この事例の大手食品メーカー様では、一時期、ある商品が爆発的にヒット。加えて、営業部メンバーはコミュニケーション能力が長けており、取引先との関係も良好で売上も好調でした。その反面、戦略的な思考力が不足しているため、取引先の課題解決支援が十分にできていない、という状況でご相談をいただきました。
大手食品メーカー|ロジカルシンキングによる問題解決研修の概要
- 時間:7時間×3回
- 対象:営業職3年目社員
- 課題:コミュニケーション能力は長けているが、『考える力』がまだ弱いと感じていた
- 到達目標:取引先の課題解決支援を行い、営業実績の向上を狙う
- 進め方:すぐに実践できるように、演習を多めにしたワークショップ形式で進行
大手食品メーカー営業社員向け|ロジカルシンキングによる問題解決研修のコンセプト
ロジカルシンキングはビジネスパーソンとして身につけるべき必須のスキルと考えられています。どのような状況にも的確に意思決定し、行動し、成果を出すためには、ロジカルに考えるチカラが最大の武器となることは言うまでもありません。
特に自社内だけでなく、取引先の課題解決策の提示を求められる営業社員は、問題解決能力とロジカルシンキングが欠かせません。問題解決のフレームワークを身につけることで、的確な問題発見、解決すべき重要課題の特定、多様な視点からの解決策立案が可能となります。
シナプスの問題解決・課題解決研修は、ビジネスシーンで起こりがちな問題・課題を想定して、現実の担当業務への応用力を養います。
ルート営業に「問題解決スキル」が重要な理由
後藤匡史講師
この事例の企業様の研修導入時の状況として、爆発的ヒット商品があることにより、小売店やメーカーなどの取引先からの注文が多く、売上は好調でした。
しかしながら、会社としては「これまで商品力で勝ってきたが、競合がキャッチアップしてきており、徐々に価格差で負ける可能性が出てきた」という意識を持っていらっしゃいました。
この大手食品メーカー様は、基本的にルート営業ですので、「取引先・顧客企業の課題を掴む」ことが成果をあげるためのキーとなる営業活動です。
ルート営業のスキルとして「問題解決スキル」が重要なのは、ルート営業は高頻度で取引先とコンタクトしているので、客観的かつ相応の解像度で取引先の真の問題を捉えることが可能だからです。
取引先のご担当者が困っていることに寄り添い、一つ一つのリクエストに真摯に応える姿勢は大切ですが、業務過多になりがちです。つまり、効率が悪い。根本的な解決が図れれば、それに越したことはないですよね。では、どうすればよいのか。そこに問題解決の標準プロセスを理解する意味があります。
目の前の問題を解決すると何がうれしいのか、
本当に解決すべき問題は何か、
他に優先して解決すべきは別にあるのではないか、
という視点で事象を眺めることができれば、取引先が気づいていない重要な問題を提起することができるかもしれません。
さらにはその問題を取引先と一緒に解決することができれば、頼れるパートナーとしてのポジションが確立され、結果として自社の事業発展にもつながります。
本来ルート営業に求められる上述のような動きをするには、問題解決のセオリーを理解し、活用する術を身につけて頂くことが重要だと考えています。
大手食品メーカー営業社員向け|ロジカルシンキングによる問題解決研修のカリキュラム
学習項目
- 問題解決とは何か?
- 問題の定義
- 問題の特定
- 問題点の発見
- 解決策の立案
研修プログラム設計のポイント
後藤匡史講師
研修の企画ご担当者様は、営業メンバー全員が「取引先の現場の問題を高い解像度で把握したうえで、真の課題を見出し、解決策を提示するスタイル」を身につけ継続的な取引拡大に繋げていきたいという想いを持っておられました。
そのため、
・セオリーの理解:問題解決の標準プロセスを理解すること
・型の体得:標準の型を実務で使えるようになること
を目標にしたワークショップ型の研修を実施しています。
まずは、問題解決のプロセスを4つステップで詳説。解決したい/解決すべき問題は何か、問題を定義し、最も重要な問題点を特定したうえで、その原因を分析、その後に解決策を立案する、という流れが標準的な問題解決のプロセスであり、効率的で再現性の高い問題解決の手法であることを理解頂きます。
その後、自社課題(ご担当の取引先から1社を選定し、問題解決4ステップで解決策を立案する)に取り組む、というプログラム構成にしています。
自社課題演習により実務接続を図り、セオリー理解により再現性を高めることをねらいとした組み立てです。スキル獲得のスピードが高まり、ご担当者の思いにもお応えできる研修プログラムになっていると考えます。