シナプス海老原です。

「あなたは、提案書・営業企画書を書くための、『型』を持っていますか?」「営業企画書コンセプトを磨き方を知っていますか?」

営業企画書作成の基本が「提案書コンセプト作成」です。コンセプト作成の基本的な型=FABE分析を身につければ、営業企画書のベースを完成させることができます。
また、提案書コンセプトの型としてFABE分析を使いこなし、顧客に刺さる営業企画書をコンセプト立案できるコツを身につけましょう。

しかし、コンセプトが決まれば自動的に提案書ストーリーが決まるわけではありません。しかし、ここでは、提案書作成に困ったとき、FABE分析でコンセプト作成ができれば、簡単に自動的に、営業企画書のストーリーとスライド構成作成ができる方法を教えます。


1.提案書の書き方プロセス


1-1.提案書の書き方 3ステップ



1-1-1. 提案書の書き方 ①企画書の目的とコンセプト


まずは、営業提案書のゴールを設定した上で、提案骨子、提案書コンセプトを分析・作成します。


1-1-2. 提案書の書き方 ②コンセプトからストーリーを構成


営業提案書のコンセプト分析をしたあとは、ストーリー構成を決めます。

ストーリー構成は、提案書の流れです。たとえば、パワーポイントドキュメントでいうと「スライドごとのメインメッセージの流れ」に当たります。パソコンで、1枚1枚のスライド資料作成に入る前にストーリー構成を決めます。


1-1-3. 提案書の書き方 ③ストーリー構成後ドキュメント化


提案書作成プロセスの最後で、パワーポイントなどの具体的な資料に落とし込みます。

最終的な営業提案書が、「パワーポイント」「Word」「EXCEL」、どんな作り方でも、「コンセプト」→「ストーリー」→「ドキュメント」という営業提案書作成プロセスは同じです。

2. 提案書の書き方の基本:コンセプトとストーリー構成を作る

2-1. 提案書に必要なのは、刺さるコンセプトとストーリー構成

提案書の本質的内容以外に、パワーポイントスライドの細かいテクニックに労力をかけ過ぎていないでしょうか。刺さる営業提案書に重要なのは、「コンセプト」と「ストーリー構成」です。


2-2.提案書コンセプトの書き方:FABE分析


刺さる営業提案書を書くには、まずは「営業企画書コンセプトをしっかり固めること」が重要です。コンセプまとめに使えるフレームワークがFABE分析です。

  • Feature (特徴):提案書の概要説明(要は、こういう提案です。)
  • Advantage (優位性):提案の優位性(3つ程度の優位点)
  • Benefit (顧客便益):提案で顧客の得られるメリット(顧客目線に立つ)
  • Evidence(証拠):提案を裏付けるデータ、実績等

マーケティング用語集:FABE分析

2-3. 提案書コンセプト=FABE分析の論理構成

提案書の書き方手順として、まずFABE分析でコンセプトをまとめます。次に、提案コンセプトから刺さるストーリー構成作成をイメージしましょう。提案書のストーリーとして、FABE分析の各要素の論理的つながりをチェックします。



2-4. FABE分析から提案書ストーリー構成に展開


FABE分析をシンプルに展開した営業提案書ストーリーが以下です。

  1. まず、Feature特徴で自社の商品など提案書の内容を理解してもらう。
  2. 次に、AdvantageとBenefitを提案書で示し、自社の商品/サービスのがよい理由を理解してもらう。
  3. 提案書の最後に、Evidence(証拠)を見せて顧客を納得させる。

FABE分析による具体的提案書ストーリー例

  1. 『本製品の特徴は、一言で言うと、●●による××です。』(Feature)
  2. 『本製品は、他の製品に比べて●●の性能が最も優れています。』(Advantage)
  3. 『たとえば、このデータをご覧ください。』(Adbantageに対するEvidence)
  4. 『また、本製品を導入するとお客様のに●●のようなメリットがあります』(Benefit:売上向上、コスト削減etc)
  5. 『たとえば、このデータをご覧ください。』(Benefitに対するEvidence)

3.提案書の書き方上級編: 営業企画書コンセプトを磨く


3-1. 営業企画書の磨き方 ①Advantageでは競合を具体的に


FABE分析で、AdvantageとFeatureは混同されやすいものです。Advantageは、顧客がイメージする競合商品、代替品を具体的にしたうえで、自社製品との違いが明確になるように営業提案書を書きましょう。

競合を意識したAdvantage事例:バルミューダの高級トースター

Advantage「スチームでパンを焼く」という新発想のトースターです。

※成熟化が進んでいるプロダクトでは、顧客の中での具体的な競合名をByNameでイメージするのが基本ですが、バルミューダの場合は。家電の中でも成熟化している「トースター」に特化して「これまでのトースターすべてと異なる」というポジショニングを狙っているようです。

3-2. 営業企画書の磨き方 ②Benefitの主語は顧客

FABE分析の中で、Benefitは、間違えやすい要素です。Benefitは、FeatureとAdvantageと混同された表現が多いようです。

Benefitの書き方のコツは、顧客視点を貫くことです。Benefitの主語は、あくまでお客様でなければいけません。Benefitが、性能●%増など、顧客目線ではなく、自社目線、競合目線で表現されているのは、顧客ベネフィットではありません。

営業提案書では、商品導入後、顧客が具体的にどうなるか?どんな良いことがあるか?どれはどの程度か?を具体的にします。できれば数値を含めて表現しましょう。

Benefit事例:バルミューダの高級トースター

『トーストの外側がカリッと焼け、内側は水分が残ってふんわりとしたできあがりです。毎朝の朝食が楽しくなります。』

ここで例えば、「スチームを使っています」というのは、自社視点のタダの機能であって顧客のベネフィットではありません。

3-3. 営業企画書の磨き方 ③納得感を強化するEvidence

Evidenceで納得感を向上

FABをしっかり描けば、特徴、競合優位性、自社にとっての顧客ベネフィットを理解してもらえるでしょう。 しかし、理解のあとの最後の一押し、営業提案書で顧客の納得・共感を得るのに必要なのが、FABE分析のEvidence(証拠)です。

Evidenceはわかりやすい数字で示す

Evidenceは、わかりやすい数字で印象的に表すのが一つの王道です。

一つの例が、「ペプシチャレンジ」でしょう。「ペプシチャレンジ」といのは、ペプシ社が仕掛けたキャンペーンで、『ブランドを伏せて「コカコーラ」と「ペプシコーラ」を試飲してもらうと、半分以上の人がペプシを選んだ』というキャンペーンです。

つまり、「ペプシの方がおいしい」というメッセージを「半分以上の人が選んだ」というEvidenceを元にセンセーショナルな形で宣伝したキャンペーンです。

Evidenceとなるエピソード:事例-バルミューダの高級トースター

FABEのEvidenceとして効果的なものに「エピソード」があります。よいエピソードは、強力なメッセージを相手に残します。

友人『バルミューダーのトースターに変えてから朝食の幸福感が違うんですよね。』
私『え、そこまでですか。パン屋さんのパンを買うとかじゃだめなんですか?』
友人『いや、高級なパン屋さんとかじゃなく、普通に売っているパンでも、「焼きたて」のパンみたいなんですよ。朝幸せな気分になれますよね。値段分の価値ありますよ。ほんとに』


これは、私が友人から聞いたエピソード事例です。

いかがでしょう?Evidenceをエピソードで表現することにより、受け手は利用シーンをより具体的にイメージでき、納得感が高まります。

4.FABE分析を使ってシンプルに営業企画書スライド構成作成

FABE分析で営業企画書コンセプト作成後、本来はわかりやすいストーリーを時間をかけて考える必要があります。

ここでは、機械的に単純に、FABE分析のコンセプトから、スライド構成作成した例を示します。単純ですが、FABE分析さえできていれば、どんな営業企画書にも応用できるので、参考にしてください。

4-1.FABE分析材料から、簡単に自動的に提案書スライド構成作成してみる

FABE分析の材料例

  • Feature ×1つ
  • Advantage ×2つ
  • Benefit ×1つ
  • Evidence ×3つ(Advantage2つ、Benefit1つ)

FABE分析の要素を、そのまま1対1でスライド構成に盛り込む

FABE分析の材料を元に、シンプルにスライド構成作成を行うと、以下6スライドになります。


  1. Feature:最初に、この提案は「要は」どういう提案なのか簡潔にまとめる
  2. Benefit+Evidence1:顧客ベネフィットを「メインメッセージ」に、ベネフィットの根拠を「ボディ」で示す
  3. 2つのAdvantage概要説明
  4. Advantage1+Evidence2:優位性1を「メインメッセージ」に、優位性1の根拠を「ボディ」で示す
  5. Advantage2+Evidence3:優位性2を「メインメッセージ」に、優位性2の根拠を「ボディ」で示す
  6. Feature:まとめとして内容を繰り返す

【参考】スライドの基本:メインメッセージとボディ


参考に、オーソドックスなスライド構成の基本を示します。スライド上部の文が「メインメッセージ」で、そのスライドで言いたいことを一言でまとめたものです。

「メインメッセージ」の下部は、「ボディ」と呼ばれ、メインメッセージの根拠となり、逆にボディを圧縮したものがメインメッセージです。FABE分析のEvidenceは、ボディで示すのが使い易いでしょう。(※Evidenceがボディ部分1枚で済むシンプルな構成の場合)


まとめ


刺さる提案書の書き方-コンセプトから簡単に営業企画書を作る方法いかがでしたか。刺さる提案書のキモは、資料(ドキュメント)の前に、コンセプトとストーリーです。FABE分析を使って相手に響く、コンセプトとストーリーを作りましょう。

営業提案書・営業企画書について、詳細に学びたい方は『 ロジカルプレゼンテーション研修-手書き演習でプレゼン構成作成 』をご覧ください。


参考情報

1.海老原一司のシナプスビジネスナレッジコラム

1974年生まれ。早稲田大学理工学部修士課程をへて1999年日本テレコム株式会社入社。IT業界を中心に大企業・ベンチャーなどの事業会社で クラウドサービスなどの10年間以上のプロダクトマネージャ経験を持つ、BtoB事業の新規事業立ち上げ、事業成長のスペシャリスト。プロマネとして新サービスを3年で100倍の売上にした経験を持つ。

2014年シナプス入社。BtoBマーケティングプログラム責任者。
『立教大学経営学部講師』(2015年~現在)
『グロービス経営大学院(MBA)』(2010年卒)


営業力強化コラムシリーズ





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