顧客の最初の言葉は大抵ウォンツ・目先の顕在ニーズです。 「あなたは、ウォンツ・目先の顕在ニーズから、本質的潜在ニーズの掘り起こし方を理解していますか?」

シナプス海老原です。

営業スキル、BtoBマーケティングスキルの重要スキルとして「顧客から潜在ニーズを掘り起こすスキル」があります。
実はシンプルに同じ質問を重ねるだけで、顕在ニーズだけでなく、顧客自身も気づいていない潜在ニーズを掘り起こすことができるのです。
潜在ニーズの掘り起こし方をトレーニングし、営業スキル・マーケティングスキルをワンランクアップしましょう。

ニーズとウォンツの違いは、実際の活用は難しいものです。そこで、本コラムでは、潜在ニーズの概念にとどまらず、質問を重ね潜在ニーズを引き出した事例を豊富に用意。事例を通して潜在ニーズの引き出し方のコツを身につけてください。


1.ニーズとは:ニーズとウォンツ


1-1.ニーズとウォンツ=目的と手段


「ニーズとウォンツ」とは「目的と手段」と考えることができます。

「スポーツドリンクが欲しい」。この言葉は、ウォンツ=手段です。顧客はすぐに意識しやすい手段・ウォンツを発言し、目的=ニーズは、言葉にしていないことが多いでしょう。

たとえば、「ドリンクが欲しい」はウォンツ=手段です。ニーズ=目的は「のどが渇いているので、冷たいスポーツドリンクでのどを潤したい」などでしょう。


1-2.潜在ニーズと潜在ニーズとは


ニーズには、「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」があります。

顕在ニーズとは、その名の通り、すでに顕在化している、分かっているニーズです。ここで、もし顧客自身も認識していないような、潜在ニーズを発見することができれば、新たな価値の提案、競合差別化ができる可能性が高まります。

しかし、潜在ニーズを見つけろといっても、「言うは易く行うは難し」です。どのように潜在ニーズを顧客から引き出せばよいのでしょうか。

2.潜在ニーズの掘り起こし方


2-1.顧客の最初の発言はウォンツ


顧客が営業、店員に発言するのは、通常手段=ウォンツです。

「ミネラルウォーターがほしい」「エアコンが欲しい」「車が欲しい」「こういうシステムを開発してほしい」。これらはすべてウォンツです。

顧客はウォンツを発言しやすく、前提となるニーズは顧客の頭の中にだけあって発言されないことが多いです。通常「ウォンツは具体的なもの」「ニーズは抽象的なもの」です。よって、最初にウォンツを発言しがちなのは、人間の脳が、具体的なウォンツの方がイメージしやすいからでしょう。


2-2.質問を重ねる潜在ニーズの掘り起こし方


潜在ニーズを引き出すための質問は「なぜ?」です。

潜在ニーズを引き出すには、このシンプルな「なぜ?」という質問を何度か繰り返し、潜在的、本質的なニーズに迫ります。


2-3.潜在ニーズを引き出す質問バリエーション


潜在ニーズを引き出すシンプルな質問は「なぜ?」です。しかし、ストレートに「なぜ?」と聞かれると不快感を持つ人もいるでしょう。ここでは、質問のバリエーションをいくつか上げますので、その場に応じて適切なものを使ってみてください。

  • ○○が欲しいのは、なぜでしょう?
  • 差し支えなければ、○○が欲しい理由を教えていただけますか?
  • そうなると、何がうれしいのでしょう?
  • ○○をする目的はなんでしょうか?

3.ウォンツからお客様潜在ニーズを引き出した5つの事例


ウォンツから、質問を重ね、潜在ニーズ・本質ニーズを深掘りした事例です。ここまで掘り下げると、ニーズを満たすために、当初の顧客のウォンツと異なる手段の選択肢があることがわかります。

3-1.事例①「電動自転車が欲しい」(消費者編)

  1. 「電動自転車が欲しい」「なぜ?」
  2. 「足が太くなりたくない」「なぜ?」
  3. 「きれいでいたい」「なぜ?」
  4. 「モテたい」潜在ニーズ

潜在ニーズを満たす他の手段例

  • 合コンの紹介
  • 化粧品
  • ダイエット食品

3-2.事例②「車が欲しい」(消費者編)

  1. 「車が欲しい」「なぜ?」
  2. 「早く家を出たくない(朝の通勤電車の時間が読めないので早く出ている」「なぜ?」
  3. 「きれいでいたい」「なぜ?」
  4. 「朝もっとゆっくり寝ていたい」
  5. 「もっと多く寝たい、質の良い睡眠をとりたい」潜在ニーズ

潜在ニーズを満たす他の手段例

  • 快眠ベッド・枕
  • 睡眠薬の利用
  • 夜コーヒーを飲まない、スマホを触らない

3-3.事例③「PlayStation4が欲しい」(消費者編)

  1. 「PlayStation4が欲しい」「なぜ?」
  2. 「アクションゲームをきれいな画面で楽しみたい」「なぜ?」
  3. 「仕事のストレスを解消したい」潜在ニーズ

潜在ニーズを満たす他の手段例

  • スポーツをする
  • カラオケ
  • よく寝る

3-4.事例④「A業務の効率化をしたい」(企業編)

  1. 「A業務の効率化をしたい」「なぜ?」
  2. 「A業務の事務社員数を減らしたいる」「なぜ?」
  3. 「減らした事務社員を営業職に転換させたい」「なぜ?」
  4. 「営業人数を増やして営業力を強化したい」潜在ニーズ

潜在ニーズを満たす他の手段例

  • 営業教育
  • 営業サポートツールの導入
  • 営業人員の代わりにWEBサイトを強化

3-5.事例⑤「業務マニュアルを改訂したい」(企業編)

  1. 「業務マニュアルを改訂した」「なぜ?」
  2. 「A業務の事務社員数を減らしたい」「なぜ?」
  3. 「全社目標である業務効率化のため業務マニュアルを改訂したい」「なぜ?」
  4. 「効率化できるオペレーション方法の改善と事務員への浸透を行いたい(そのための手段の一つがマニュアル改訂)」潜在ニーズ

潜在ニーズを満たす他の手段例

  • 業務の一部を辞める(辞められる業務はないか?)
  • 人手でやっている部分をシステム化する
  • 事務員の教育

参考「潜在ニーズを引き出す方法」を学ぶ企業研修

「顧客ニーズヒアリング研修」は、提案型営業のキモ、顧客ニーズヒアリング力を高める企業研修です。顧客ニーズヒアリングの論理的仮説検証プロセスを身につけます。実在の顧客のニーズ仮説を立てコンサルタントの仮説検証ノウハウを伝授します。

研修プログラムの詳細は『 「顧客ニーズヒアリング研修」仮説検証で潜在ニーズを掴むコツ』をご覧ください。

お客様の声:ニッセイ情報テクノロジー様

正留様) ニーズヒアリング基礎編実施後ニッセイ情報テクノロジーが抱えている課題がより明確になりました。
まずは、「ニーズとウォンツの違い」が本当にはわかってなかった。お客様が発言する表面的な「ウォンツ」と、本当に必要な「ニーズ」の区別が、なかなかついていない。
また、ニーズヒアリングにおいて、「次にやるべきこと」「実業務でどう活かすか」が、まだまだわかっていない。ニーズ仮説のリアリティが足りないと思いました。

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