シナプスの新規事業コンサルティングのすすめ方

お客様が真に求めるものを具体的なお客様の声からどれだけ抽出し、事業に取り込めるかが成功のカギになります。

シナプスでは、数多くの新規事業開発に関わるコンサルティングを手掛けてきました。
BtoB領域、BtoC領域、ハイテク領域、マーケティングリサーチなど、それぞれに得意分野を持ったコンサルタントがいます。
また同時に多方面にわたるエキスパート人材とのネットワークを持ち、新規事業テーマに最適なコンサルティングチームを編成して取り組むことができます。
シナプスコンサルタント陣の紹介は「シナプスマーケティングコンサルタント陣」をご覧ください。

新規事業コンサルティングにおける新規事業プロセス

新規事業は、大きく3ステップで進めます。

  1. テーマ設定
  2. 事業計画作成
  3. フィージビリティスタディ、実行

シナプスのコンサルティングは上記のいずれも対応いたしますが、「どこからどこまでを(コンサルティングを使って)やりたいのか?」はクライアント様の最初の意思決定になります。

どの段階で合っても、シナプスが最もこだわっているのはVOC(Voice Of Customer:顧客の声や顧客の実態から明らかになった顧客の本質的なニーズ)です。お客様が真に求めるものを具体的なお客様の声からどれだけ抽出し、事業に取り込めるかが新規事業、新商品開発の成功のカギになります。

新規事業のテーマ設定

まだ、事業案が決まっていない状態で、様々な領域の中からアイデア発想し、絞り込む段階です。
この段階で重要なのは、次の三つです。

[1] 新規事業の目的を明確にしておくこと

何のためにやるのか、どの程度の事業規模が必要なのか、を定義します。

[2]新規事業の事業領域を早々に決めること

どの分野で事業検討するのかを決めます。「100億円規模の事業を作りたい」というリクエストがよくありますが、その場合、最終市場規模が100億円以上ないと期待を満たすものは出来ません。どの事業領域でもチャンスはありますが、チャンスの大きさや濃淡はこの領域の選択にかなり依存します。

[3]新規事業は様々なメンバーとディスカッションすること

担当部署だけでなく、社内外の有識者を巻き込むことによって、過去にはないアイデアが出やすくなります。社内への協力を求める場合は、例えば、研究所や技術エキスパートなど技術分野のスペシャリストや他部署の営業・マーケティング部署など、新規事業担当部署以外の顧客接点を持っている方が有効な場合が多いです。

新規事業のテーマ設定でのアウトプット

新規事業のテーマ設定のアウトプットは、「誰に」「どんな価値を」「どんな方法で」の3点セットです。すなわち、ターゲットイメージと、それに対する付加価値(背景となるニーズや解決したい不)、具体的なソリューションイメージ(製品やサービス、等)を定義します。

テーマ設定のアイデア出しの段階で、往々にして問題になるのが①「ジャンプ感が足りない」という指摘、②「あれもこれも」をやっている間にどのプランも検討が浅くなる、の二つです。これを回避するために、上記の[1][2][3]に取り組んでいます。

「ジャンプ感が足りない」という指摘は、例えば、「どこかで聞いたようなアイデア」だったり「インパクトが小さい」ことだったりします。これは、提案者がジャンプの幅を理解していないことと、自社内だけで考えていることが主な原因として考えられます。
そのため、シナプスでは、コンサルティングの初期段階で、「新規事業の目的の明確化」を行うことで、ジャンプ幅の確認をします。また、プロジェクト設計で必ず「自部署だけで考えない」組み立てを入れ込むようにしています。

また、「あれもこれも」の対策として、事業領域の絞り込みを行います。例えば市場領域や技術領域等で絞ります。
過去の経験上、どのような事業領域でも、新規事業の種は存在します。ただ、その種の多い少ない、また、種が大きく花開くかどうかの違いは事業領域ごとに異なります。端的に言えば、最終市場規模が大きく変化が激しい分野の方が成功率は高いのです。

新規事業計画作成

新規事業の事業計画では、下記の4つのポイントを意識して作成します。


[1] 売れるか?

市場規模や市場の将来的な成長性、ニーズの有無、お客様が購入に至らない理由などを分析するものです。お客様が購入するか?どれくらいの市場規模なのかを明確にします。
これを知るためには、徹底したVOC(Voice Of Customer:顧客の声や顧客の実態から明らかになった顧客の本質的なニーズ)を重ねます。

[2] 勝てるか?

競争優位性構築の可能性はあるか、という視点です。お客様にとっての選択肢をベースに、既存の選択肢に比較して優位性があるか、新規参入に対する参入障壁を築けるか、将来にわたって競争優位性・模倣困難性を作れるか、という視点で検討します。
徹底したVOCによって既存の選択肢と比較する事が可能です。また、将来の競争優位性に関しては、「最も参入してきたら嫌なプレイヤー」の視点で参入検討してみます。

[3] 儲かるか?

事業の収益性の視点です。事業はコスト構造や諸条件によって、利益率の高い事業と低い事業が存在します。通常、新規事業の利益率は、儲かっている既存事業と同等以上を求められます。したがって、事業案の時点で利益率が低いようであれば、利益率が上がる収益モデルへの変換が必要です。当該産業の収益率をベースとして、変動費・固定費のバランスや、マネタイズモデルなども勘案しながら利益率の高いビジネスモデルを模索します。

[4] 出来るか?

事業実現の可能性の視点です。ここで主にチェックすべきは、法的・技術的実現可能性と、社内外リソース確保の可能性です。特に、技術的ブレイクスルーが期待される事業案の場合には、科学的に立証できそうか、が重要なベンチマークになります。
なお、事業計画作成時は、BusinessModelCanvas(BMC)を活用するケースもあります。特に、クライアント様内で活用を推奨されている場合は、初期段階からBMCを用いて分析し、VOCを重ねる事で事業案を磨いていきます。

このフェーズで良く陥るパターンは、「売れる確証がない」事業案になってしまうことです。あったら良いがなくても良いものや、誰が買うのかわからないような提案がこれにあたります。この理由は大きく二つパターンがあり、「机上で作っているためニーズの有無がわからない」ケースか、「実際にはニーズはあるが意思決定者がニーズの存在を理解できない」ケースのいずれかでしょう。
どちらも必要なのは徹底的な顧客理解とその情報収集です。シナプスでは、顧客のVOC(Voice Of Custmer:顧客の声や現状実態など、事実から明らかになった本質的ニーズ)を収集するプロセスを必ず設定します。VOCを取得することでニーズの存在を確信できるとともに、社内提案時にも「誰が買うのか?」を市場規模とともに提示し、経営が意思決定しやすい提案を作ります。

新規事業におけるフィージビリティスタディ(F/S)、実行

フィージビリティスタディ、実行フェーズでは、テストマーケティングやプロトタイプ作成などを通じて、実際に事業として成立するかどうかを検証しつつ、実際に事業拡大に向けた活動を行います。
このフェーズでは、事業の内容によってやるべきことが大きく変わるため、都度設計が必要になります。

このフェーズでは、ある程度できたものをお客様に利用してもらいながらフィードバックを得る、という方法を取ります。そのため作っては確認する、というPDCAサイクルが重要になってきます。

ここで意識するのは、「仮説と検証」です。何を検証すべきなのか、を明確にしそれを元に仮説立てして実行するという流れです。
スマートフォンが浸透してからというもの「スマートフォンアプリ」を顧客との接点として活用する事業案を見ることが増えてきています。慣れていない企業は、とりあえずアプリを作ってユーザに使ってもらう、という検証をしたがりますが、これはたいていうまくいきません。というのは、アプリを使うユーザは事業の核となる「ニーズの検証」や「サービスの検証」の前にUI/UX(アプリの使い勝手)の悪さで離脱してしまうことがほとんどだからです。それらを避けるために、「アプリを作らなくても手動でできることは手動で検証してしまう」ということを基本にしています。
これらは、すべて「仮説と検証」を事前に想定して動いてやるべきことなのです。


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