ターゲティングとは:選択と集中
ターゲティングとは、自社の製品を購入してもらえる顧客グループを絞り込むことです。私たちが向き合う市場は、多様なニーズを持った顧客で構成されています。これらすべての顧客に対応しようとした場合、投下資源は分散し、投資効率は下がってしまいます。
戦略の原則は、「選択と集中」です。自社の製品に最もニーズがマッチしている顧客グループを見つけ、そこにリソース(人・モノ・カネ・情報)を集中投資していくことで、成功の確率を高めることができるのです。
ターゲティングのステップ1:市場細分化(セグメンテーション)
市場は様々なタイプの顧客の集合体として捉えることができます。そこで、ターゲットを選定する上では、同質なニーズを持つ顧客をグルーピングすることが有効です。こうして市場を細分化することを「市場セグメンテーション」と呼びます。
例えば、毎日の食卓に欠かせない野菜も、「とにかく安さを追求する」顧客と、「価格は高くてもよいので無農薬・有機栽培などの高品質なものを買う」顧客、さらに「いつも行く店で今日のおすすめを買う」顧客など、様々なタイプの顧客が存在しています。
セグメンテーションの際に用いられる分類の切り口は様々です。代表的な切り口としては、年齢別・性別等といった「人口動態変数」が用いられます。しかし、これだけでは顧客のニーズを適切に分類することは難しく、さらに心理変数を用いることが必要となってきています。
よいターゲティングとは、顧客の姿を具体的にイメージできること
そのセグメント化された顧客の中で、最も魅力的な顧客群をターゲット顧客とします(ターゲティング)。まず基本は自社の製品を最も魅力的だと評価してくれる顧客は誰か?という視点でターゲットを絞り込むと良いでしょう。 例えば、 オンライン書店のAmazonでは、ネット通販という業態によって、時間や距離を気にすることなく、いつでも、どこからでも書籍を探し、入できるサービス、つまり付加価値を提供しています。従って、このサービスは、「時間に追われて書店に足を運ぶことができない忙しい人」というターゲティングができそうです。
そして、ターゲティングをする際のポイントとしては、「顧客の現実」をできるだけ具体的にイメージすることです。その製品を使う人は、何歳で性別は男か女か、どの様な仕事をしているのか、どの様な所に住んでいるのか、毎日何時に起きて、どの様な事を考え、どういう1日を過ごしているのか。
Amazonの例を具体化するなら、「20歳代後半から40歳代の働き盛りで残業がちなビジネスパーソン、夜寝る前の読書が趣味」などといった具体的な顧客の生活が動画でイメージできる状態を作りたいものです。
ターゲットの評価方法
さらにより魅力的な顧客を選定するために、市場視点(市場規模や成長性)、競合視点(競合の脅威)、自社視点(強みの活用)といった視点も合わせて評価していきたいところです。
ターゲティングでは、市場を細分化し、それぞれのセグメントを評価、そして自社が取り組むべきターゲットセグメントを設定します。これらのプロセスを経て、自社の製品を最も必要としていて、かつ自社の事業にとっても魅力的な顧客グループを見出していくのです。
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