社員研修を内製化している企業の課題
シナプスが実施した人材育成担当者へのアンケートでは、社内研修・教育の実施方法として相当数の企業が内製化をしているものの、研修コンテンツの作成や社内講師の育成に課題感があるという結果が得られています。(詳細は「研修企画担当者のホンネ」ページをご覧ください。)
研修コンテンツの設計・作成や効果的な指導は、対象とするコンテンツの知識だけでなく、人間の学習プロセスや集団心理などの知識、演者としてのプレゼンテクニックなど、多岐にわたるスキルを必要とします。それだけに我流で身につけることは難しいのですが、教育系の大学等を除くと、講師育成のプログラムはあまりみあたらず、仕方なく独力でがんばらざるを得ないという状況が冒頭のアンケート結果につながっていると考えられます。
シナプスでは、25年にわたる企業研修事業で受講者と向き合ってきた経験をもとに、マーケティング、ファシリテーション、プレゼンテーションなどのエッセンスを取り入れたオリジナルの研修講師育成プログラムを開発いたしました。
企業内で研修講師をされている方のみならず、人材育成の企画やプログラム設計・運用に携わっておられる方のスキルアップを目的としています。
研修講師育成プログラムの概要
このプログラムでは、一人ひとりが研修の設計からデリバリまで、一連のプロセスに取り組んで頂きます。受講者には開始前に取り扱いたい研修テーマを決めて頂きます。プログラムは、レクチャーによるポイント解説→演習を繰り返しで進行します。終了時にテーマに関するコンテンツが完成し、デリバリのイメージを明確に描ける状態になっていることを目指します。
対象
- 社内研修の設計、および講師を担っている方
- 今後担う予定の方、意欲のある方
- 研修の設計から運営まで体系的に学びたい方
ゴール
- 社内研修の設計、および講師としての体系的なスキル体得を目指す
- 受講生とのインタラクション、クラスディスカッションを活性化できるようになる
- 目的に応じた演習を設計できるようになる
プログラム構成
社内講師育成プログラムは、研修設計、レクチャーデリバリ、演習設計とグループワーク運用、全体ディスカッション運営、総括・ロールプレイング、の5つのユニットから構成されます。
Unit1 | 研修設計 | 研修のコンセプト立案
プログラムコンテンツの設計
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Unit2 | レクチャー・デリバリ | 研修セッションのオープニング
レクチャーのテクニック
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Unit3 | 演習設計とグループワーク運用 | 演習の取り入れ方、演習の設計
グループワークの運用(講師の役割、留意点)
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Unit4 | 全体ディスカッション運営 | 全体ディスカッションの流れ
ディスカッション活性化のテクニック
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Unit5 | 総括・ロールプレイング | 総合演習:模擬セッション(ロールプレイング)
講評、フィードバック、ディスカッション
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研修講師育成プログラムで学べること
Unit1:研修設計
研修設計は、誰のどんなスキルをどのような状態にしたいのか、コンセプトを決めるところから始まります。コンセプトがかたまったら、コンテンツ設計に取りかかります。コンテンツ設計は、構成モジュール設計とラーニングポイント設計の2つのステップで行います。次に、それらの要素をどの順番で組み合わせると学習効果が高まるか、プログラム構成を考えます。このようにしてプログラムの骨子が決まったら、講義資料の作成にとりかかります。
Unit2:レクチャー・デリバリ
コンテンツが完成したら、クラス運営の準備を進めます。
昨今、非同期型の映像コンテンツは時間も場所も制約がないため、eラーニングを人材育成の手段として提供している企業も増えてきました。そういう状況にあって、対面・同期型の企業研修で、講師が単にシナリオ通りに一方的に講義をするのでは、仕事で忙しい中、時間を割いた受講生の意欲も期待も損なってしまいます。つまり、対面・同期型のクラスにあっては、オンライン/オンサイトに関わらず、受講生が、今、ここにいる意味があると感じられるときを提供する必要が高まっているのです。
シナプスでは、研修もコミュニケーションのひとつであり、講師は共創のための場を作り出すファシリテーターと考えてクラスを設計しています。Unit2では、そのような場づくり・クラス運営に必要とされる、事前準備、オープニングの位置づけ、レクチャーテクニックや問いかけの仕方を学んで頂けます。
Unit3:演習設計とグループワーク運用
シナプスの企業研修では、レクチャー主体のプログラムであっても演習を多用します。演習は、レクチャーで学んだ知識を使って分析したり、思考を深めたり、議論をするといった実務活用に向けた訓練の機会です。また、インプットしたものをアウトすることにより、知識の定着も期待できます。
また、演習時にどのような形態でワークするかも、受講者の集中力や緊張感の維持に重要です。一般に成人の集中力は90分が限度といわれますが、企業内研修は1回あたり3~7時間の単位で行われることが多いため、受講者が研修に飽きてしまわないよう、様々な工夫が必要とされます。
Unit3では、演習設計・開発とグループワークの運用について重要ポイントを理解頂き、ご自身のプログラムでどのような演習を組めばよいのか、テーマとアウトプットを考え、意見交換をします。
Unit4:全体ディスカッション
同期型研修の最大の利点は、受講者も含めた参加者同士のコミュニケーションが行われることにあります。講師・受講生間のコミュニケーションは、受講者の能動的な関わりを促進し、結果として学習効果を高めます。
上述に加えて、研修でのディスカッションは、他者の意見・考え方に学び、多様な意見・主観を集合させて最適解を見出す訓練にもなります。ビジネスには正解がない分、共創し集合知をいかに生み出すかが重要です。そうした観点から、シナプスの研修プログラムでは必ずディスカッションの時間を設けています。
研修講師は、知の伝達以外に、学びの場づくりという重要な役割が課せられています。Unit4では、その役割を担うために必要となる、ディスカッションプロセスや受講者心理の理解、ディスカッションリードのポイントを学びます。
Unit5:総括・ロールプレイング
レクチャーと演習でラーニングポイント(知識や思考プロセス)について理解を促した後に必ず総括を行います。ラップアップと呼んでいますが、この総括のプロセスは知識の定着やハラ落ちを生み出します。Unit5では、ラップアップの仕方について学びます。
Unit1~5のプロセスを経ると、一通りコンテンツが完成し、受講生はそのコンテンツをデリバリできる状態になっています。このプログラムの最終ユニットでは、研修の一部を疑似セッションとして実施して頂きます。デリバリ経験を積み、フィードバックを受けることにより、コンテンツとデリバリスキルのブラッシュアップが期待できます。
研修講師育成プログラム 担当講師
- 家弓正彦(シナプス 代表取締役)