スキミングプライス(skimming price)とは、製品の市場投入時・導入期に高価格を設定し、高収益力を確保するための価格設定のことです。
スキミングプライシングとは
スキミングプライスを取る価格戦略を、「スキミングプライシング(skimming pricing:スキミング価格戦略)」といいます。
英語でスキミング(skimming)とは、「上澄みをすくい取ること」です。つまり対象市場全体の上澄みである富裕層などの「高くても買ってくれる顧客」を狙った戦略です。
スキミングプライスの価格設定を行うことで、商品の導入期から高収益力を確保し、投資の早期回収を図ることができます。
スキミングプライスの特徴
「スキミングプライス」の特徴、スキミングプライスが成立する条件を示します。
- 高価格戦略
- 高収益力、早期回収
- イノベーターの存在が必要
- 徐々に価格低下、ターゲット拡大
- 製品の差異化の大きさから市場での競争の心配が少ない(多くの場合、品質優位)
- 価格弾力性が小さく、需要が価格の高低に左右されない
価格戦略の選択
新製品の価格を幾らにすべきか、と言うのはきわめて難しい議論です。既に存在する市場に新規参入する場合には顧客にある程度「値ごろ感」が出来ていますので、それから大きく変化させるのは難しいのですが、ド新規の商品を投入する場合、とても難しい意思決定を迫られます。
「スキミングス」と「ペネトレーションプライス」
新規参入における価格付けは、大きく二つの方針があります。すなわち、「高価格に設定し利益を獲得する」か、「低価格に設定し数を普及させるか」の二択です。
それぞれスキミングプライシング(skimming pricing):高価格に設定)、ペネレーションプライシング(Penetration pricing:低価格に設定)と呼びます。
これらは価格戦略は、上位のマーケティング戦略方針によっていずれも取り得ます。しかし、市場・事業特性によってやりやすい事業、やりにくい事業は存在します。
スキミングプライスを選択する場合
スキミングプライスは、マーケットシェアが競争優位に重大な影響を与えなければ、ローリスクな方法です。逆にいうと、マーケットシェアが競争優位に重大な影響を与える業界では、低価格な競合に先にシェアを奪われてしまうと逆転が難しくなります
スイミングプライスを選択した場合、競合参入時には、徐々に価格を下げて行くスタンスですが、結果的に住み分けることになります。
なお、スキミングプライスが価格戦略として成功するには、高価格でも購入するイノベータの存在が欠かせません。
価格戦略を学ぶ企業研修
「マーケティング研修基礎」は、1万人が受講したマーケティング基礎プログラムです。「マーケティング戦略基本プロセスの流れ」「論理的思考法」「顧客ニーズの本質」を学びます。単なる知識に終わらずマーケティングの実務応用に使える論理的マーケティング思考法を身につけます。「マーケティング戦略思考」を共通言語として組織浸透させるための社員集合研修として最適です。
お客様の声:東京電力エナジーパートナー様
冨山様
元々、商品開発室は多様性のあるメンバーなので、プロジェクトを進めるときに共通言語を持つことが狙いでした。
複数のプロジェクトが並行して動いているのですが、共通言語としてマーケティングのフレームワークを使うことが当然になってきていますね。半年間で、すでにサービスをローンチさせた人もいます。
株式会社シナプス
マーケティング基礎研修のご案内です。株式会社シナプスは、事業成長に繋がる人材育成プログラムを提供する企業研修・社員研修の専門会社です。マーケティングの実務経験とコンサル経験を持…