プロモーション戦略とは、マーケティングミックス(4P)のひとつPromotionのことです。
プロモーション戦略とは、「顧客とのコミュニケーションによって、顧客の態度を変化させ、購買行動に導く一連の活動」と定義できます。
マーケティングミックス(4P)
- Promotion:プロモーション戦略
- Product:製品戦略(プロダクト戦略)
- Price:価格戦略
- Place:流通戦略
プロモーション戦略立案で注意すべきこと
プロモーション戦略は、以下の2つの整合性について注意して策定しましょう。
プロモーション戦略とSTPの整合性に注意
プロモーション戦略は、ターゲティング・ポジショニング(STP)と整合している必要があります。
ターゲットに合わせて、ターゲットにリーチしやすい、ターゲットの態度変容を促しやすい、プロモーション戦略を考えましょう。
STPとの整合性事例:TVCM
プロモーション戦略とSTPとの整合性の事例として、TVCMについて考えます。
例えば、化粧品などの消費財では、TVCMなどの広告が重要なプロモーション手段となります。一方、BtoB向け商品(生産財)では、人的販売=営業が、主要なプロモーション手段となります。
つまり、日用品のようなターゲットが広い商品の場合、TVCMなどで、広く認知を得るプロモーション戦略は効果的です。一方、ターゲット顧客が狭い商品の場合は、費用対効果の面から(TVCMは高額)、専門雑誌、インターネットなど他の広告手段の方がよいでしょう。
プロモーション戦略と他のマーケティングミックス(4P)の整合性に注意
4Pは、マーケティングミックスと呼ばれるように、単体ではなくあくまで4つのPの組合せで決まります。そのため、プロモーション戦略は、他のPである、Product、Price、Placeと整合性がとれている必要があります。
他の4Pとの整合性事例:TVCM
プロモーション戦略と他の4Pとの整合性の事例として、TVCMについて考えます。
TVCMは、化粧品、清涼飲料など数百、数千万人の大量の認知を得るのに有効なプロモーション手段です。
しかし、TVCMOの弱点は、30秒前後と伝える時間・内容が限られることです。そのため、複雑な説明が必要な商品(Product)には向かない可能性があります。
なお、近年ではTVCMの弱点を補完するため、TVCMをWeb流入の手段として割り切って、商品の詳細説明はインターネットのWebサイトで行うプロモーション戦略を用いる場合も多いです。
プロモーション戦略の実現手段:コミュニケーションミックス
プロモーション戦略実行にあたり、マーケティングの課題に応じて顧客の態度変容のためにコミュニケーション手法を最適に組み合わせることを「コミュニケーションミックス」といいます。
コミュニケーションミックスでは、主に「人的販売」「広告」「販売促進」「広報」という4つのコミュニケーション手法を組み合わせます。
広告
広告の具体例
- TV、ラジオ
- 新聞、雑誌
- ダイレクトメール
広告の主な目的
- 認知、理解、購買意欲を喚起
- イメージの育成(ブランド形成)
販売促進
販売促進の具体例
- サンプリング
- 値引き
- クーポン
- リベート
- ギフトプレミアム
- 懸賞
販売促進の主な目的
- 販売の成立
- 顧客リレーションシップの構築
- 製品使用法の指導
人的販売
人的販売の具体例
- 対面販売
- 顧客サービス
- 顧客の指導
人的販売の主な目的
- 買う気にさせる
- 試してもらう
- 継続使用してもらう
広報(PR)
広報(PR)の具体例
- プレスリリース
- 記者会見
- 協賛、スポンサー
広報(PR)の目的
- 信頼度や好意度を高める
- 企業を取り巻く関係者との良好な関係を育成する
よいプロモーション戦略とは
各コミュニケーション施策が態度変容モデルに沿ってがつながっている
よいプロモーション戦略では、顧客の態度変容モデルに沿って、各コミュニケーション施策が繋がっています。
AIDMAモデルでのプロモーション戦略施策整合イメージ
態度変容モデルの代表例AIDMAモデルで考えてみましょう。
この態度変容モデルとコミュニケーション手段のマトリックスでは、施策が態度変容ごとに途切れずに最後のAction(行動)まで繋がっています。
プロモーション戦略では、「顧客の態度変容を起こす」ことが必要ですが、態度変容モデルの各階段を上り最後の「購買行動」までつながらないと意味がありません。自社のコミュニケーション戦略の施策同士がしっかり繋がっているか、再度確認してみましょう。
「プロモーション戦略」を学ぶ企業研修
「マーケティング研修基礎」は、1万人が受講したマーケティング基礎プログラムです。「マーケティング戦略基本プロセスの流れ」「論理的思考法」「顧客ニーズの本質」を学びます。単なる知識に終わらずマーケティングの実務応用に使える論理的マーケティング思考法を身につけます。「マーケティング戦略思考」を共通言語として組織浸透させるための社員集合研修として最適です。
お客様の声:東京電力エナジーパートナー様
冨山様
元々、商品開発室は多様性のあるメンバーなので、プロジェクトを進めるときに共通言語を持つことが狙いでした。
複数のプロジェクトが並行して動いているのですが、共通言語としてマーケティングのフレームワークを使うことが当然になってきていますね。半年間で、すでにサービスをローンチさせた人もいます。