シナプス海老原です。

今回はサイエンス好きマーケターの海老原がプレゼンターが知っておきたい、脳記憶の仕組みを解説します。

また、プレゼンテクニックとして便利な「マジックナンバー7±2」についても説明します。

1.プレゼンターが知るべき脳記憶の仕組み-短期記憶と長期記憶


プレゼンテーションの受け手にとって「記憶する」といっても、大きく「短期記憶」と「長期記憶」のという2種類の記憶があります。そして、「短期記憶」「長期記憶」は、脳科学的に異なる仕組みで記憶されています。

プレゼンターは、伝えたい内容をプレゼンテーションの受け手の記憶に残すことが必須です。そのため、プレゼンテクニックの一つとして、脳の記憶の仕組みを知っておくことは重要です。


1-1.脳の仕組み:短期記憶


短期記憶というのは30秒からせいぜい数分程度までの短い時間の記憶のことです。あなたが電話機に登録されていない番号に電話をするとき、電話番号を覚えているのはせいぜい数分。わずか10桁程度の数字ですが、メモを見ながら思い出すのが精一杯でしょう。

この短期記憶の仕組みを知ることはプレゼンターにとって、重要だと思います。

1-2.脳の仕組み:長期記憶

長期記憶は、数分以上にわたって長期に思い出すことが出来る記憶です。勉強したことを思い出す、昨日の出来事を思い出す、これらは長期記憶です。

今回は、プレゼンターに必要な記憶の仕組みということで、主に短期記憶について説明します。長期記憶については、ここでは「短期記憶と異なる仕組みで脳に記憶される」ということだけ覚えておいてください。

2.プレゼンテクニックとしての脳記憶の仕組み-マジックナンバー7±2

2-1. 短期記憶の容量は誰でも7個 -マジックナンバー7±2

マジックナンバー7」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

これは、人が短期記憶で覚えられる塊はせいぜい7個までであるという理論です。アメリカの心理学者ジョージ・ミラーの研究論文が元で、心理学的、脳科学的な実験結果から導かれています。7つまでというのは、自分の生活を振り返るとなんとなく納得がいくでしょう。例えば、初めて聞いた電話番号をメモなしで覚えられる人はほとんどいませんね。

マジックナンバー7と言われていますが、元論文の題名は「マジックナンバー7±2」です。つまり脳が短期記憶できる容量は「5~9個」ということです。

この研究でわかった、脳の短期記憶の仕組みで面白いところは、記憶できる数はIQなどいわゆる頭の良さによって変わらず、また訓練によって記憶力が増えるものでもないということです。

2-2. プレゼンテクニック -伝える項目の上限は5個


短期記憶の仕組みから言えるのは、「プレゼンテーションで相手に伝える項目は、1度にせいぜい5個までにするべき」ということです。

あるプレゼンテーションを初めて聞く受け手は、短期記憶の仕組みを使って記憶していると考えられます。つまり、一度に覚えていられる項目は、マジックナンバー7±2ですから5~9個です。

少ない方を目安とし「短期記憶は5個まで」と考えプレゼンテーションをする方が無難でしょう。

例えば、「本日の提案は●●です。その理由は10個です。」といった瞬間に、このプレゼンの失敗は見えています。5個までしか一度に覚えられないわけですから(せいぜい9個)、10個のポイントが聞き手に届くことはありません。むしろ短期記憶の仕組み以上にすれば、1つ1つの記憶に残る印象が減り「10個のうち1個つだけは覚えた」と、なりかねません。

2-3. プレゼンテクニックとしての「マジックナンバー3」

マジックナンバー3は、ロジカルシンキングやプレゼンテーションでよく使われる言葉です。例えば、「こうした方がいいと思います。理由は以下の3つです。」という言い方で使われます。

マジックナンバー3は、ロジカルシンカーの中では有名な経験則です。3つは覚えやすく説明しやすい数字で、説明の受け手にとって納得感があります。逆に、理由が1つか2つぐらいだと、聞き手は、それで全部なのかな?という疑問を感じやすくなります。

ここで、先ほどの短期記憶で覚えられる上限は5個という記憶の仕組みを思い出しましょう。5個はあくまで上限です。プレゼンテーションの受け手は、当然各項目について、さらに追加説明を受けますので、受け手のキャパシティはもっと減ります。総合すると、プレゼンで伝える項目数は「3つ」ぐらいが適当です。

これがマジックナンバー3です。

参考情報

1.海老原一司のシナプスビジネスナレッジコラム

海老原一司:チーフマーケティングコンサルタント
1974年生まれ。早稲田大学理工学部修士課程をへて1999年日本テレコム株式会社入社。IT業界を中心に大企業・ベンチャーなどの事業会社で クラウドサービスなどの10年間以上のプロダクトマネージャ経験を持つ、BtoB事業の新規事業立ち上げ、事業成長のスペシャリスト。プロマネとして新サービスを3年で100倍の売上にした経験を持つ。

2014年シナプス入社。BtoBマーケティングプログラム責任者。
立教大学経営学部講師
グロービス経営大学院(MBA)

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