VOCアプローチについて

新規事業開発で、私たちがとても大切にしているコンセプトは「徹底的にVOC(顧客の声)に耳を傾けること」です。

家弓です。
シナプスでは、新規事業支援を数多く行っています。新規事業開発で、私たちがとても大切にしているコンセプトは、「徹底的にVOC(顧客の声)に耳を傾けること」です。
VOCとは、Voice of Customer(顧客の声)です。意外と生々しい顧客の声(VOC)を十分に把握できていないことが多いのです。

ヒアリングによるVOC=顧客の声の把握


BtoBビジネスを例に考えてます。

皆さんは、お客様のビジネスについて十分な理解をしていますか。お客様の事業概要は把握できていても、業務が遂行している現場やそのフローなどの顧客の生の現実の把握は、なかなか難しいものです。

顧客の現実を理解するためには、その現場を観察することがベストです。しかし、特に近年お客様現場に足を踏み入れることが難しくなっています。

そこで、現場観察に代わって徹底した顧客ヒアリングが必要となります。顧客ヒアリングによって、顧客の声(VOC)を集めます。

日常的に接しているお客様でも、じっくり時間をとって、お客様が現在直面している現実を顧客の声から(VOC)を綿密に理解しましょう。

顧客の声=VOCで、顧客の意見ではなく生々しい現実を理解

抽象的な顧客の声だけでは具体的なソリューションにならない

私たちが新規事業開発をお手伝いする時にも、新規事業開発プロジェクト活動の一環として、VOC(顧客の声)把握のため顧客ヒアリングを実施していただいています。

ただ、単に「顧客ヒアリングで、ニーズを明らかに」と促すと、多くの場合で「お客様はコストダウンを求めています」といった結論を出す場合が多いです。

より具体0的な動画イメージ、生々しい現実のVOCを明らかにする

しかし、私たちが顧客の声から明らかにしたいのは、「どこにどの程度のコストがかかっており」「そのうち最もコストダウン余地の大きい部分はどこか?」などの、「顧客の動画イメージがわくような生々しい現実」、そして「顧客の具体的課題」です。

これら、「顧客の生々しい現実」を明らかにしなければ、具体的なソリューション(商品)を考えることはできません。VOCで把握したいことは、現場の現実なのです。

VOC=顧客の声で把握すべき7つの情報

VOC=個顧客の声で、把握すべき情報は次の7つです。

顧客の事業環境レベルのVOC

視点を高く置いて、お客様の事業全体を取り巻く環境と課題を洞察したいところです。是非、お客様のトップマネジメントの立場に立って考えてみましょう。

  • お客様のビジネスを取り巻く事業環境はどのような状況にあるか?
  • そのなかでお客様はどのような経営課題、事業課題に取り組んでいるか?

顧客の部門課題レベルのVOC

次に部門全体の使命を考えてみましょう。全社の課題を解決するために、お客様の部門がどのような役割を果たし、どのような課題を解決するためにどのような活動を求められているかを明らかにしたいところです。

  • その全社課題のなかで、当該部門がどのような役割を果たすべきなのか?
  • そのために、部門はどのような課題を抱え、どのような活動が必要か?

顧客の業務課題レベルのVOC

これらの部門の活動を推進していくために、現場の現実を徹底理解したいところです。このレベルの現実が把握できて初めてお客様の困りごとが明確化され、適切なソリューションを描くことができるのだと思います。

  • お客様の業務はどのようなフローで遂行されているのか?その業務の実態はどのようなものか?
    (リードタイム、業務処理量、データ処理、精度、生産性、ロスなど)
  • その現場では、どのような問題点や課題が起きているのか?
  • そこで働く作業者の方々には、どのような“不”があるか?
     (“不”とは、「不効率」「不満」「不足」「不都合」などを指します。)

VOC=顧客の声で発想が変わり、事業アイデアが変化する

私たちの新規事業プログラムでは、このようにVOC収集にかなりパワーを使います。その結果、「顧客のもとに足を運ぶという行動変化」が生まれ、それと同時に「事業担当者の意識変化」も起きます。発想も変われば、事業アイディアもよりよいものに変化していきます。
皆さんはお客様を理解できていますか?お客様の業務現場が動画映像で再生できますか? 顧客理解に際限はありません。徹底してVOCに耳を傾けましょう!

参考情報




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