インハウスSEOとは?メリット・デメリットとSEO内製化を成功させるポイントを解説

SEOの社内運用を検討する企業が増えています。この記事では、インハウスSEOのメリット・デメリットを確認しながら、SEO内製化を成功させるポイントについて解説します。

橋向講師

「SEOをアウトソースしていたが、社内の担当者だけで運用できるようにしたい」という方針を考えていらっしゃる企業が増えています。社内でSEOを実施することを「インハウスSEO」といい、インハウスに切り替えることを「SEO内製化」と呼んでいます。

インハウスSEOにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?本記事では、メリット・デメリットを確認しながら、SEO内製化を成功させるポイントについて解説します。

「インハウスSEO」「SEO内製化」とは?

「インハウスSEO」とは、社内の担当者・メンバーだけでSEO対策を完結させることです。「インハウス」は「社内」を意味します。また、SEO対策をインハウス化していくことを「SEO内製化」といいます。

インハウスSEOのメリット

企業のホームページへユーザーを集めるための施策として、SEOが有名になってから長年経ちます。SEOを外部の専門業者に外注するのではなく社内でインハウス化・内製化する企業が増えています。SEOをインハウス化・内製化するメリットは何でしょうか?

メリット1.外注費がかからない

SEOをインハウスで実施すると、外部の専門業者に支払うコストが発生しなくなります。外注の際に発生していた初期費用や、運用・メンテナンス費用などは、SEOを内製化することで削減されます。

メリット2.対策をスピーディーに進められる

インハウスSEOは、対策を進める担当者が自社の商品・サービスを熟知しており、運営するホームページの仕様も詳しく把握した状態でSEOができるため、スピーディーに対策を進めることができます。また、外部の専門業者に依頼する場合には基本的に複数の企業を掛け持ちで担当していることが多くなり、その分、対応が遅れることがあります。その点、社内にSEO担当者がいる場合は、常に自社のSEOに対応できる状態のため、対応が遅れることなくスピーディーに対応できます。

メリット3.コンテンツ制作のクオリティを上げられる

社内にSEO担当者がいる場合、自社の商品・サービスを理解し、ホームページの仕様も理解している担当者が対応するため、コンテンツのクオリティも高くなります。SEO対策の土台ともいえるコンテンツ制作を外部のライターに依頼する場合、まず業界について学んでもらったり、商材を理解してもらったりするところから始める必要があります。その分どうしても、社内の担当者よりコンテンツのクオリティが低くなってしまう傾向があります。

メリット4.ナレッジを社内に蓄積できる

SEOを内製化すると、施策を自分たちで考えたり、結果のデータを細かく確認することができるようになったりするため、ナレッジを蓄積しやすくなります。また、スピーディーに対応できるため施策のテストを行う際も試行回数が多くなり、その分、多くのナレッジを蓄積しやすくなる傾向があります。

インハウスSEOのデメリット

インハウスSEOはメリットだけではありません。デメリットもあります。SEO内製化のデメリットについても確認しておきましょう。

デメリット1.担当人材を確保する必要がある

インハウスSEOを実施するために、まずは社内に担当者を就ける必要があります。外部からSEO経験者を採用したり、社内にSEO経験者がいたりすれば早いのですが、現実的にはすぐには見つからないことが多いと思われます。その場合、デジタルに苦手意識を持っていない人に担当してもらい、SEOについては外部の研修を通して学んでもらうことも選択肢のひとつになります。

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デメリット2.人件費やツールの導入費用がかかる

社内にSEO担当者を就けるため、その分の人件費が発生することになります。外注費が発生しなくなる一方、人件費はかかるため、これらのバランスは確認が必要です。また運営するWebサイトの規模次第では、有料のSEOツールを利用する必要もあります。その際には、ツールの費用も発生することになります。

デメリット3.最新の動向や再現性の高い分析結果が入手しづらい

SEOに必要な情報は全てがあらかじめ公開されているわけではありません。検索結果の順位を決める仕組みを公開してしまうと、悪用するスパム行為が横行してしまうためです。検索アルゴリズムでブラックボックスになっている部分は、多くの有識者の見解を確認したり、必要に応じて社内でテストしてみたりする必要があります。

インハウスSEOでは、自社のデータについては細かく確認できるものの、他社のデータは確認できません。そのため、どうしても分析に偏りが出てしまいます。一方で外部の専門業者では基本的に複数企業のデータをモニタリングしています。そのため、Googleの公式発表前にアルゴリズムアップデートの予兆を察知したり、アップデート後の傾向について偏りのない分析をしたりすることができます。

こうしたことは、少人数で担当しているインハウスSEOだとなかなか実行しづらい傾向があります。

デメリット4.SEO対策が担当者に属人化する

インハウスSEOでは、すべてのSEO業務が特定の担当者に集中します。SEOのナレッジも特定の担当者に蓄積されることになります。この状態でSEO担当者が離職してしまった場合、マーケティングの成果に影響が出ることも考えられます。ナレッジが社内で共有されず、特定の担当者に集中することによるリスクも、インハウスSEOのデメリットのひとつです。

インハウスSEOを成功させるポイント

インハウスSEOのデメリットを解決しつつ、内製化を成功させるポイントを紹介します。

ポイント1.社内でSEOの重要性と目的を理解してもらう

まずは社内でSEOの重要性と目的を理解してもらうことが必要です。重要性がわからず、目的が不明瞭な場合、実行に移されません。また、SEOは長期的に対策を続けていく必要があります。すぐに成果が出ないからといって、途中でやめてしまっては成果が得られません。その点も含めてSEOが重要だということを、最初に理解してもらうことから始める必要があります。

ポイント2.SEO担当者を確保する

インハウスでSEOを実施するには、社内に担当者を就けなければいけません。社内にSEO経験者がいなければ、外部から採用することも検討することになります。もしくは、社内にいる「デジタルの仕事に苦手意識のない人」を担当者に就けて、外部の研修を利用しつつ育成していくことも検討できます。研修をとおして育成していく場合には、研修とインハウス化サポートを同時に提供している企業に依頼するのがスムーズです。

ポイント3.SEOのナレッジが社内で共有される体制を作り、属人化を避ける

SEOのナレッジが担当者に集中しすぎないよう、ナレッジが共有される仕組みを用意します。社内会議や社内研修、事例共有の場を設けるなどの工夫により、SEOをメインで担当していない社内の関係者にもSEOのナレッジが共有されるようにしておきます。

ポイント4.SEOの最新情報を入手しやすい体制をつくる

インハウスSEOでは、多くの情報源にアンテナを張っておくことが難しかったり、他社Webサイトのデータを見ることができなかったりするため、どうしても最新の傾向がつかみづらくなってしまいます。したがって、最初はインハウスSEO支援会社にサポートしてもらいつつ、どういう情報にアンテナを張っておくべきかアドバイスをもらったり、定期的に最新情報をまとめて学ぶための研修を受けたりするなどの方法があります。

ポイント5.インハウスSEO支援会社で社内のSEO担当者を育成していく

SEO経験のある担当者でも、インハウスで自社サイトのデータだけを見ていると、情報が偏ったり、知識のモレに気づきづらくなったりすることもあります。そのため、定期的にインハウスSEO支援会社に研修を依頼したり、場合によっては実行サポートやコンサルティングを依頼したりすることを検討してもよいでしょう。

株式会社シナプスでは、これまで挙げたインハウスSEOの成功ポイントすべてのフェーズでSEO内製化の支援を行っています。まずはお気軽にご相談ください。

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インハウスSEOの実践方法

インハウスSEOを実践していく際、どのような手順で進めるのがよいのでしょうか?3ステップに分けて解説します。

ステップ1.インハウスSEOの支援会社(研修・コンサルティング会社)を選ぶ

SEOを内製化するには、まずはインハウスSEO支援会社に協力してもらうのがスムーズです。選ぶ際には、SEOのコンサルティングだけでなく、同時に研修を通して社内のSEO担当者を育成することもできる支援会社に依頼できると最適です。株式会社シナプスでは、SEOのコンサルティングや研修を通して、インハウスSEOの実行サポートを行っています。まずはお気軽にご相談ください。

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ステップ2.SEOの基礎知識を身につけつつ、提案内容を深く理解する

インハウスSEOの支援会社が決まったら、研修をとおして基礎知識を身につけながら、コンサルティングで提示された提案をしっかり理解します。こうしてSEO担当者が、現場の業務について具体的にイメージが持てるようにしていきます。いつ、何を、どうすればいいのか、その結果をどう確認するのか、確認した結果から次に何をすればいいか、などを自分で考えられるようにサポートしてもらいます。

ステップ3.社内担当者だけでSEO業務を実行しつつ、成果をモニタリング

現場のSEO担当者が自分で考えながら業務をイメージできるようになったら、社内担当者だけで実践しつつ、成果をモニタリングします。だいたいPDCAサイクルを1周分回せるようになったら、自走できるようになります。あとは必要に応じてSEOの上級者向けの研修を受講しながら、自分で考えられる施策のレベルを上げていくことで、成果を最大化していくことができるようになります。

SEOの半インハウス化や外注との比較

最初からインハウスSEOを目指すことができない場合は、外部の専門業者への外注から始めたり、半インハウス化を目指すことから始めたりする方法もあります。それぞれのメリット・デメリットを確認しておきましょう。

SEO外注のメリット・デメリット

社内にSEO担当者を確保できず、ナレッジもない場合、当面はSEOを外注することになります。外注する場合のメリットとデメリットを確認しておきましょう。

外注のメリット

  • 社内でのSEO人材確保が不要
  • 豊富な実績に基づいた再現性の高いSEO対策が可能
  • 最新情報に対応したSEOが可能

外注のデメリット

  • 外注費がかかる
  • 対応スピードが遅くなる傾向がある
  • SEO業者・担当者によってスキルの差が大きい傾向がある

外注のメリット・デメリットは、ちょうどインハウスSEOのメリット・デメリットと概ね逆の関係になります。

SEO半インハウス化のメリット・注意点

半インハウスSEOは、SEO業務を社内で対応する範囲と、外部の業者に依頼する範囲に分けて遂行する手法です。安定して稼働できれば半インハウスの状態で継続することもできます。また、半インハウス化からはじめて、徐々に完全なインハウスSEOに移行していく手法もあります。

半インハウスSEOでは、基本的にはデメリットはありません。ただし、注意すべきポイントがあります。メリットと注意点を確認しておきましょう。

半インハウスSEOのメリット

  • 必要な部分だけ外注できる
  • 外注費を比較的抑えられる
  • 対応スピードがさほど遅くならない

半インハウスSEOの注意点

  • 内製部分/外注部分を厳密に切り分ける
  • 外注と同じレベルで自社の業界・商材を理解してもらえるようにする
  • 両社の対応範囲と責任範囲を明確にし、外注先の業者に任せきりにしない

まとめ:インハウスSEOのポイント

EO内製化を進めるためには、外注する場合と比較してメリット・デメリットを確認しておくことが重要です。また、いきなり完璧なインハウスSEOを目指さなくても、半インハウス化から始める方法もあるので、選択肢のひとつとして検討してもいいでしょう。

社内のリソースに応じてさまざまな手法があるため、まずはインハウスSEOの支援会社に相談し、研修やコンサルティングを通してSEOの基礎知識を身につけておくと、その後がスムーズに進みやすくなります。内製化の準備を進めつつも、仮に「SEOは外注で実施することになった」という場合でも、社内でSEOの基礎知識を共有していることはムダになりません。外注先の業者を選ぶ際にも、SEOの知識がないと良い業者か否かの判断ができないからです。

株式会社シナプスでは、インハウスSEO支援を行っています。ビジネスの課題やリソース状況に合わせてカスタマイズした研修や、SEOコンサルティングを提供しています。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事のライター


橋向隆広(株式会社アガルート マーケティング統括)

デジタル領域を中心にマーケティング業務16年目。広告代理店と事業会社の両面で、スタートアップから中小企業、ナショナルクライアント、多国籍企業まで幅広くマーケティング業務を行う。多角的なマーケティング手法の中から、ビジネスモデルや事業規模、予算規模に応じて適切な打ち手を組み合わせて考案し、実行までできることが強み。

<略歴>
2008年 株式会社アイレップ入社、SEOグループディレクター
2012年 株式会社CyberZ(サイバーエージェントグループ)入社、運用型広告コンサルタント、動画サービス新規事業立ち上げ参画
2015年 グループエム・ジャパン株式会社(WPPグループ)入社、シニアプランナー、ソーシャルメディアリード
2018年~ 事業会社2社でマーケティング責任者
2022年 株式会社アガルート入社


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