更新日:2024年6月5日
DX-デジタルトランスフォーメーションが加速することで、様々なデータ活用が必要になってきています。
一方で、数字が苦手と思っている方は「数学嫌い、IT嫌い」という気持ちからデータ分析ができず、研究者やエンジニアだと「ビジネスは分からなくて良い」という思い込みから有効なデータ分析ができない、というケースが散見されます。
この研修は、データ分析の基本的な考え方を理解しビジネスの意思決定に必要なデータ分析手法を身につけて頂くことで、組織的なデータ活用スキルを向上させることを目的に企画されています。
ビジネスデータ分析基礎研修のメリット
ビジネスの意思決定の精度を高められる
デジタルの進化によってさまざまなデータが活用できるようになってきましたが、データを分析することが目的化してしまうこともあるようです。
あくまで、ビジネスにおけるデータ分析の目的は、客観的な事実情報に基づく意思決定(の精度を高めること)にあります。このため、この研修では、ビジネス上意思決定したいことは何か、意思決定に必要なデータは何か、それを使ってどのように意思決定をするか、どう見せるべきか、を理解頂くことをゴールとしています。
データ分析を行う一人ひとりがこれらをしっかりと理解することで、データ分析の本来的な意義である「客観的な事実情報からの意思決定」の精度を高めることにつながると考えます。
データ分析の苦手意識を克服できる
正しい意思決定は正しい分析があってこそ。とはいえ、統計解析に通じていないのでデータ分析は自分には無理と決めつけたり、データ分析には複雑なツールの使いこなしが必要という先入観から尻込みしたり、というケースが多くあるようです。
この研修では、データ分析の基本的な考え方を理解するとともに、データや数字に対する苦手意識の払しょく、および、データ分析の落とし穴を理解し回避できるように組み立てられています。
ご参加いただく方には、Excelを用いた演習を繰り返しながら、データ分析のポイントをご理解いただきます。ご参加者は基本的なデータ分析の考え方を理解したうえで、ご受講後にExcel®でできるレベルでデータ分析をできるようになっていることをゴールに置いているため、苦手意識をお持ちの方でも無理なくご受講頂けます。
客観データに基づく意思決定の文化が根付く
一人ひとりの自己啓発ではなく、「研修」の形式でデータ分析の標準を学ぶことで、短期間に組織的なビジネスデータ分析スキルの獲得が期待できます。施策検討や議論において自然に根拠となる情報が求められるようになり、結果として、ビジネス上の意思決定が客観データに基づき行われる文化が醸成されます。
ビジネスデータ分析基礎研修をお勧めしたい企業
- ビジネスのデータを活用できる状態になっている企業
- DXを推進したい企業
- 意思決定のレベルを高めたい企業
ビジネスデータ分析基礎研修の特徴
データ分析の基本的な考え方が分かる
データ分析に必要な①意思決定したいこと、②データ収集の方法、③データを詳細に分析する、④データの意味づけ、⑤データの見せ方、を取り扱います。講義だけでなく実際に簡単なデータを使いながらデータ分析による意思決定を体験することで基本的な考え方を身につけていただきます。
演習により実践スキルを身につけられる
データ分析に苦手意識を持つ多くの方は、「難しい」がハードルになっています。講義だけでなく実際にExcel®を使ってデータ分析による意思決定を体験することで基本的な考え方を身につけていただきます。簡単なデータで繰り返し練習することで苦手意識を払しょくしながら、実践スキルを獲得します。
データ分析の落とし穴を理解できる
データを取り扱う上での様々な落とし穴、例えば、データの不備やサンプルの偏り、平均のマジック、見せ方によるごまかしなどをご説明し、正しく取り扱方法を理解します。
ビジネスデータ分析基礎研修のカリキュラム例
ビジネスデータ分析基礎研修では、Excel®でできるレベルでのデータ分析の基本的な考え方を学びます。
- 意思決定したいことを決める
- 仮説検証に必要なデータ収集
- データを詳細に分析する
- データの意味づけ
- データの見せ方
概要 | 詳細 |
---|---|
データ分析概論 | なぜデータ分析が必要なのか?
データ分析と仮説構築
データを見て仮説を立てる
仮説を立ててデータを見る
|
意思決定したいことを決める | 問題の定義
意思決定ポイントのレベル調整
|
データ収集 | データ収集の流れ
必要なデータ項目
必要なデータ精度
使える状態に整備する
|
データ分析 | 大きさを考える
分解する
比較する
流れを考える
ばらつきを考える
平均値・最頻値・中央値
標本誤差
|
データの意味づけ | データから意味を見出す
因果を考える
演繹法アプローチ
帰納法アプローチ
|
データの見せ方 | 索型のデータ可視化と説明型のデータ可視化
錯覚を起こすグラフテクニック
|
ビジネスデータ分析基礎研修の受講対象
中堅社員、管理職(自社ビジネスについて全体像をある程度理解できている)
ビジネスデータ分析基礎研修の研修時間(目安)
標準テキストで実施の場合、1日7時間を想定しています。
ビジネスデータ分析基礎研修が必要とされる理由
DX-デジタルトランスフォーメーション推進のための人材の重要性を踏まえて、経済産業省により「デジタルスキル標準」が策定されています。その背景には「データ・デジタル技術を活用した産業構造の変化の中で企業が競争上の優位性を確立するためにDXが重要」であり、DX実現には企業全体として変革への受容性を高める必要がある、という考えが示されています。
デジタルスキル標準では、企業全体の変革への受容性を高めるために、一人ひとりがDXに理解・関心を持ち自分事ととしてとらえている状態を実現する必要があるとしています。
そして、DXを自分事としてとらえるため、ビジネスパーソン全体がDXに関する基礎的な知識やスキル・マインドを身につけるための指針である「DXリテラシー標準」(下表参照)が定められています。
<DXリテラシー標準項目> | ||
---|---|---|
Why DXの背景 |
社会の変化 | |
顧客価値の変化 | ||
競争環境の変化 | ||
What DXで活用される
データ・技術 |
データ | 社会におけるデータ |
データを読む・説明する | ||
データを扱う | ||
データによって判断する | ||
デジタル技術 | AI | |
クラウド | ||
ハードウェア・ソフトウェア | ||
ネットワーク | ||
How データ・技術の 利活用 |
活用事例・利用方法 | データ・デジタル技術の活用事例 |
ツール利用 | ||
留意点 | セキュリティ | |
モラル | ||
コンプライアンス |
DXリテラシー標準として示された項目のうち、まずは「How」について、全社研修として、ツールの使い方やセキュリティ、コンプライアンスといった知識インプット型の研修実施などに取り組みまれているケースが多く見受けられます。
一方で、「What」にある「データを読む・説明する」、「データを扱う」、「データによって判断する」という領域に関しては、統計・解析の知識が必要なため数学が得意な人に任せるのがよい、という考えが主流であったため、全体としてどのように身につけていけばよいか、手探り段階の企業様が多いようです。
データ活用に関して出遅れ感のある企業が多いことは、裏返せば、データ活用スキルを組織として獲得することがアドバンテージにつながると考えられます。こうした現状を踏まえ、このビジネスデータ分析基礎研修は、高度な数学的な知識がない方を対象に、Excel®を使った反復演習により、ビジネス上の意思決定を目的とするデータ分析に必要な基礎的なスキルを身につけることを目指して企画設計されています。
ビジネスデータ分析基礎研修の担当講師
株式会社シナプス 常務取締役 コンサルタント
10年以上のマーケティング・コンサルタントの経験を有し、化粧品、外食、エンターテイメント、メディア、サービス、精密機器、電子機器、電気部品、医療機器、農業など数多くの領域を支援してきた。多くの企業が陥る「顧客不在の戦略立案・実行」に対して提言し、真のニーズを中心とした組織へと生まれ変わらせることをミッションとして、数多くの企業を変貌させてきた実績を持つ。研修では、マーケティング研修のほか、問題解決スキル研修やファシリテーション研修での実績が豊富で、「すぐに使えるビジネスの実践的なスキル」を伝える講師として評判が高い。SMBCコンサルティング セミナー講師。
1973年生まれ、2007年シナプス入社、2008年取締役就任、2021年より現職。2021年よりアグリテックスタートアップのテラスマイル株式会社の非常勤取締役を兼任。
株式会社シナプス シニアコンサルタント
1973年生まれ。1997年山之内製薬会社入社。一般用医薬品の領域で主にドラッグストアへの提案営業に従事。その後事業統合による合併で、第一三共ヘルスケア株式会社に転籍。全国チェーンのドラッグストア本部担当に従事。2015年よりマーケティング部に異動し、オーラルケア領域のブランドと新規社会貢献の事業を担当。
2021年1月、株式会社シナプスに入社。これまでの営業とマーケティングの実績を活かしてお客様の課題解決に貢献。
大阪市出身。趣味はアウトドアとドライブ。
株式会社シナプス コンサルタント
大学卒業後、ベネッセグループに入社。大学・短期大学向けキャリア教育事業に従事。大学・短期大学におけるキャリア教育導入・運用に関するコンサルティングを実施。
同事業が親会社ベネッセコーポレーションに事業譲渡されたのち、野村総合研究所グループ・NRIラーニングネットワークに入社。経営人材の育成及びIT人材の育成を手掛ける。
その後、有限責任監査法人トーマツグループの人材育成コンサルティング会社・トーマツ イノベーションに入社し、コンサルティングの傍ら年間100回程度の研修登壇を行う。
2018年より株式会社JTBコミュニケーションデザインに入社。組織開発コンサルティングに従事。その傍ら同社のデジタルマーケティング推進プロジェクトに参加、全社のマーケティング推進を行う。
2021年4月より株式会社シナプス。