AIDMAモデルとは

AIDMAとは、AIDAモデルにおいて、行動を起こす前のタイミングで製品の購入意向を維持するMemory(記憶)を加えた態度変容プロセスモデルです。

Attention(注意),Interest(関心),Desire(欲求),Memory(記憶),Action(行動)の頭文字を取って「AIDMA(アイドマ)」といいます。1924年にサミュエル・ローランド・ホールが著書「小売業の広告と販売」で提唱した、広告での生活者の心理プロセスを分析した概念です。

AIDMAは、消費者の段階に見合ったマーケティング戦略を立てるときに使用されます。なお、Memory(記憶)は文献によってはMotive(動機付け)とされるものもあり、この違いは取り扱う製品やサービスによって異なります。

マーケティングプロモーションにおける態度変容モデルの必要性

顧客が購入に至るまでには様々な態度の変化があります。よく、営業というと「押し売り?」というイメージを持たれる方がいますが、これは「欲しいと思っていない人に売り込みに行く人」というイメージがあるためでしょう。全く知らない商品で欲しいと思っていない人に「これを買って欲しい」と言うと怪しまれるでしょう。

一方で、様々なCMや資料を見て欲しいと思っている商品があります。この時に営業が来たら「よくぞ来てくれました!」となります。

つまり、顧客の態度状態によって必要なコミュニケーションは異なります。プロモーション戦略は、顧客の態度変容を意識して設計する必要があるのです。

態度変容のフレームワークにAIDMAモデル、AMTULモデル等があります。


AIDMAモデルとは

AIDMAモデルの5ステップ

AIDMAモデルは、5つのステップで顧客の態度変容を表します。

  • Attention ・・・注意
  • Interest ・・・関心
  • Desire ・・・欲求
  • Memory ・・・記憶
  • Action ・・・購入

AIDMAモデル

AIDMAモデルの3つのプロセス

AIDMAモデルの5つのステップは「①認知段階」「②感情段階」「③行動段階」の3つのプロセスに分類できます。

①認知段階

認知段階とは、「製品やサービスの存在を知る」レベルにあることです。
AIDMAモデルのAttention=注目です。

②感情段階

感情段階とは、「好きか嫌いか、使用したいかどうか」という判断レベルにあることです。
AIDMAモデルの「I:Interest(興味・関心)」「D:Desire(欲求)」「M:Memory(記憶)」の3ステップです。

③行動段階

行動段階とは、「購入する、使用する」という行動を起こすレベルにあることです。
AIDMAモデルの「A:Action(購入)」です。


AIDMAモデルによる態度変容事例

AIDMAモデルの事例:書籍購入の態度変容

例えば、私(家弓)は日本代表サッカー選手の長谷部誠の書籍「心を整える。」を購入しました。この時の購買行動は次の通りです。

まず、長谷部誠が本を出した、というのは店頭で知りました。その時は、「あぁ、出したんだ」くらいの感想でした(ADIMAモデルのAttention)。

それが長期間ベストセラーとして書店の「売れ筋」に並んでいると何となく気になります(AIDMAモデルのInterest)。数か月興味を持った状態が続きました。

ところが、先日、書店に立ち寄った際、立ち読みしてみました。そうすると想定より面白かったので買おうかな、と一瞬思いました。(ADIMAモデルのDesire)しかし、レジが混んでいたので購入をやめました。

次の日、別の書店に立ち寄った時にふと「心を整える。」が置いてあることで記憶がよみがえりました(ADIMAモデルのMemory)。

「この本を買って帰ろう」と購入しました。(ADIMAモデルのAction)

AIDMA事例からの考察:顧客の態度変容ごとに必要な施策は異なる

AIDMAモデル等の態度変容モデルは、顧客の態度によって必要な施策が異なることを示しています。

私にとってこの本は長い間、欲しくないものでした(AIDMAのA~I)。この段階ではレジが空いていようとも、あるいは安売りであろうとも全く買おうと思わなかったでしょう。

つまり、この段階では、「欲しいと思わせる」ことに注力します。私にとっては「読んでみる」と言う事が態度変容に一番効果がありました。人によっては、「皆が読んでいる」ということが重要かもしれませんし、誰か権威のある人(有名なブロガーさんや芸能人等)が推薦してくれることが必要かも知れません。いずれにしても、「この本、面白いよね」ということを伝えなければ、購入には至れない、と言う事です(AIDMAのD~M)。

一方で、欲しいと思った時には「いかに買いやすくするか」が重要になります。私が購入をやめた理由は「並ぶのが大変」でした。言い換えれば、その瞬間にレジが空いていれば買っていました。

消費者はきまぐれですから、一度買おうと思っても結局買わないこともあります。よって、「買う気になった時に、いかに買わせるか」が重要で、繰り返し買う気にさせるように「平積み」や「売れ筋No.1」に並べておくのが大事です(AIDMAのA)。

まとめ:AIDMAモデルと態度変容モデル

AIDMAモデルで態度変容モデルを説明しましたが、商品特性や取り得るコミュニケーション施策、顧客の状況によって、モデルとすべき態度変容は異なってきます。

しかし、顧客は態度を変容させながら購買に至る、ということは変わりません。顧客に合わせた最適な態度変容モデルを見つけましょう。

「AIDMAモデル」を学ぶ企業研修

「マーケティング研修基礎」は、1万人が受講したマーケティング基礎プログラムです。「マーケティング戦略基本プロセスの流れ」「論理的思考法」「顧客ニーズの本質」を学びます。単なる知識に終わらずマーケティングの実務応用に使える論理的マーケティング思考法を身につけます。「マーケティング戦略思考」を共通言語として組織浸透させるための社員集合研修として最適です。

お客様の声:東京電力エナジーパートナー様


冨山様

元々、商品開発室は多様性のあるメンバーなので、プロジェクトを進めるときに共通言語を持つことが狙いでした。
複数のプロジェクトが並行して動いているのですが、共通言語としてマーケティングのフレームワークを使うことが当然になってきていますね。半年間で、すでにサービスをローンチさせた人もいます。



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