刺さる営業提案書の書き方-コンセプトから楽に営業企画書を作るコツ

マーケティング・カレッジ(公開講座)


「あなたは、営業提案書を書くための、『型』を持っていますか?」
「コンセプトから、楽々に刺さる提案書の書き方を知っていますか?」
提案書作成の基本が「提案書コンセプト作成」です。コンセプトの4つの要素さえできれば、楽々・簡単に、提案書のスライド構成を作れる方法を教えます。


提案書の書き方:3つの基本プロセス



コンセプト


まずは、営業提案書のゴールを設定し、提案骨子、提案書コンセプトを作成します。


コンセプトからストーリー構成


営業提案書のコンセプト分析のあとは、ストーリー構成を決めます。

提案書ストーリー構成は、たとえば、パワーポイントでは「スライドごとのメインメッセージの流れ」に当たります。パワーポイントを使って、1枚1枚のスライド作成に入る前に、提案書ストーリー構成を決めます。


ストーリー構成をドキュメント化


提案書の書き方プロセスの最後で、パワーポイントなどの具体的なプレゼン資料に落とし込みます。どんな提案書でも、「コンセプト」→「ストーリー」→「ドキュメント」という営業提案書作成プロセスは同じです。


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コンセプトを作るコツ

刺さる提案書に必要なのは、よいコンセプトとわかりやすいストーリー

あなたは、パワーポイントのスライド作成の細かいテクニックに、労力を使っていませんか。
刺さる営業提案書に重要なのは、「よいコンセプト」と「わかりやすいストーリー構成」です。


提案書コンセプトフレームワーク:FABE分析


刺さる営業提案書を書くには、まず「営業企画書コンセプトを、顧客目線で、しっかり固めること」が重要です。コンセプト作成のフレームワークがFABE分析です。

  • Feature (特徴):提案書の概要説明(要は、こういう提案です。)
  • Advantage (優位性):提案の優位性(3つ程度の優位点)
  • Benefit (顧客便益):提案で顧客の得られるメリット(顧客目線に立つ)
  • Evidence(証拠):提案を裏付けるデータ、実績等

ストーリー構成のコツ

FABE分析から提案書ストーリー骨子作成

提案書の書き方として、まずFABE分析でコンセプトをまとめました。

次に、FABE分析から、刺さるストーリー構成をイメージします。FABE分析の論理的つながりをチェックし、ストーリー構成を作成します。



FABE分析から簡単に刺さる提案書ストーリー構成を作る方法


FABE分析を、シンプルに展開した営業提案書ストーリーが、以下です。

  1. まず、Feature(特徴)で提案書の概要を理解してもらう。
  2. 次に、AdvantageとBenefitを提案書で示し、自社の商品/サービスがよい理由を理解してもらう。
  3. 提案書の最後に、Evidence(証拠)を見せて顧客を納得させる。

FABE分析の提案書ストーリー構成展開例

  1. 『本製品の特徴は、一言で言うと、●●による××です。』(Feature)
  2. 『本製品は、他の製品に比べて●●の性能が最も優れています。』(Advantage)
  3. 『たとえば、このデータをご覧ください。』(Adbantageに対するEvidence)
  4. 『また、本製品を導入するとお客様のに●●のようなメリットがあります』(Benefit:売上向上、コスト削減etc)
  5. 『たとえば、このデータをご覧ください。』(Benefitに対するEvidence)

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楽にドキュメントを作るコツ

FABE分析でコンセプト作成後、わかりやすいストーリーを作ります。

FABE分析のコンセプトから、そのままスライド構成作成した例を示します。楽々で、どんな営業企画書にも使えるテクニックです。

楽々スライド作成法 -FABE分析を、そのままスライド化

楽々な提案書の書き方では、FABE分析から、そのまま1対1でスライドを作ります。

FABE分析からシンプルにスライド化した例

FABE分析を、そのままスライド化すると、以下6スライドになります。



  1. Feature:最初に、この提案は「要は、どういう提案なのか」簡潔にまとめる
  2. Benefit+Evidence1:顧客ベネフィットを「メインメッセージ」、ベネフィットの根拠を「ボディ」で示す
  3. 2つのAdvantage概要説明
  4. Advantage1+Evidence2:優位性1を「メインメッセージ」に、優位性1の根拠を「ボディ」で示す
  5. Advantage2+Evidence3:優位性2を「メインメッセージ」に、優位性2の根拠を「ボディ」で示す
  6. Feature:まとめとして重要なポイントを繰り返す

スライド例の材料となったFABE要素(6つ)


  • Feature ×1つ
  • Advantage ×2つ
  • Benefit  ×1つ
  • Evidence ×3つ(Advantage2つ、Benefit1つ)

これだけは守るべきスライド作成の基本



オーソドックスなスライド構成の基本を示します。スライド上部の文が「メインメッセージ」で、そのスライド内容を、一言でまとめたもの、です。

「メインメッセージ」の下部は、「ボディ」で、メインメッセージの根拠となります。逆に考えると、「ボディの内容を凝縮したのが、メインメッセージ」です。


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刺さる提案書の書き方上級編:コンセプトを磨く3つのコツ


コンセプトさえ作れば、楽々に、ストーリーとスライド作成ができる方法を書きました。次に、「より刺さる提案書を書く」ため、コンセプトを磨く3つのコツを示します。

  1. Advantageでは、競合を具体的に
  2. Benefitの「主語は顧客」
  3. Evidenceはエピソード、数字で納得感強化

Advantageでは競合を具体的に


FABE分析で、AdvantageとFeatureは、よく混同されます。Advantageでは、顧客にとっての競合商品/サービスを具体的にイメージします。競合と自社提案との違いが明確でなければ、Advantageとはいえません。競合との違いがわかる、営業提案書を書きましょう。

競合を意識したAdvantage事例:バルミューダの高級トースター

Advantage「スチームでパンを焼く」という新発想のトースターです。

※バルミューダは。家電の中でも成熟化している「トースター」に特化し、「これまでのトースターすべてと異なる」というポジショニングを狙っています。

Benefitの主語は顧客

FABE分析の中で、Benefitは、間違えやすい要素です。Benefitは、FeatureとAdvantageと混同された表現が多いようです。

Benefitの書き方のコツは、顧客視点を貫くことです。Benefitの主語は、あくまでお客様でなければいけません。Benefitが、性能●%増など、顧客目線ではなく、自社目線、競合目線で表現されているのは、顧客ベネフィットではありません。

営業提案書では、商品導入後、顧客が具体的にどうなるか?どんな良いことがあるか?どれはどの程度か?を具体的にします。できれば数値を含めて表現しましょう。

Benefit事例:バルミューダの高級トースター

『トーストの外側がカリッと焼け、内側は水分が残ってふんわりとしたできあがりです。毎朝の朝食が楽しくなります。』

ここで例えば、「スチームを使っています」というのは、自社視点のタダの機能であって顧客のベネフィットではありません。

Evidenceはエピソード、数字で納得感強化

FABをしっかり描けば、特徴、競合優位性、自社にとっての顧客ベネフィットを理解してもらえるでしょう。 しかし、理解のあとの最後の一押し、営業提案書で顧客の納得・共感を得るのに必要なのが、FABE分析のEvidence(証拠)です。

Evidenceとなるエピソード:事例-バルミューダの高級トースター

FABEのEvidenceとして効果的なものに「エピソード」があります。よいエピソードは、強力なメッセージを相手に残します。

友人『バルミューダーのトースターに変えてから朝食の幸福感が違うんですよね。』
私『え、そこまでですか。パン屋さんのパンを買うとかじゃだめなんですか?』
友人『いや、高級なパン屋さんとかじゃなく、普通に売っているパンでも、「焼きたて」のパンみたいなんですよ。朝幸せな気分になれますよね。値段分の価値ありますよ。ほんとに』

これは、我々が友人から聞いたエピソード事例です。
いかがでしょう?Evidenceをエピソードで表現することにより、受け手は利用シーンをより具体的にイメージでき、納得感が高まります。

Evidenceは数字で示すと効果的

Evidenceは、わかりやすい数字で印象的に表すのが一つの王道です。
有名な事例が「ペプシチャレンジ」です。「ペプシチャレンジ」といのは、ペプシ社が仕掛けたキャンペーンで、『ブランドを伏せて「コカコーラ」と「ペプシコーラ」を試飲してもらうと、半分以上の人がペプシを選んだ』という内容のキャンペーンです。
「ペプシの方がおいしい」というメッセージを「半分以上の人が選んだ」という定量的Evidenceを元にセンセーショナルに広告しました。


まとめ


刺さる提案書のキモは、資料(ドキュメント)の前に、コンセプトとストーリーです。FABE分析を使って相手に響く、刺さるコンセプトとストーリー構成を作りましょう。


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