記憶に残るプレゼン資料の作り方のコツ-マジックナンバー7

今回はプレゼンターがプレゼン資料作成時に知っておきたい脳記憶の仕組みを解説します。記憶に残るプレゼン資料の作り方として、「マジックナンバー7」を説明します。

記憶に残るプレゼン資料を作るために知るべき脳記憶の仕組み


ビジネスプレゼンは相手の記憶に残らないと意味がない


ビジネスでは、いくら面白いプレゼンをしてもプレゼンを聞く人の記憶に残らなければ意味がありません。

そのため、相手の記憶に残るプレゼン資料の作り方の前提知識として、脳記憶の仕組みを知っておくのは有用です。

まず、「記憶する」とは「短期記憶」と「長期記憶」のという2種類の記憶があります。そして、「短期記憶」「長期記憶」は、脳科学的に異なる仕組みで記憶されます。

プレゼンターは、記憶の仕組みを理解した上で、伝えたい内容をプレゼンテーションの受け手の記憶に残すプレゼン資料の作り方を学びましょう。


脳記憶の仕組み:短期記憶と長期記憶


短期記憶というのは30秒からせいぜい数分程度までの短い時間の記憶のことです。

あなたが電話機に登録されていない番号に電話をするとき、電話番号を覚えているのはせいぜい数分。わずか10桁程度の数字ですが、メモを見ながら思い出すのが精一杯でしょう。

プレゼンを聞く相手は、内容を初めて聞く場合が多いので、プレゼン資料の作り方のコツとして短期記憶の仕組みを知ることは、プレゼンターにとって重要です。

長期記憶は、数分以上にわたって長期に思い出すことが出来る記憶です。

勉強したことを思い出す、昨日の出来事を思い出す、これらは長期記憶です。

今回は、プレゼンターに必要な記憶の仕組みということで、主に短期記憶について説明します。

加えて、短期記憶の仕組みを使ったコツとして「マジックナンバー7」について説明します。長期記憶については、ここでは「短期記憶と異なる」ことだけ覚えておいてください。

プレゼン資料作り方ノウハウ -マジックナンバー7

短期記憶の容量は誰でも7個 -マジックナンバー7

「マジックナンバー7」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

人が短期記憶で覚えられる塊は、頭の良さなどにかかわらず7個までという理論がマジックナンバー7です。

アメリカの心理学者ジョージ・ミラーの研究論文が元で、心理学的、脳科学的な実験結果から導かれています。「7つまで」というのは、例えば日常生活で「初めて聞いた電話番号をメモなしで覚えられる人はほとんどいない」ですね。

マジックナンバー7と言われていますが、元論文の題名は「マジックナンバー7±2」です。つまり脳が短期記憶できるのは「5~9個」ということです。短期記憶の上限である、マジックナンバー7±2を知っておけば、それに合わせたプレゼン資料の作り方ができます。

プレゼン資料の作り方 -伝える上限は5個


「マジックナンバー7±2」からプレゼン資料の作り方に言えるのは、「プレゼンテーションで相手に伝える項目数は、1度にせいぜい5個までにするべき」ということです。

あるプレゼンの受け手は、短期記憶を使って記憶しています。つまり、一度に覚えられる個数は、マジックナンバー7±2ですから、5~9個です。少ない方を目安とし「短期記憶は5個まで」と考えプレゼンテーション資料を作るべきでしょう。

例えば、「本日の提案は●●です。その理由は10個です。」といった瞬間に、このプレゼンの失敗は見えています。「マジックナンバー7±2」の理論により、5個までしか一度に覚えられないため、10個のポイントのプレゼン資料では、聞き手の記憶に残りません。

プレゼン資料の作り方の目安「マジックナンバー3」

マジックナンバー3は、ロジカルシンキングやプレゼンテーションでよく使われる言葉です。

例えば、「こうした方がいいと思います。理由は以下の3つです。」という言い方で使われます。

マジックナンバー3は、ロジカルシンカーの中では有名な経験則です。3つは覚えやすく説明しやすい数字で、説明の受け手にとって納得感があります。逆に、理由が1つか2つぐらいだと、聞き手は、それで全部なのかな?という疑問を感じやすくなります。

ここで、先ほどの短期記憶で覚えられる上限は5個という記憶の仕組みを思い出しましょう。5個はあくまで上限です。プレゼンテーションの受け手は、当然各項目について、さらに追加説明を受けますので、受け手のキャパシティはもっと減ります。

総合すると、プレゼン資料で伝える項目数は「3つ」ぐらいが適当です。これがマジックナンバー3です。


プレゼンテーション資料の作り方を学ぶ企業研修

「ロジカルプレゼンテーション研修」では、自社課題のリアルなプレゼン研修テーマで、プレゼンテーション作成の4ステップを実践します。付箋やA4用紙など紙を使った手書き紙芝居形式で、プレゼンテーション構成作成ワークを行います。あえてPCを使わないことで、刺さる提案コンセプト・説得力ある提案ストーリーを持ったプレゼン資料構成作業に集中できます。



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