更新日:2023年10月24日
「営業パーソンがそれぞれ自己流の営業活動を行っており、そのナレッジが共有されていない」
「CRMのクラウドサービスを導入したものの全く活用が進んでいない」
こちらの事例の医療・介護機器メーカー様が抱えていたお悩みです。研修導入時、営業パーソンは個人商店化し、成功パターン・ノウハウ・トークは個人で努力し、身につけ、磨いている状態でした。そのため、新人や若手営業の戦力化が図られないままとなっていました。
医療・介護機器メーカー|営業サクセスモデル構築研修の概要
- 時間:5ヶ月
- 対象:営業職
- 課題:営業手法が属人的であり、共有がされておらず若手社員の教育に苦戦している
- 到達目標:成果につながる行動の分析から成功モデルを作成し、若手教育にも役立てる
- 進め方:トップ営業数名の行動をインタビューし、行動分析から成功モデルを構築する
医療・介護機器メーカー|営業サクセスモデル構築研修のコンセプト
再現性が高い行動の把握・分析、行動パターンの抽出からスタートする
家弓正彦講師
営業パーソンは「行動」と「価値提供」が重要と言われます。事実、どのような業界であっても、トップ営業になればなるほど、行動数が多く、顧客へ価値提供をしています。
トップ営業が「何を」「どのくらい」「どのように」しているのかを組織として把握し、営業パーソン全体に浸透させることができれば成果につながりやすくなるのは言うまでもありません。
売上につながる行動を把握・分析して一つの成功モデルを確立できれば、新人社員や若手社員の教育にも役立てることができますし、若手だけでなく営業パーソンの行動の振り返りにも活用ができるようになります。
シナプスの営業サクセスモデル研修は、再現性が高い行動が何かを把握・分析し、成功のための行動パターンを抽出するところからスタートします。
営業現場のOJTの実態
家弓正彦講師
営業はお客様に会うことから始まり、状況をヒアリングし、要望や課題解決のための提案をしていきます。新規開拓、ルート営業ともに大きく変わらないでしょう。
この事例の医療・介護機器メーカー様では、研修導入時、営業パーソンは個人商店化し、成功パターン・ノウハウ・トークは個人個人が努力し、身につけ、磨いている状態でした。会社としては、単価の高い商品を扱っているため、モノ売りではなく提案営業が必要であると認識していましたが、いわば、スキル獲得は個人に一任された状態でした。
上長や先輩の営業同行などのOJTのみで提案営業スキル・ノウハウを獲得するのは限界があります。それは、OJTの指導側ですら「いつ」「なにを」「どのような目的をもって」「どう行動したらいいか」を言語化して明示できないことが多いからです。事例の医療・介護機器メーカー様でもこうした状況に陥っており、OJTが機能していないことに危機感を持っていらっしゃいました。
営業の勝ちパターン(サクセスモデル)をつくる意味
家弓正彦講師
営業は感覚的な部分が大切なことはご存知の方も多いかもしれません。トップ営業と言われる方は特に感覚的にうまくやっているものです。一方で、その感覚的な部分を言語化して人に伝えられる状態にできる人は少ない、というのが営業現場の実情です。
逆説的ですが、この感覚的にやれてしまえている部分をできる限り具体化することができれば、組織として成長が見込めることは確かです。いわゆる「勝ちパターン」というものですが、営業パーソンが取るべき行動を見える化することで、行動の抜け漏れ、ダブりを防ぐことができ、成果へつながりやすくなります。
そして、組織として一つの軸ができ、売り方も確立されていきます。そこに状況に応じて枝葉を付け加え、各自の営業スタイルが完成されます。
営業パーソンの中には「自分のやり方を教えたくない」「言葉では伝えられない」「見て、感じて覚えるものだ」という考え方をしている人も少なくありません。しかしながら、営業組織としての底上げには、営業の勝ちパターン=営業サクセスモデルを構築することが、行動の標準化を生み成果を出しやすくする重要なポイントであると考えられるのです。
医療・介護機器メーカー|営業サクセスモデル構築研修の設計ポイント
自社メンバー主体でトップ営業へのヒアリングを進める
まずは、自社内でプロジェクトチームを作り、7~8名のトップ営業へのヒアリングを実施。トップ営業パーソンの日々の行動からアクティビティを抽出するためのヒアリングから始めました。ヒアリングを通じて、セールスプロセスの分析、どこでどんな活動をすると、案件が進捗するのかを把握できる状態を作りました。
家弓正彦講師
自社内でプロジェクトチームを作り、そのメンバーにヒアリングを実施してもらったのは意図があります。自社のことを知ってもらい、キーアクテビティの見極めをして欲しかったからです。ヒアリングはシナプスにお任せ頂くことも可能ですし、時間と労力の削減にはなります。ですが、他人に任せるのと、ご自身で実施するのとでは、実感を伴った納得感に圧倒的な差があります。お客様自身に感じてもらい考えて頂くことで、行動パターン抽出やモデル化といったヒアリング以降のプロセスにおいて自社にとってベストな選択ができると考えています。
営業のサクセスモデルは企業様ごとに違ってきますので、プロジェクトメンバーに選ばれたご担当者様は苦労をされたと思いますが、自社を理解し、自社に合った営業の勝ちパターンを構築することが事業成長や組織発展につながっていくことを実感いただけたのではないかと思います。
コンサルティングノウハウを活用した行動パターン抽出、モデル化
トップ営業へのヒアリングで抽出された情報から、キーアクティビティを見極め(プライオリティづけ)、フェーズ分解、プロセスを再構成し、モデル化を図りました。
家弓正彦講師
サクセスモデル構築ですので、理想論や机上論となっては成果につながりません。そのため、核となる情報収集(ヒアリング)や最終的な意思決定はお客様企業主体で行って頂きました。
一方で、営業の勝ちパターン構築のプロセス設計やヒアリングのフレーム、キーアクティビティの抽出などは、業界ごとの標準的なセオリーや知見、コンサルティングノウハウを必要とします。この医療・介護機器メーカー様の営業サクセスモデル研修においても、シナプスのコンサルティング・ノウハウをフルに活用して、スピーディにモデル化を図ることができました。