カスタマーバリュー(顧客価値)と価格設定

カスタマーバリュー(顧客価値)とは

カスタマーバリュー(顧客価値)とは、「製品やサービスに対して顧客が適正と認める価値」、または、「製品やサービスを利用することで顧客が実際に得られる価値」のことです。

カスタマーバリューは、ロバート・ラウターボーン(Robert F. Lauterborn)が提唱した「4C」のひとつに挙げられています。顧客価値と価格設定の関係をみていきましょう。

価格設定方法:3つのプライシング方式

コスト基準型プライシング

メーカーであれば製造コストを基準に考えるプライシングで、価格設定方法で最も基本的なものです。
コスト基準型プライシングは、利益やコストを「自社中心」に計算している点に注意が必要です。つまり、「顧客視点」や「競合視点」が入っていません。価格設定の仕方としては、最もシンプルで簡単ですが、コスト基準型プライシングのみで価格設定すると「購入されないような高価格の値付け」や逆に「もっと利益が取れるはずなのに必要以上に低価格な値付け」をしてしまうリスクがあります。

競争基準型プライシング

自社のコストや需要特性よりも、競合との競争面に配慮して価格設定する方法です。競合製品、既存製品の価格を基準としてプライシングを行います。

マーケティング戦略基準プライシング

マーケティング戦略から価格を決定する方法です。顧客ごとに価格をわける価格差別化法、名声価格を利用したプレミアムプライシングがあります。

価格設定とカスタマーバリュー

価格設定はコストが下限、顧客価値が上限

価格設定で考慮すべき主な要因は以下の3つです。

  • カスタマーバリュー(顧客価値)
  • 製造コスト
  • 競争環境

利益を確保するためには、製造コストを上回る価格が必要なので、製造コストが設定の下限です。一方、カスタマーバリューは価格設定に置ける上限値です。
製品は、顧客が認める価値を超える価格での販売は難しいためです。


コスト <  設定価格  <  カスタマーバリュー


通常、カスタマーバリュー(顧客価値)はマーケティングリサーチ、顧客ヒアリングなどを通して見極めていきます。それは自社の正確なコストを把握する以上に難しい作業で、マーケティング担当者・商品企画担当者のスキルが問われます。



BtoBにおけるカスタマーバリュー(顧客価値)は定量化


BtoBマーケティング(法人企業向けマーケティング)では、特に経済合理性」が重視されるため、極力「顧客価値の定量化」を行うことが必要です。
コスト+標準利益以上の提供価格を実現することも可能ですが、顧客への提供価値が定量的に説明できなければ、価格競争に陥る可能性が高くなります。

「カスタマーバリュー(顧客価値)」に関連する企業研修

「マーケティング研修基礎」は、1万人が受講したマーケティング基礎プログラムです。「マーケティング戦略基本プロセスの流れ」「論理的思考法」「顧客ニーズの本質」を学びます。単なる知識に終わらずマーケティングの実務応用に使える論理的マーケティング思考法を身につけます。「マーケティング戦略思考」を共通言語として組織浸透させるための社員集合研修として最適です。



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