私の営業トーク●●がついているとかですかね?(競合が特定できるような仕様を聞く)」
私の営業トーク「なるほど。わかりました。ありがとうございます。」

訪問営業トークの違いで、本音の引き出し量が全く変わる

  • 通常の営業トークで得られる情報:「競合は言えない」
  • 顧客の本音を引き出した営業トークで得られた情報:「競合は2社(自社入れて3社)」「価格は2番目に安い」「競合最安値と70万円差ぐらい」「競合は商社系の会社」「提案は一部違う仕様あり」

3.顧客の本音を引き出すとは

一口に本音といっても、訪問営業における本音とは2種類の「本音」があります。

3-1.本音がない場合

意外と多いのが、引き出すための本音、顧客の意思がまだない場合です。

この場合はそもそも引き出すべき本音=お客様の意思を、作るように営業担当者が導いてあげる営業トークが必要です。

営業トーク例①の予算ヒアリングでは、「引き出すための本音」がない状況から、質問によりお客様が意思、この場合は予算感を持つようにリードしています。

3-2.本音はあるが隠している場合

本音がある場合は、当然いかに本音を引き出すかが営業トークの目的となります。

ここでの本音を引き出すポイントは、「出してはいけない情報の線引きはお客様の中でも明確でない場合が多い」ということです。

例えば、「発表前の決算情報」であればいってはいけないのは明らかですね。では、営業トーク例②競合情報ではどうでしょう?

おそらくなんとなく秘密にしておきたい気持ちはある。しかし、例えば「競合の社数までならいってよい」という線引きを持っているヒトはいません。この場合、質問を重ねることにより、徐々に本音が見えてきます。


まとめ -探偵のように営業トークで顧客の本音情報を集める


営業訪問で競合情報を1回質問して「教えられません」という回答を得ただけでヒアリング終了としていませんか?

訪問営業は探偵のようなものです。営業トークを駆使して、ヒントとなる断片的情報を集めていく、そして足りなければ追加します。パズルのピースを完成させるように、予算情報、競合情報などを精緻化して、顧客の本音にせまっていくのです。



参考情報

1.海老原一司のシナプスビジネスナレッジコラム

海老原一司:チーフマーケティングコンサルタント
1974年生まれ。早稲田大学理工学部修士課程をへて1999年日本テレコム株式会社入社。IT業界を中心に大企業・ベンチャーなどの事業会社で クラウドサービスなどの10年間以上のプロダクトマネージャ経験を持つ、BtoB事業の新規事業立ち上げ、事業成長のスペシャリスト。プロマネとして新サービスを3年で100倍の売上にした経験を持つ。

2014年シナプス入社。BtoBマーケティングプログラム責任者。
立教大学経営学部講師
グロービス経営大学院(MBA)


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