株式会社インテージ様(以下インテージ様)は、マーケティングリサーチのリーディングカンパニーです。
FMCG事業本部 カスタマーサービス部様では、2015年度にマーケティング研修、2016年度にクリティカルシンキング研修、ファシリテーション研修と2年連続3回のシナプスの研修を開催いただいています。
今回は、「マーケティングリサーチ企画営業のスキルを高めたかった」というカスタマーサービス4部の飯野様に研修を実施した背景や実施しての感想などを伺いました。
リサーチ企画営業のマーケティングスキルを底上げしたかった
基本的なマーケティング思考法を学ぶための研修が必要
インタビュアー
まずは、FMCG事業本部の業務内容と飯野様の役割について簡単に教えてください。
飯野様
FMCG事業本部では、日用消耗材のリサーチを主に担当しています。そのなかで、研修を行ったカスタマーサービス部は、企画営業・ソリューション営業を行っています。
インタビュアー
2016年1月に「マーケティング研修」を開催されています。なぜマーケティング研修の開催を検討されたのでしょうか?
飯野様
インテージは、基本的なマーケティング思考法を学ぶためのマーケティング研修が必要だと思っていました。インテージの社員はマーケティンリサーチ、データ解析のプロフェッショナルではありますが、事業会社などから転職してきた中途入社のメンバーを除くと、マーケティング実務経験がないのが課題だと感じていました。プロパーの社員は、事業会社のマーケティングを体験していないんですね。
そのため、部員全体の底上げとしてマーケティング研修を企画しました。基本的なマーケティングのフレームワークを共通言語として、全員が使いこなせるようになってほしかったのです。
これまで、人事部主催の階層別研修、社内講師によるリサーチ業務の研修などはあるのですが、マーケティングに特化した研修は今までなかったのです。
マーケティングリサーチ業界はデータ解析以上の付加価値が求められるようになる
インタビュアー
マーケティング研修開催前の飯野様のインテージ様に対する課題感があれば教えてください。
飯野様
マーケティング実務を理解していないと、リサーチ結果をマーケティングプランにどのようにつなげていくかを考えることができません。単に「こんな結果でした。以上。」で終わってしまいます。
また、マーケティングリサーチ業界に変化の波が来ていることも課題です。具体的には、マーケティングリサーチに参入する事業者が増えているのです。
インターネット事業者などが競合として台頭してきました。また、広告代理店も競合のひとつであり、マーケティングリサーチは、データを集めて解析する能力だけでは、付加価値が出しにくくなっています。
シナプスを選んだのはコストパフォーマンスと柔軟性
大手研修機関に劣らない講師レベルでコストパフォーマンスがよい
インタビュアー
マーケティング研修については、数社コンペでシナプスを選ばれたと伺っています。なぜ、シナプスで研修開催することを選んでいただいたのでしょうか?
飯野様
シナプスさんと大手の研修機関などいくつか比較させてもらいました。一言でいうと、「研修のコストパフォーマンス」がよかったですね。研修で求めている内容とコストのバランスがよかった。講師のレベルが高く、大手研修機関に劣らない品質の研修を提供していただきました。
また、フットワークが軽く柔軟に対応していただいたのもポイントでした。
担当コンサルタントのさんに相談してインテージの社内事業に合うようにマーケティング研修の内容をカスタマイズしてもらいました。
本来1日とか2日で行う研修を、インテージに必要なエッセンスにフォーカスしていただき、半日分に圧縮してもらって、マーケティングを体系的に学べる研修にしてもらいました。
研修で学んだフレームワークを企画営業が実際に使うようになった
インタビュアー
実際に、マーケティング研修を開催して、いかがでしたか?
飯野様
研修後のアンケートの数値評価は高かったですね。手応えを感じました。受講メンバーからは講師の家弓さんの評価が高かったです。マーケティング実務経験の豊富さがないとできない講義だと思います。また、受講者とのインタラクティブなディスカッション、質問への対応、演習のファシリテーションなど講師としてのファシリテーションが素晴らしかったですね。
研修成果として良かったのは、マーケティング研修を受けたあとに、一部のメンバーが研修で学習したことを実務で使うようになってきたことですね。
企画営業をするときに、リサーチデータ分析結果を、ただそのまま提示するのではなく、調査設計などにおいて3C分析など、きちんとマーケティングフレームワークを使って分析し、「こういう分析の前提だからこういう調査設計になる。」というストーリーがありました。
研修後のコンサルタントフィードバックで客観的に自社社員の特徴がわかった
インタビュアー
研修開催して、シナプスの対応は期待通りでしたか
飯野様
講義の内容に関して、期待通りでした。
そして、期待を上回っているところもありました。具体的には、事後のフィードバックですね。講師所感とコンサルタントの分析をまとめたものを書面でいただいた上で、「振り返りミーティング」を実施します。講師だけではなく、コンサルタントさんの感想もあり、第三者的な立場から的確なフィードバックをいただけたと思います。
フィードバックで具体的にご指摘いただいた内容としては、質問に対しての瞬発力。質問に対して話をすり替えてしまった受講生が結構いましたからね。ご指摘の内容について「うすうす気づいていたのがやっぱりそうか」という感じで、コミュニケーション力の弱さについて、外部の客観的視点をいただけました。
マーケティングエージェンシー機能を担っていく必要がある
お客様との共創のために「コミュニケーション力」「ファシリテーション力」も必要
インタビュアー
カスタマーサービス部内の「いい組織づくり」プロジェクト担当として、2015年度に続いて、2016年度はどのようなことを行いたいと考えていましたか?
飯野様
インテージの企画営業には、リサーチ力、マーケティング力だけなく、その前提として必要なスキルがあると思っています。コトラーがマーケティング3.0と言い出して久しいですが、インテージとしては、「お客様との共創」が重要だと思っています。
単なるリサーチだけでなく、ファシリテーションをしながら商品開発のコンセプトを練っていく、お客様と共創してアイディアを作っていく案件が増えてきました。単に「調べて終わり」ではなく、「プランニング」が必要になってきました。
このような背景からマーケティング以外に「コミュニケーション力」「ファシリテーション力」がベースとして必要なのではないかと思っています。このようにお客様の要望が高度化する中で、インテージとしての課題感がより明確になってきています。仕事の中身が変わってきた。中長期的には、「マーケティングのエージェンシー機能」を担わなければいけない。この傾向はもっと加速します。
今後は「作業者」ではなく「プロジェクトマネージャー」にならなければならない。営業企画は、お客様、インテージ社内のサポートメンバー、デザイナー、クリエイティブなどバックグラウンドが異なるメンバーが集まるプロジェクトをマネジメントしていく力が必要です。
インタビュアー
2016年度の企画を考える上で、飯野さんにどのような組織課題、お悩みがありましたか?
飯野様
「マーケティング」「クリティカルシンキング」「ファシリテーション」など、部員の中には個人的に外部のスクールなどで受けているメンバーもいて、メンバー間でスキル格差があります。研修のレベルとして、どこに水準を置くか?また、参加者を絞るべきか?、研修の流れはどうすればよいか?、などは迷ったポイントです。
この辺りは担当コンサルタントさんと相談して決めました。結論としては、対象は部員全員が参加。順番は、論理的な思考をまずクリティカルシンキングで学習してから、ファシリテーション研修に進んだ方が良いということになりました。
口頭相談でわずか1週間で、期待以上に整理された研修提案に驚き
インタビュアー
検討からご提案のプロセスにおいて、印象に残ったことがあれば教えてください。
飯野様
印象に残ったのは、2016年度の研修内容を考えるときに、シナプスさんとは、書面できちんとオリエンテーションができておらず、私の方からシナプスさんに的確に要件を伝え切れていない部分があったのです。
そんな中、コンサルタントさんは、口頭で話した内容に課題感を持ち、1週間で人材育成の課題ややるべきことを資料として仕上げてもらいました。1週間で私が求めている以上の提案資料が出てきて驚きでしたね。
部長・マネージャー層まで含めて、足りないスキルを確認できた
インタビュアー
2016年7月に「クリティカルシンキング研修」、同じく9月に「ファシリテーション研修」を実施されました。このときの飯野様の印象および、受講生からの評判などあれば教えてください。
飯野様
今回若手から部長・マネージャー層まで研修に参加したのですが、「クリティカルシンキング研修」「ファシリテーション研修」を実施して、意外だったのは「部長だから、マネージャーだから、できるわけではない」ということです。スキルと年齢、キャリアにあまり相関がない(笑)。良くも悪くも裏切られました。面白い気づきでした。
インテージはマネジメント層もわりと謙虚な人が多いので、部長、マネージャー層も素直に「全然できなかったな。スキルの足りないところは、これからトレーニングしないとできないよね。」という雰囲気になっていました。
「研修講師の問い」が部の流行語になった
飯野様
他の受講生でちょっと面白いエピソードがあります。講師の後藤さんがクリティカルシンキング研修で「それは何問題?」と繰り返しで問いかけしていたのですが、その後、会議などで「この問題って何問題?」と発言する人が出てきました。「何問題?」というのはカスタマーサービス部でのちょっとした流行語・共通言語になっています。
シナプス研修の特徴は当たり外れがないこと
インタビュアー
合計3回の研修を終えてのシナプスについての感想を教えてください。他の研修会社との違いなどはありますでしょうか。
「打率の高い打者」のような安定品質の研修を提供してくれる
飯野様
シナプスさんには、これまで企業研修を3回お願いしています。
シナプスさんの企業研修は「当たり外れがない」のが特徴ですね。どの研修を受けても、しっかりしている。プログラムが練られている。講師もプレゼンテーション、ファシリテーションが身についた講師で安定感がある。
やはり、研修というのは「ブレが大きい」部分があります。過去に企業研修を企画したことはあるのですが、なかなか成功しない。しっかり企画したのに講師の質がイマイチだったとか。
シナプスさんは、皆さん個性的で、かつ対応スキル、最低レベルが高いところで揃っている。誰にお願いしても、安心し任せられます。「打率の高い打者」という感じですね。
コンパクトで顔が見える、少人数精鋭集団
飯野様
あと、シナプスさんは大企業ではないので、顔が見える。講師の方、コンサルの方の顔が見える。コンパクトで質が高い、安心感、安定感があって外れがないという印象です。厳選された、少人数、精鋭集団という印象ですね。
それでいて、親近感もあり、謙虚さもあるところが良いですね。コンサルタントさんは傾聴がしっかりしていますよね。今後もシナプスさんと「共創」できればと思っています。