シナプス海老原です。

な毎年100本起案し決裁をとる方法と稟議書の書き方のコツ』として、効率的な稟議書の書き方・決裁の取り方のコツをまとめます。

  • 稟議書を書くことに必要以上の労力を使っていませんか?社内向けの調整で、顧客、競合などの外向けの仕事がおろそかになっていませんか?
  • 稟議書・決裁書の書き方のコツを持っていますか?

私が稟議書・決裁書を毎年100本通した書き方のコツ


以前担当新規事業で売上が3年で100倍になったことがありました。プロジェクトマネジャーである私は、事業を回すため一人で「年間100本以上」稟議書を書いていました。

毎年100本の稟議書を書きながら事業推進するには、「稟議書・決裁書の書き方のコツ」が必要でした。新規事業プロマネ現場で磨いた稟議書・決裁書の書き方のコツを伝授します。

1..稟議書とは(≒決裁書)

1-1.稟議書の基本定義


稟議書とは、「会社のお金を使う」「契約締結をする」際に、会社内で、承認を行うための書類です。

「稟議書起案者」が書き、規定された権限に基づき起案者の上司や関係者が「稟議書決裁者」として承認を行います。

なお、厳密には異なる場合もありますが、稟議書とは、「決裁書」「起案書」と同じと思って良いでしょう。つまり「決裁書の書き方」「起案書の書き方」にも同じコツが使えます。

1-2.稟議書・決裁書の書き方の基本

まず、.稟議書・決裁書の書き方の基本は「書に書くべき項目」です。文書として大きく下記の5つの項目が網羅されている必要があります。

  1. 稟議書・決裁書案件の実行目的
  2. 稟議書・決裁書案件のにかかわる金額(支出または収入がある場合)
  3. 稟議書・決裁書承認してほしい契約内容(契約書締結が必要な場合)
  4. 稟議書・決裁書案件が実行された場合の予想されるリターン
  5. 稟議書・決裁書案件の実行に当たって予想されるリスク

私は、過去5つの事業会社の企画部門で、100人以上の企画者の仕事ぶりをみていますが、意外と、この「稟議書・決裁書の書き方の基本項目」を書けない人が多いようです。

1-3.稟議書・決裁書の書き方のコツが必要な理由

1-3-1.稟議書・決裁書がの書き方のコツがあれば、事業実行スピードも早い

「稟議書の書き方ノウハウ」が身についている人は、稟議書決裁スピードが早い。そして、事業実行スピードも早くなります。特に、不確実性の高い新規事業では事業の実行スピードで勝敗が決まってしまいます。

1-3-2.内向きの稟議書・決裁書は最速で終わらせ、外向きの仕事増加

稟議書の社内調整は「内向きの仕事」です。稟議書・決裁書の書き方のコツを身につけ時間を節約。顧客や競合という「外向きの仕事」に時間を使いましょう。

2.なぜ私が稟議書・決裁書を毎年100本通せたか。書き方のコツ

年間100本も稟議書・決裁書で力を使い切っていたら、事業推進はできません。コツを身につけて、いい意味で手を抜きましょう。

稟議書の書き方労力を減らすためにどうするか。「一番数が多くて時間がかかる稟議書カテゴリで、効率化することが効果的です。

まず、決裁案件で、稟議書の書き方の改善効果が最も高い決裁案件を見極めます。

2-0.「稟議書の書き方」効率化が効く決裁書カテゴリ

2-0-1.内容と金額が年初計画内の決裁案件が一番多い


多くの企業では、一番多い稟議書・決裁書は、「予算金額」「予算内容」とも「年初計画内の案件」です。

※なお、「期初計画外の稟議書案件」は、1案件当たりの稟議書労力は大きいです。しかし、年間では決裁本数が少ないので、数が圧倒的に多い「年初計画内案件」の効率化が効果的です。

2-0-2.年初計画内案件の決裁が効率化しやすい理由

「年初計画内決裁案件」には他のカテゴリと大きく異なる特徴があります。それは、稟議決裁者の承認スタンスの差です。

定義上、「年初に計画を承認されている」。すると、稟議書の目的は、「予算執行の金額と内容が、年初計画と合っているかチェックする」だけです。

つまり、社内稟議書の決裁申請が計画通りなら、「年初計画通りです。以上」で、稟議書は決裁者に承認されるはずです。


2-1.稟議書の書き方 ①『計画通り』であることを強調


「決裁者に稟議内容が年初計画通りであることを強調」することが承認されやすい稟議書の書き方です。

例えば、予算などの進捗状況が計画範囲内にであることが、承認者にパッとわかるように稟議書を作成します。

どの会社でも「決裁書承認者は忙しい」ものです。決裁する側も、「自分が気になることが、パッとわかる稟議書の書き方」をしてほしいのです。

しかし、決裁者は、大量の稟議書案件を処理するため、年初に承認された計画を覚えていません。よって、決裁者に「あなたが承認した計画通りに進んでいます。よって、この決裁も承認して安心です」ということがわっきりわかる、稟議書の書き方にするのです。/p>


2-2.稟議書の書き方 ②プラス要素よりマイナス要素をケア


年初計画からのプラス要素、上振れ要素は、決裁者はほとんど気にしません。

一方、稟議書の書き方で、注意すべきは「マイナス要素」「リスクファクター」です。
当初計画通りの案件の社内稟議書では、承認者は、「マイナス要素がないか。」「リスクがないか。」を主にチェックします。

決裁者に突っ込まれる可能性が高いマイナス要素やリスクファクターは、問題がないことを根拠付きで示します。(例えば、「この部品が値上がりしたが、コスト比率からするとトータルの利益減は1%と微減で済む」など)

2-3.稟議書の書き方 ③決裁者のクセを読む

私は稟議書決裁者のクセを掴み、稟議書の書き方を工夫し、省力化を実現していました。

決裁者も人間です。必ずしも合理的に判断しているわけではありません。しかし、「どうやってクセを掴むのか」。答えは「稟議書を書くたびに実験して確かめること」です。

2-3-1.「実験」でわかる稟議書決裁者のクセ


私は、稟議書の書き方で細かい実験を繰り返して、各稟議承認者のクセを把握していました。

具体的には、同じ設備をもう一度購入する場合に、前回と稟議書の書き方を少し変更します。例えば、書くのに時間かかる項目を少し削除したり、設備の書き方を少し変えてみたりします。この実験で、承認者のクセを把握します。

「この承認者はどういうとき却下するのか?」のクセを把握し、却下されないギリギリのラインの稟議書の書き方を見極めます。

クセを読み、低労力で、早く通す稟議書を書き方を工夫します。


2-4.稟議書の書き方 ④健全な根回し


私が担当していた事業では、スピード重視の顧客が多く、いつも「稟議書の承認が少しでも遅れたら納品が間に合わない。」状態でした。

つまり、「稟議書差し戻し」を1回されただけでアウト=顧客納品できない状況でした。

そこで確実にスケジュール内に稟議書承認をとるため「稟議書の書き方」で活用したのが「健全な根回し」です。


2-4-1.最速で稟議書決裁をとる「健全な根回し」とは


稟議書を通すための「根回し」といっても複雑なことをする必要がありません。私がやっていたのは、稟議書を書いた直後に、キーマンとなる稟議書承認者と30秒程度会話する」というテクニックです。

例えば、「●●の案件の稟議書を書いておきました。条件はいつもと同じです。お客様が早めに導入したいそうですので早めに決済お願いします。」この程度です。この簡単な根回しをするだけで、決済者は稟議書を見たときに「ああ、海老原がいっていた、あの件だな。事前に聞いていたとおりだな。」と認識され、稟議書が承認される確率もスピードも上がります。

最終決裁者は忙しいのが常のため「秘書にスケジュールを聞いて取締役を待ち伏せし、会議から自分の部屋に戻るときに歩きながら会話」ということもやりました。

2-5.稟議書の書き方 ⑤計画内案件の比率を意識的に上げる

これまで、最も数の多い「年初計画内の稟議書の書き方を効率化する」ことが、最速決裁される稟議書の書き方だといいました。

必然的に、「年初計画内」案件年初の予算計画精度を上げることは重要です。理想はほぼ全部の稟議書案件が年初計画内の再確認になること。

しかし、いつもうまくいくとは限りません。そんなときは、「年初計画内稟議書案件の比率を、あとから意識的に上げる」という稟議書の書き方テクニックを使います。

2-5-1.「計画外案件」を「計画内案件」にすること

私は、稟議書決裁カテゴリで「年初計画内案件」を増やすよう意識的に努力していました。

「年初計画外」の稟議案件は労力がかかります。私は、設備投資する製品が毎年次々バージョンアップされるITサービスを担当していました。このとき、年初予算作成時に、「予算執行時の変化を想定した予算取り」をしていました。例えば、「この製品は、今年ぐらいにマイナーチェンジがありそう。」と思ったら、変更があっても問題ないよう「抽象化した項目で年初予算を予算化」します。

2-5-2.計画内案件の比率を上げる稟議書の書き方

計画外案件の稟議決裁比率を下げるテクニックを持っている人と大きな差がでます。

特に新規事業では、不確実性が高く、厳密には「ほとんどすべてが計画外案件」です。多少ブレがあっても、「計画内案件として処理する稟議書の書き方」が必要です。

年初計画の書き方は、もちろん、重要な決済者(例えば、担当事業本部長)とは、事前に「多少ブレはあるので、ある程度の計画ズレの幅は大目に見てください。」と握っておきます。また、新年度がスタートしてから、個別に根回しして説得することもあります。

まとめ

毎年100本起案し決裁をとる方法と稟議書の書き方のコツ』いかがでしたか?

最速決裁される稟議書の書き方とは、稟議案件の多くを占める、「年初計画内案件」での稟議書の書き方を効率化することが重要でした。

事業推進では、効率的な稟議書の書き方を身につけ、最速で稟議書の起案から決裁をとる方法を身につけましょう。そして、顧客・競合を考える「外向きの仕事」にリソースを回します。「高速に事業を回し、外向けの仕事にリソースを回す」ことは、新規事業に限らず、既存事業でも重要です。


参考情報

1.海老原一司のシナプスビジネスナレッジコラム

海老原一司:チーフマーケティングコンサルタント
1974年生まれ。早稲田大学理工学部修士課程をへて1999年日本テレコム株式会社入社。IT業界を中心に大企業・ベンチャーなどの事業会社で クラウドサービスなどの10年間以上のプロダクトマネージャ経験を持つ、BtoB事業の新規事業立ち上げ、事業成長のスペシャリスト。プロマネとして新サービスを3年で100倍の売上にした経験を持つ。

2014年シナプス入社。BtoBマーケティングプログラム責任者。
立教大学経営学部講師
グロービス経営大学院(MBA)


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