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【企業研修事例】大手ITベンダー|アカウントプランニング研修

アカウントプランは作成するものの、書くだけで終わってしまっている。アカウント深耕の役割が営業からシステムエンジニアに移行したこともあり、指針づくりの標準プロセスを学び、使えるアカウントプランを作って実践することを目標にしたアカウントプランニング研修のご紹介です

更新日:2023年12月18日

こちらのITベンダー様では、営業と開発の役割分担の見直しがあり、もとは営業が主導していたアカウントプラン作成・実践を開発サイドが担うことになりました。社内上層部からの「戦略アカウントへの踏み込みが足りない」という指摘もあり、顧客フロントにいるシステムエンジニアのアカウントプラン作成スキルの向上が喫緊課題となっていました。

大手ITベンダー|アカウントプランニング研修|概要

  • 時間:5ヶ月
  • 対象:SE職
  • 課題:アカウントプランは作成するものの、書くだけで終わってしまっている。従来、営業が主導していた顧客企業との関係性構築や案件拡大について、システムエンジニアに役割が移行したこともあり、どのように指針をつくるべきか、困っている
  • 到達目標:アカウントプラン作成の意義、プロセス、留意点について理解をする
  • 進め方:企業分析の標準的な手法を学んだ後、ワークショップでテーマ企業に関する分析、経営課題や提案機会の仮説を作成

アカウントプランニング研修

大手ITベンダー|アカウントプランニング研修|導入の背景


家弓正彦講師

この事例の大手ITベンダー様は、重要顧客に関してアカウントプランを作成し、それに基づき活動を行う、という組み立てで営業を推進されています。アカウントプランのフォーマットは必要十分な項目で構成されており、取引拡大に向けた活動計画を立案できる仕立てです。

実際に書かれたものを拝見すると、既存システムの保守や更改に関するプランは詳細に記述されていましたが、顧客のビジネスを踏まえた新たな取り組み提案については具体化されていない状態でした。この状態では、既存維持はできても、深耕・拡大への足がかりを築きにくいものです。

先述のとおり、従来、顧客企業との関係性構築や案件拡大は営業の任務でしたが、役割変更に伴い、システムエンジニアが担うことに。開発人材としては、どのように指針をつくるべきか、戸惑いが大きくなる中、社内上層部からの「戦略アカウントへの踏み込みが足りない」という指摘を受け、アカウントプラン作成のスキルアップが企画されることになりました。

大手ITベンダー|アカウントプランニング研修|設計のポイント

アカウントプランとは、攻略・拡販の方針、シナリオ、アクションプランを整理した顧客攻略計画です。アカウントプラン作成の流れは、図示したとおり、顧客とのビジネスにかかる3C分析を行い、方針を決めて計画をたてる、というのがオーソドクスなものです。


アカウントプラン作成の流れ


家弓正彦講師

ここで強調しておくべきは、すべての起点になるのは顧客のニーズ、ということです。ニーズを把握し適切なソリューションを提案できれば、おのずと顧客攻略は進みます。ところが、言うは易し行うは難し、顧客ニーズの特定は相当に難しいものです。特に、合理性を追求する法人顧客のニーズを特定する場合は、その顧客企業のビジネスについて一定の理解と将来洞察が必要になります。そのためには、顧客ビジネスに関する情報はもとより、ビジネス分析手法の理解や活用するための頭の使い方を感じて頂く必要があると考えています。

一般論として、日本企業は、顕在化している問題を解決するという「守り」については長けていると言われます。一方で、ビジネス上の課題の設定という「攻め」については苦手という通説もありますよね。

特に、ITプロフェッショナルの方は、顕在課題をデジタルで解決することに特化している方が多く、ビジネス課題の抽出は、どこから何を材料に考えればよいのか定石を知らないために苦労する方が多い、という実態もありそうです。

こういう思いがあり、このアカウントプランニング研修では、顧客企業のビジネスを分析すること、顧客ニーズの仮説をつくること、の2点をテーマに研修を組み立てています。

大手ITベンダー|アカウントプランニング研修|研修の進め方

この事例のITベンダー様のアカウントプランニング研修では、顧客ごとにチームが組成されていますので、チームリーダーが主導して顧客のニーズ仮説構築に取り組んで頂きました。

オリエンテーションでは、まずは既存のアカウントプランをレビュー。加えて、ビジネス分析と戦略目標(課題、ニーズ)抽出の基本的な手法をレクチャーし、演習で頭の使い方を体験頂きました。

このアカウントプランニング研修のメインはニーズ仮説レビューです。オリエンテーションと集合研修との間にインターバルを設け、対象アカウントのビジネス分析とニーズ仮説づくりに取り組んで頂きます。チームで考えたニーズ仮説について、受講生も含めた研修参加者全員で、重要論点がカバーされているか、検討は十分なのか、参考となる情報の提供などしながら、精度を上げていきます。


家弓正彦講師

既存プランのレビューでは、前述のとおり、既存システムの保守や更改については綿密に計画化されていましたが、取引拡大に向けたニーズの把握には取り組みがなされていない状態でした。

繰り返しになりますが、ニーズ把握には対象とする法人顧客のビジネス環境分析が必須です。ビジネス分析の個々のフレームワークは知っていても使いこなして顧客課題(=ニーズ)仮説を抽出できる方はそう多くありません。そこで、オリエンテーションでは、基本のフレームワークをリマインドして、ウォーミングアップしてもらっています。

システム開発の現業をこなしながらのチーム作業になりますので、リーダーの方はご苦労が多かったと思いますが、それぞれに対象顧客企業を分析し、ニーズ仮説を持ち寄って頂くことができました。

ニーズ仮説レビューでは、チームごとに仮説を発表頂き、意見提示や質問、アドバイスを行います。講師からだけではなく、他チームからのフィードバックを促すようにしています。見落としがちですが、社内にエキスパートがいたり、個人的に顧客企業のユーザーであったり、知識が散在していることが往々にしてあります。「フィードバックはギフト」として、遠慮・躊躇せずに表明してもらうことを心がけています。

大手ITベンダー|アカウントプランニング研修|研修の効果

アカウントプランにおける顧客ニーズは策定時点ではあくまで仮説であり、顧客との会話を通じて仮説の精度を上げ適切な提案につなげていく必要があります。言い換えれば、顧客ニーズ仮説は顧客との意見交換の主要なトピックと考えられます。

こうした考えにより、シナプスのアカウントプランニング研修では、選定したターゲット企業へのインタビューをインターバル課題として設け、顧客との会話を促しています。研修の課題という形で、顧客との接触回数を増やす。知識をインプットして仮説を立てられるようになることと同等かそれ以上に大きな研修効果となります。

さらには、会話のためのテクニックをお伝えすることで、ご受講者が主体的・積極的に顧客と会話しようというモードになっていきます。こうなれば仮説検証のループが回り始め、アカウントプランを実践する体制が整ってくると考えられます。


家弓正彦講師

アカウントプラン策定のゴールは、提案とソリューション提供にあります。この活動は、アカウントプランの対象顧客に対するプロポーザル=プロポーズに他ならないわけですが、プロポーズにつきものなのは「熱意」です。

最も単純に熱意を表す方法は、接触回数を増やすことでしょう。

心理学用語でザイオンス効果(=単純接触効果)といって、接触回数と好感度や評価は比例関係にあると言われています。単純な接触ですら、好意形成に役立つのなら、相手が気に入ることを提供できれば、なおのこと関係性は深まります。

企業間取引といっても、合理的でありさえすればいい、という味気ないものではないはずです。相互に信頼できる関係性を築くこと、アカウントプラン策定の本質的な狙いは企業活動の質を上げることにあると考えます。



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