シナプス海老原です。

「BtoB商品の価格設定で迷ったことはないでしょうか?」「他社はどのように価格決定しているか気にならないでしょうか?」

今回は、「100個以上の商品価格設定で鍛えたBtoBマーケティング価格戦略のコツ」としてBtoBプロダクトマーケティング歴10年以上の海老原が、BtoB商品価格の価格決定方法について解説します。


1. BtoB商品価格設定では、なぜ経済合理性が重要なのか


1-1.顧客は営利企業である限り、商品価格設定の経済合理性には逆らえない

企業の存在目的は様々ありませす。「世の中の人を幸せにする」「世界から病気をなくす」と言った崇高な理念、存在目的を持った企業もいるでしょう。

しかし、営利企業、さらに上場企業であれば株主の圧力が働きます。すると、必ず経済合理性を元に経済価値を上げることが必要です。シンプルにいえば「利益を上げることが目標(の一つ)」といいかえてもよいでしょう。

1-2.BtoBの購入商品価格判断は、組織全体では、それなりに合理的に動く

「人間は合理的には動かない」と言われます。企業の購買行動においても、購入可否を判断するのは1人1人の人間です。そのため、例えば「あの営業は仲が良いから買ってあげたい」「この会社好きなんだよね」「商品はいいけど、あの会社の営業は好きじゃない」といった、必ずしも経済合理的ではない判断も購買意思決定に影響してきます。

しかし、このような経済合理性に基づかない判断の影響は排除される方向に働く仕組みを持っています。

それが、稟議システムです。企業の購買意思決定プロセスでは、稟議書を書いて、予算の執行理由を文字でかかなければなりません。この稟議書内に書くのは、必ず会社にとっての経済合理的な理由、メリットです。例えば、稟議書に「A社の営業が気にくわないので、値段は高いですがB社を選定します。」とは書けないでしょう。

2. BtoBの価格設定方法:顧客価値を定量計算する

BtoBのプロダクトマーケティングで商品価格設定する場合は、顧客の価値を極力定量化します。

理論上は「コスト+標準利益以上」の商品価格設定はいつでも可能です。しかし、商品価格に対する、提供価値が定量的に説明できなければ、価格競争に陥ります。

ここで、商品価格設定の具体例として「営業効率化のためにタブレット端末を導入したい。」という事例を考えてみましょう。

2-1. 顧客価値を計算しない


2-1-1. 自社コストに標準利益を乗せて商品価格設定


商品価格設定=コスト+利益 = 5,000円+1,000円 = 6,000円


2-2. 顧客価値を計算して商品価格設定


2-2-1. コスト削減効果の顧客価値を計算して商品価格設定


商品価格設定=顧客価値 = コスト削減額 = 2,000円+10時間 = 20,000円

例えば、営業が日報を書くために毎日会社に戻るための30分を無駄にしていると仮定します。タブレット端末導入により、営業1人当たりの時間が30分×20営業日=10時間の削減。営業担当の時給が2,000円とすると、20,000円のコスト削減効果=顧客経済価値が生まれます。

2-2-2. 利益創出効果を顧客価値として商品価格設定

商品価格設定=顧客価値 = 利益創出額 = 訪問件数5件 = 受注件数1件 
= 20万円×20% = 40,000円

例えば、タブレット導入により毎月の営業担当の訪問研修が5件増えると仮定します。訪問受注率は20%で、5件訪問すると1件受注できます。販売商品価格が20万円で、粗利が20%とすると、40,000円となります。タブレット端末導入により、営業1人当たりの40,000円の利益創出=40,000円の顧客経済価値が生まれます。

2-3. 商品価格設定のための、顧客経済価値計算法は、複数あり得る


  1. 自社コストに標準利益を乗せただけ
  2. 自社製品導入による、顧客のコスト削減効果を概算計算
  3. 自社製品導入による、顧客の利益創出効果を概算計算


参考情報

1.マーケティングフレームワーク実践ビジネスナレッジコラム


BtoB価格戦略(顧客価値計算)を学ぶ企業研修

「BtoBマーケティング研修基礎」BtoB企業向けにマーケティング思考の基礎を共通言語化する企業研修です。マーケティング戦略プロセスのエッセンスを抑えつつ、BtoBに精通したコンサルタントが「DMU」「購買プロセス」「経済合理性」など、BtoBマーケティングの基本ポイントも解説します。

研修プログラムの詳細は『 「BtoBマーケティング研修基礎」BtoBプロの基本ノウハウ』をご覧ください。


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