テンプスタッフ株式会社
取締役執行役員
高倉 敏之さん
シナプスのクライアントである大手総合人材サービス会社「テンプスタッフ株式会社(以下、テンプスタッフ)」では、人材派遣事業を主に行っています。人材派遣とは、テンプスタッフに登録した派遣社員をクライアント企業とマッチング、クライアント企業の指揮命令のもと派遣社員が業務をおこなうサービスです。
テンプスタッフでは、2000 年ごろから15 年に渡り、シナプスの主催する公開型セミナー「マーケティングカレッジ」を導入しています。今回はテンプスタッフの取締役執行役員である高倉 敏之さんに、シナプスのマーケティング研修を取り入れた動機や効果をお伺いしました。
あらたな営業スタイルへの挑戦
-「マーケティングカレッジ」に参加される前、御社にはどのような課題がありましたか。
高倉)かねてから、営業改革をしたい、という思いがありました。戦略的なアプローチがあまりできておらず、さらなる営業力強化のためには戦略的な概念を学ぶことが必要だと考えていました。そこで、マーケティングの基礎概念から応用までを習得することが有効なのではないか、と思い至りました。
「営業活動」には、顧客獲得のために、1日の電話件数や訪問件数を決め行動するというやり方があります。このような、絶対的な行動量も大事ですが、そうは言っても人材資源には限りがありますよね。また、このやり方が効果的かというと、残念ながら結果につながらない行動も多いのが現状です。とくに弊社のような人材派遣事業は、競争が激しい業界です。そのなかで弊社を選んでいただくには、人材資源をどこに集中するのか、どんな打ち手が効果的なのかなどを、よりロジカルな視点で戦略的に考える必要があります。
そもそも戦略的な視点がないと、お客様のニーズを予測しながら、営業方法を最適化することができません。たとえば、それぞれの営業に担当地域が割り振られ、新人の営業担当が「担当地域だから」という理由だけで、企業の状況を問わず営業します。どのお客様にもニーズが潜んでいるので、頑張れば成果につながる可能性はあります。しかし実際には、お客様によって求める人材のニーズも違えば、環境も違うんです。お客さまごとにどのような営業活動が有効なのかを知っておかないと、受注にはつながりません。
-そのような課題を解決する研修会社として、なぜシナプスを選ばれたのでしょ
うか。
高倉)私がシナプスの代表である家弓先生と面識があったことがきっかけです。また、家弓先生は弊社の社員やビジネスモデルを深く理解し、弊社の特徴をよく掴んでくださっていたので、それらの特徴や受講者のレベルに合わせた研修をしてくださるのでは、と考えたからです。通り一辺倒の教科書のような研修では、受講者が具体的な解決策をイメージしづらく、効果が現れません。しかし、シナプスの研修は弊社向けにカスタマイズされており、そこに価値を感じたのです。
実際に私も研修を受講し、その価値を体感しています。また、数年前、弊社で新しい事業部を立ち上げるにあたり、事業戦略について相談させて頂いた際も、弊社や社員の特徴や傾向をよくとらえた、参考になるアドバイスをしてくださったんです。弊社への理解の深さを改めて感じました。
一方で、シナプスの研修は講座によって講師が違います。家弓先生のことは
よく知っていますが、他の先生方とはやりとりがなかったので、正直なところ、「講師によって、教えるスキルが違うのではないか」と考えていました。しかし実際には、それぞれの先生のレベルが高く、あらゆる先生方の考えを吸収することで、物事を多角的に考える機会をもらいました。
シナプスの研修は、あらゆる視点を吸収できる場所
-御社では、どのような方が「マーケティングカレッジ」を受講されていますか。
高倉)弊社では、新入社員が対象、などのルールは設けておらず、社員の自主性を重視しています。社員自らが希望し、上司が必要だと判断すれば、受講することができます。3 ヶ月単位の研修で、15 人前後が継続的に参加しています。これまでシナプスに依頼した15 年ほどで、単発の研修や家弓先生に全体講義をしてもらったことを含めると、もう何百人も受講しているのではないでしょうか。
弊社では、社員がマーケティングカレッジに参加する場合、受講費用の半額を会社が負担しています。全額会社負担も検討しましたが、やはり自らお金と時間を使い、自分を高めようとする意志をもつことで研修にも身が入り、効果につながるだろう、と考えたからです。
-向上心がある人が集まれば、研修の中身も濃くなりそうですね。
高倉)そうなんですよ。しかもシナプスの研修は公開型で、さまざまな業界や
企業の方が参加されるので、向上心のある異業種の方々と交流できます。
私の部署から研修に参加した社員は、研修が終わったあとも引き続き異業種の方々と交流しています。そして、様々な社会問題などに対し、普段の生活のなかでも意見交換をしているみたいですね。シナプスは、そのような多様性に触れる機会ともなっています。
優れた人材を育てるために、研修を継続したい
-研修をとおして、御社が持っていた課題はどのように解決されていますか。
高倉)個々の営業がしっかりと戦略を立てることを学んだので、より効果的な営業スタイルをとれるようになりました。たとえば、資源やリスクを管理し、営業の効果を最大化する場合、各自が研修で学んだ「学習の基礎概念」が役立っています。「営業するとき、どのような資源や競争環境があるのか」という問いに対して、社員全員が基礎概念を深く理解しているため、活発な議論につながっています。これは、経営戦略にも影響しているんです。
さらには研修を受講した社員が、マーケティング用語を理解できるようになりました。営業活動の中で、営業部や人事部のマネジメントクラスの方とお話する際、戦略論の話題になることも珍しくはありません。そのとき、マーケティング用語含めた基礎知識があることで効果的な議論を生み、信頼関係の構築や成果につながりやすくなります。しかも研修では、理解されやすい伝え方も学ぶので、研修を受講した社員の多くは、ロジカルでわかりやすい説明ができますね。
-能力の高い個人が集まれば、それだけ組織が強くなりそうです。
高倉)そうなんです。100 年、200 年と続く企業にしていくためには、市場価値の高い人材を育成することが極めて重要です。そのためにも、社員が研修によってビジネスやマーケティングの基礎を学び、それをもとに時代に合わせた戦略を考えることが求められます。
研修で出会った異業種の方々や講師に質問したり、互いに議論できたりするシナプスのようなインタラクティブな場があれば、個人の能力は飛躍的に高まります。社員が能力を高め、その能力を最大限発揮し、次の世代にもつなげていけるように、これからも研修への参加を呼びかけていきたいです。