自社課題研修経験豊富な家弓講師

シナプスが企業研修でこだわるのは「実践で使えること」です。実践に使える自社課題を使ったワークショッププログラムについて代表家弓にインタビューしました。

【インタビュアー】海老原一司(えびはら ひとし) シナプスチーフコンサルタント


1.研修課題の基本はケースメソッド 


インタビュアー

研修ではレクチャーで習った理論を実際に使いす上で、「ケースメソッ
ド」がよく使われています。どうしてケースメソッドが使われるのでしょうか? ケースメソッドの良さは何でしょう?


家弓正彦

どのような領域でもスキルアップのためには基礎知識が必要です。さらに成果につながるスキルとして身に着けるためには、現場実務で実際にトライアルすることが不可欠です。

しかし、なかなか現場では失敗は許されません。ケースを用いた「疑似体験」をしてもらうことが効果的です。
ケースメソッドとは、実際の企業や製品を取り上げて、ケース文として提供し、それをもとに分析~意思決定をしてもらう疑似体験学習です。

受講生には、実際に意思決定者になりきってもらい、自ら分析を行い、事業に関わる戦略や施策決定に取り組んでもらいます。 この実務を想定したプロセス体験が大きな学習効果をもたらすのです。

2.ケースメソッドと自社課題ワークショップ 


インタビュアー

シナプスでは、ケースメソッドも利用していますが、ケースメソッドの代わりに、演習題材として自社課題を使った実践課題でのワークショップを多く開催しています。
自社課題ワークショップとケースメソッドの違いを教えてください。


家弓正彦

これまでのMBA教育では、他社の事例をケーステーマとして取り組んできましたが、企業研修の場合は、自社課題を題材として取り上げることが増えています。

他社の事例で学ぶことは、客観的に分析、意思決定を行うという点で学びにつながります。
しかし、現実のビジネスで成果を上げることを目的とするなら、実際に担当している事業を自社課題研修テーマとした方がより実践的なスキルアップにつながります。

人材育成の流れとしては、まず基礎をインプットする研修を行い、それを一般企業のケースメソッドで理解を深める、最後に自社課題でより実践的なスキルに磨き上げるという一連のプログラムで組み立てるととても効果的だと思います。


インタビュアー

自社課題では具体的にはどのような演習をおこなっているでしょうか?


家弓正彦

自社課題には様々なパターンがありますが、「ニーズヒアリング研修」をご紹介しましょう。
プログラムは、2~6回程度のセッションで構成されます。

まず、初日のインプットとしては、「ニーズの概念」「仮説構築スキル」「ヒアリング技法」などをレクチャーします。
そして、実際に担当している顧客のなかから、ヒアリング対象を決めてもらい、その顧客が抱えているニーズ仮説を検討してもらっています。

ここでは、一人ずつの仮説を全員で議論し、改善に取り組みます。
コンサルタントもそこに参加して、指導を加えていきます。
その結果、磨かれた仮説をもって、次回セッションまでに実際にお客様に会い、ヒアリングを行い、そのレポートを作成してもらうのです。

リアリティあるお客様の声には説得力があります。
研修とは言え、毎回様々な発見があります。まさに現場で使えるスキルアップとなるはずです。

3.自社課題は実践的スキル向上に加えビジネス成果につながる


インタビュアー

シナプスでは可能なら、自社課題ワークショップを行うことをお
すすめしています。
自社課題題材として使うことと、ケースメソッドの演習では何が違うのでしょうか?


家弓正彦

自社課題の最大の特徴は、コンサルタントの指導を受けながら、メンバー自らが現実のビジネスの課題解決を図る体験を行える点にあります。

つまり、一般的なケースメソッドとは異なり、現実のビジネスを対象としているだけに、習得できるスキルはより実践的なものとなります。

習得したスキルをどのような場面で活用できるのか?
実務では具体的にどのように活用すればよいのか?
といったイメージを、しっかりつかんでいただけることと思います。

さらに、実際に直面している課題解決に取り組むことになるので、人材育成を行いながら、同時にビジネスの成果を出すことができます。
しかも、コンサルタントの客観的指導を受けているので、今までにはない新しいアプローチで成果につながるかもしれません。


インタビュアー

自社課題で実践的な演習を行うと、受講生にとってどんなメリットがあり
ますか?
また、自社課題を行う場合、特定の営業部など同一の組織で受講することが多いと思います。そのときに、組織としてのメリットがあれば教えてください。


家弓正彦

「A社」様の事例をお話しします。
A社では、営業部門向けにソリューション提案営業ワークショップをご提供しています。

受講生は、担当部署ごとにグループで参加してもらっています。
各グループには、実際に今後攻略したいお客様を決めてもらいます。
そのお客様への提案を作るために、その業界分析、ニーズ分析を行ってもらい、最終的には、具体的な提案を作成します。

受講生たちは、チームワークとコンサルタントの指導を通じて、今までにはなかった新たな提案を作り上げる実践的体験ができます。
それは一人ひとりの貴重な学びとなり、自信にもつながっているはずです。

そして、このプログラムを通じて作成された業界分析レポートは、組織としてのナレッジであり、随時そのレポートは実務のなかで改善が加わり、業界攻略の基礎資料として活用されています。

4.自社課題ワークショップの難しさ


インタビュアー

自社課題ワークショップは、メリットがありますが、実際に企業研修で行われることは少ないように思います。
どうして、自社課題ワークショップが行われることが少ないのでしょうか?


家弓正彦

まず、プログラムの設計がとても難しいと思います。
現状の事業が抱える課題を把握し、受講生にとって、そして現実のビジネスにおいて効果的なテーマを判断するのは、経験豊かなコンサルタントの役割です。

また、講師にもとても高いスキルが求められます。
様々な業界やビジネスに対する幅広い見識、セッション中において瞬時に論理を組み立てる思考力、そして、受講生にリアルにアドバイスを行う指導力が求められています。

これらを満たす体制でワークショップは運営していかなければならないのです。


インタビュアー

自社課題のプログラム設計が難しいことはわかりましした。その中で、どうしてシナプスでは自社課題ワークショップが開催できるのでしょうか?


家弓正彦

シナプスはもともと経営コンサルティングファームとして設立しています。
従って、経営に対する提言、指導を設立以来20年にわたり取り組んできました。

そこで働くコンサルタントも精鋭組織として構築してきています。

皆がこれまで様々な領域でプロフェッショナル集団として活躍してきました。
また、全員がコンサルタント業務に取り組み、同時に全員が講師を担うことをミッションとしています。

そのような組織だからこそ、戦略的に自社課題ワークショップを目玉としてご提供してきたのです。

5.自社課題ワークショップで印象に残ったお客様


インタビュアー

実際の自社課題ワークショップをやってみての感想、講師として難しかった点、うれしかった点、手応え、研修中に印象に残ったことなどあれば記載ください。


家弓正彦

【アグレックス様】営業実践研修
アグレックス様は、もう4年のおつきあいになります。
最初はマーケティングの基礎研修から始まりました。
当時は、社員の皆さんはマーケティングには不慣れで、とても戸惑われていたことを思い出します。
しかし、毎年研修を継続され、さらに徐々に自社課題のウェイトを高め、着実に組織的なマーケティング力を強化されてきました。

現在はマネジャーの方を中心に、独力でマーケティング分析をこなせる組織に成長しています。

このように戦略的に、中長期的な視点から組織づくりに取り組まれ、
そのお手伝いを継続的に担わせていただいてきたことに心から感謝します。


家弓正彦

【ニッセイ情報テクノロジー様】ニーズヒアリング研修(実践編)
このお客様では受講生12名に対して、講師2名が丸一日べったり張り付くという、受講生が、一瞬も気を抜けないような少人数形式で、実際のお客様を対象にニーズ仮説を繰り返し改善しました。いわば、「ニーズヒアリング100本ノック」です。

研修終了時に、受講生の一人の方から「来週やるべきことが明確になった」と嬉しそうに語ってくれました。

講師として、このように受講生の方が自ら成長を実感できた瞬間に立ち会えたのは何にも代えがたい喜びです。

そして、今はその後の成果報告を待っているところです。
受講生の成長の歓びとともに、現場の実務成果に貢献できれば最高です。


家弓正彦

【日本特殊陶業様】プレゼンテーション研修実践編
実際によく行っているプレゼンを抜本的に見直すワークショップを開催しました。

プレゼンシナリオの立て方、わかりやすい資料の作り方をレクチャーしたうえで、全グループにプレゼンを行ってもらい、全員でプレゼンの改善に取り組みました。

プレゼンシナリオは抜本的に組み立てなおし、事前に準備してもらった資料も全て作り直しとなりました。

しかし、その後出来上がった資料をみると、ストーリー、ドキュメントともに、とてもシンプルでわかりやすく変貌を遂げていました。

ここまで歴然と効果が出ると嬉しくなります。
受講生の皆さんには「よくぞ頑張ってくれました!」と声をかけて差し上げたい気持ちです。

6.研修を通じて新たな価値を創造することへのこだわり


インタビュアー

確かに、自社課題の研修で、受講生の成果に繋がると我々コンサルタントとしても、非常に励みになりますね。やった甲斐があったという気持ちになります。

さて、最後に、自社課題ワークショップに関する、こだわり、想いなどがあれば教えてください。


家弓正彦

コンサルタントや講師は、客観的に、かつ論理的に受講生のアウトプットに指導を加え、より良いものに磨き上げていきます。

しかし、受講生の方にもビジネスに対する想い入れがあります。
また、やりたくてもできない現実の制約もあるかもしれません。
リアルのビジネスでは理屈だけでは割り切れないものがあるのです。

しかし、受講生の想いや制約に引きずられていては、講師として、新たな視点や価値を提供することはできません。

自社課題ワークショップでも、講師と受講生の間で十分にコミュニケーションを深め、相互理解を深めながら、納得感をもって新たな成果を創出していくことが重要だと思っています。


インタビュアー

ありがとうございました。私も最近たくさんの自社課題ワークショップに関わらせていただいていますが、新たな成果を出すべくお客様を積極的にサポートしていきたいと思います。


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