更新日:2025年11月28日
新規事業を立ち上げたいが「どこから手をつけるべきか分からない」という声は多くの企業で聞かれます。本記事では、新規事業の進め方を8つのステップに整理し、実務で役立つポイント・失敗パターン・業種別の注意点まで網羅的に解説します。
さらに市場調査・MVP開発・社内承認・撤退基準など、新規事業でつまずきやすい論点についても触れ、「実務的な進め方」をカバーしています。
シナプスでは、新規事業の戦略策定から検証、組織づくりまで一気通貫で伴走しています。
▶ 新規事業コンサルティングの詳細はこちら
新規事業とは?なぜ今、企業に必要なのか
新規事業の定義
新規事業とは、既存事業とは異なる市場・顧客価値・収益モデルで新しい価値を提供し、収益源を生み出す取り組みを指します。単なる商品開発ではなく、顧客課題の再定義や新たなビジネスモデル構築を含む「事業創造」活動です。
新規事業が今求められる理由
- 市場の成熟化:既存事業だけでは売上成長が頭打ちになる
- 顧客ニーズの多様化:従来のプロダクトでは価値が届かない領域が増加
- 技術革新の加速:DX・AI など、破壊的変化が頻発
- 人材育成・組織活性化:挑戦する文化形成の核になる
企業が持続成長するためには「既存事業 × 新規事業」の両輪が欠かせません。
新規事業の進め方|8つのステップで体系的に理解する
新規事業の成功率を高めるためには、以下の8ステップで検証サイクルを回しながら進めることが重要です。
ステップ1:事業アイデアの創出と定義
アイデアは、以下の3つの出どころから生まれます。
- 外部環境の変化(PEST):技術、制度、社会変化など
- 顧客課題(インサイト):不満・不便・非効率
- 社内アセット:技術、顧客基盤、人的資源
<実務Tips>SCAMPERやジョブ理論でアイデアを広げる
既存の業務や製品に、SCAMPER(代替・結合・応用・変更…)を当てはめると幅広い発想ができます。また「顧客は何の“仕事(Job)”を片付けたいのか?」というジョブ理論を使うと、課題の再定義に役立ちます。
ステップ2:市場調査・顧客調査(デスクリサーチ+インタビュー)
市場規模・競合状況・顧客の現状行動を調査し、事業として成立する余白を見極めます。
<実務Tips>調査で見落としがちな3点
- “顧客の代替行動”(現状どの方法で課題を解決しているか)
- “お金を払っている領域”(実際の購買行動)
- “解決したいが諦めている課題”(顧客本人も言語化できないニーズ)
ステップ3:事業コンセプトの明確化
「誰の/どの課題を/どう解決するか」を1文で表現するコンセプトステートメントを作成します。
<例>
「中堅製造業の設計部門が抱える“属人化した業務負荷”を、AIを活用した図面自動チェックで解決する」
ステップ4:ビジネスモデルの構築
価値提案、収益構造、チャネル、パートナー、コスト構造などを整理します。ビジネスモデルキャンバスを使うと整理しやすいでしょう。
<実務Tips>“勝てる領域”を明確にする
- 顧客が最も価値を感じるポイントはどこか?
- 競合に対して「非連続の優位性」はあるか?
- 社内アセットを活かせる設計になっているか?
ステップ5:事業計画書の作成
収支計画、KPI設計、市場規模計算、ロードマップ等をまとめます。
<よくある失敗>数字が“作り物”になっている
市場規模をTAM→SAM→SOMの順に具体化し、顧客数や獲得率に根拠を持たせることが重要です。
ステップ6:資金調達・リソース確保
必要な人材・技術・外部パートナーを確保します。企業内新規事業では、社内予算のほか補助金の活用も重要です。
ステップ7:MVP開発と検証
MVP(最小実用プロダクト)を作り、顧客の反応を検証します。
<MVPの例>
- ノーコードで作った簡易アプリ
- UIモック+手動オペレーション(実は裏側でExcelで運用)
- 資料ベースの“疑似サービス体験”
<検証すべき3つの指標>
- Interest:興味・反応(クリック率など)
- Usage:実利用(継続率、頻度)
- Value:お金を払う意思があるか
ステップ8:本格リリースと改善サイクル
リリース後も、顧客データを基に改善を続けることで事業が成長します。KPIを設定し、週次・月次で振り返りを行う体制が必要です。
新規事業の成功率を高めるための“実務的な”ポイント
1. 自社アセットを徹底的に活かす
ブランド・技術・既存顧客基盤など、企業が持つ資産を活かせる領域を選ぶと成功確度が上がります。
2. 小さく試し、早く学ぶ
リーンスタートアップの思想で、MVP → 顧客検証 → 学習の高速サイクルを回すことが重要です。
3. 失敗パターンを事前に把握する
- 市場調査が浅くニーズを誤解
- 関係部署を巻き込めず社内政治で停滞
- 撤退基準がなく「ズルズル継続」
- 技術先行で顧客価値が弱い
4. 撤退基準(損切りライン)を最初に決める
KPI・期間・投資額など、撤退・軌道修正の基準を明確にしておくことで、判断の迷いを防げます。
5. 社内の協力体制を構築する
新規事業は開発、営業、法務、財務など多部署の協力が必要です。初期段階で目的を共有し、協働できる体制を作ることが成功の鍵です。
業種別の新規事業の進め方のポイント
製造業の場合
- PoCに時間がかかるため、MVPを“デジタル側”から作るのが有効
- 既存のサプライチェーンをそのまま使うかを早期に判断
SaaS・IT企業の場合
- 顧客インタビューの量が成否を左右
- UIモックアップで検証すると学習スピードが速い
サービス業の場合
- 「現場オペレーション」がボトルネックになりがち
- 小規模店舗でのMVP検証が効果的
まとめ|新規事業は「正しい進め方 × 高速の検証」が鍵
新規事業は、正しい進め方を理解しても、実際の現場では「調査の深さ」「意思決定の遅さ」「社内調整」などの壁にぶつかります。仮説検証のスピードと組織の推進力を両立することで成功確度は大きく高まります。
もし、
- 客観的な視点で勝ち筋を整理したい
- 市場調査・MVP検証を効率化したい
- 社内の企画力・推進力を強化したい
と感じている場合は、外部専門家を活用することも有効です。
シナプスでは、新規事業の戦略策定から検証、組織づくりまで一気通貫で伴走しています。