シナプス海老原です。

社内調整力は、事業推進者の必須ビジネススキルの一つです。大きな成果を出す人は、必ず高い社内調整能力を持っています。

10年悪戦苦闘しながら新規事業のプロマネ現場で社内調整力を磨いた、仕事で大きな成果を出し事業を成功に導くワザを「社内調整力のコツとは:面倒・苦手では済まない人の7つの裏ワザ」としてまとめました。


1.社内調整力が必要な理由


1-1.社内調整力は、事業推進者必須スキル

「社内調整に時間を使いたくない」「社内調整の労力は無駄である」と考える人もいるでしょう。

しかし、人は本質的に変わることをいやがるものです。結果を出す事業リーダーには、自分の権限以上の社内を動かす力が必須です。

社内調整力を磨いて、直属上司はおろか、営業部、あるいは役員、多くの権限の壁を突破して社内を動かせなければ、事業は立ち上がりません。

「社内調整が苦手」「社内調整は面倒なのでやりたくない」といっていては、スピード勝負の事業で成功はできません。裏ワザを使っても社内調整力を高め社内を動かしていくことが、事業リーダーには求められます。

1-2.社内調整力の達人になる

「正論だけでは動かない。」「社内調整に成功しなければ事業推進できない。」そんな新規事業推進現場で、悪戦苦闘して磨いた社内調整力のコツを公開します。

また、社内調整力のコツは、新規事業に限らず、すべての事業推進で使えます。社内を動かし、事業を進める社内調整力の達人を目指しましょう。

2.社内調整力のコツ:面倒・苦手では済まない人の7つの裏ワザ

私が新規事業現場で、実際に使ってきた社内調整力のコツを7つの裏ワザとしてまとめました。


2-1.社内調整力のコツ:先制攻撃


「先制攻撃」は、相手の意識の隙を突く社内調整力の裏ワザです。

相手が意見を持つ前に先に意見をいうのがコツです。その時点で社内調整は、あなたが有利です。

例えば、下記の会話は、あなたの意見はすでに半分通っています。
(あなた)「今年の目標は売上2億円にしようと思います。」
(上司)「いや、1億円は上乗せしよう。」

上司が「相当頭がキレ」かつ「先に意見を持っている」人でない限り「ちょっと待って。そもそも目標って売上でよい?」と、一つ前の論点まで戻す人は少ないです。

2-2.社内調整力のコツ:やりたい作戦


「やりたい作戦」は、「自分の持っている論拠が弱いとき」「他の案に相手が強い意志を持っていないとき」に有効な社内調整力の裏ワザです。

「議論してもそもそも論拠が噛み合わず平行線。」「客観的な根拠が通じない」、または「現時点では、それほど強い根拠は示しようがない。」

新規事業推進場面などで、こんな状況はありませんか? 新しいことにチャレンジするのですから、強い根拠を示すことが難しいのは当然です。

客観的な根拠が使えないときは、個人的・主観的な根拠を使うのが、社内調整力のコツです。

「これ、私どうしてもやりたいです。」

相手が他に思い入れのある代替案を持っていない場合、意外とこれで、社内調整を通ってしまったことが何度もありました。

なお、この社内調整力の裏ワザの強みは、「『自分がやりたい』ということ自体は否定しようがない」ということです。

2-3.社内調整力のコツ:一人時間差攻撃


「一人時間差攻撃」は、自分と他の人間との記憶力・意思力の差をつく社内調整力の裏ワザです。

「社内調整に失敗ししたが、もう一度チャンスはないか。」あるとき私はリベンジジチャンスに気づきました。

それは、「自分は以前の会議で社内調整しようと議論した内容を覚えているが、他の人はあまり覚えていない」ことです。先週の会議の結論を、「会議参加者10人中私一人しか覚えていない」こともありました。

自分ごとでない議題については、その場の雰囲気だけで反対し、自分が発言内容すら覚えていない人は多いものです。

「一人時間差攻撃」では、具体的には、以下のように自分と他人の「記憶力」「意思力」の差をついて、社内調整します。

たとえば、ある会議で自分が通したい意見が否決されたとします。その時は空気を読んで、一旦引いて、「みんなが忘れたころに(例えば、半年後)、もう1度同じ意見を会議でいいます。」不思議と、これが結構通ります。みんな以前の話題を忘れているのです。

この社内調整力の裏ワザに熟達すると、「これは今回の会議で社内調整は無理そう。」と、判断したら粘らずサッと引きます。なぜなら、粘ると反対意見が相手の記憶に強く残ってしまうからです。そして、社内調整リベンジの余地を残します。

2-4.社内調整力のコツ:物量作戦


物量作戦」は、意見の物量で相手の意識を分散させて意見を通す社内調整力の裏ワザです。

具体的なやり方としては、「社内調整で通したい内容を、会議などで一度にたくさん提示します。」どさくさにまぎれて、複数の内容を社内調整してしまいます。

たとえば、議論の論点を事前にあまり示さず、会議の場で「詳細なサービス仕様書案」をいきなり提示します。

すると、相手は大抵自分が気になる特定のポイント「だけ」ついてきます。そのポイントだけ戦って、少しゆずり会議を終了します。すると、自然と他の社内調整要素は全部通っています。

2-5.社内調整力のコツ:虎の威を借る作戦


「虎の威を借る作戦」は、「相手の意思決定に大きな影響を与える人を、先に落としてから社内調整する」という社内調整力の裏ワザです。

上司などに、社内調整しようと、意見を聞くと「あの人は、なんといっている?」と役員など特定の相手の意見を気にする人がいます。

社内調整時は、相手の意見に影響を与えそうな人、聞かれそうな人を先に落としておきます。

調整相手が気にするくらいの人なので、大抵権力の強い人です。そのため、通常落とすのは大変ですが、方向性のOKをもらう程度でよいでしょう。影響力の強いキーマンに先に大枠OKをもらっておき「●●さんは、いいっていってましたよ」と伝えるとすんなり社内調整がとおります。

2-6.社内調整力のコツ:頑固作戦


「頑固作戦」は、「やりたい作戦」と同様、「自分の持っている論拠が弱いとき」「他の案に相手が強い意志を持っていないとき」に有効な社内調整力の裏ワザです。

やり方は、単に「ひたすら頑固に意見をゆずらない。」だけです。

「ワザ」といえるか微妙ですが、うまく使えば社内調整力をあげる立派なワザになります。

具体的には、少しでも相手に折れる隙がありそうなら、ひたすら粘ります。そうすると、思い入れのない案件では、折れる相手も多いのです。粘ったもの勝ちです。

単にいわゆる「情熱」ではなく、計算して粘るのです。上級者になると、相手と案件内容によって、どの社内調整なら粘るべきかどうかを見極めます。

2-7.社内調整力のコツ:いわザル作戦


「裏ワザ1~6、どれを使っても意見が通らない。」そんなときに、最後の社内調整の裏ワザです。

その場合は、「いわザル作戦」です。つまり、「社内調整しない」という荒技です。

たとえば、事業戦略の基本方針の承認は、通常「声の大きい複数の上位役職者」の説得が必要です。もちろん、正面から納得を得るのが社内調整の王道です。

しかし「どうしても説得が困難そう。」「一番事業に精通した自分からみて、明らかに失敗しそうな基本方針に変更させられてしまう」こともあります。

そんなときは「いわザル作戦」です。たとえば、戦略の基本方針では、自分の中ではブレない基本方針を持っておきます。サービス仕様、プロモーション戦略、などは、すべて基本方針に沿って作成します。しかし、あえて基本方針は社内調整しません。

こっそりと戦略を実行し、結果を出し、少しずつ賛同者を増やしていきます。

私は、社内調整が難航したため「知らないうちに仕様を変えていた」「パンフレットの表現を修正指示されたものから元に戻してしまった」ということもやって、首尾一貫した戦略基本方針をとっていました。

まとめ

社内調整力のコツ:面倒・苦手では済まない人の7つの裏ワザいかがでしたか?いけそうな気がしてきましたか?

「新しい事業ひっぱる事業リーダー」「新しいやり方を導入した新規プロジェクトマネージャ」など、社内調整力の裏ワザを駆使して社内を動かす力を最大限発揮しましょう。


参考情報

1.海老原一司のシナプスビジネスナレッジコラム

海老原一司:チーフマーケティングコンサルタント
1974年生まれ。早稲田大学理工学部修士課程をへて1999年日本テレコム株式会社入社。IT業界を中心に大企業・ベンチャーなどの事業会社で クラウドサービスなどの10年間以上のプロダクトマネージャ経験を持つ、BtoB事業の新規事業立ち上げ、事業成長のスペシャリスト。プロマネとして新サービスを3年で100倍の売上にした経験を持つ。

2014年シナプス入社。BtoBマーケティングプログラム責任者。
立教大学経営学部講師
グロービス経営大学院(MBA)


社内を動かす力の裏ワザコラムシリーズ


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