株式会社アグレックス 参与 営業推進統括部長 池谷 昌一さん

株式会社アグレックスは、保険会社や金融機関を中心とした様々な企業のお客様に対して業務のアウトソーシング(BPO:ビジネス・プロセス・アウトソーシング)を提供しています。

BPOビジネスは、一般的な法人営業と比べ1件当たりの取引金額が大きく、長期的な提案・顧客アプローチが必要となってきます。

そこで、顧客と顧客業界への深い理解と、その顧客に対する仮説検証型のアプローチが必要と感じたアグレックスでは、シナプスに研修を依頼。自社課題に基づいた実践的な営業研修を開催するに至りました。

今回は同社の営業推進統括部長である池谷 昌一さんに、自社課題型の実践的営業研修を開催した動機や、その導入効果などをお伺いしました。


マーケティング基本スキルを付けることから営業研修をスタート


BPO営業には、お客様ごとに異なる業務課題を引き出していく知識・スキルが必要

インタビュアー) 御社のお客様ニーズには、どのような特徴がありますか。

池谷) お客様の本業のうち、シーズンなどによってピーク性のある業務や定型的な事務処理作業などを主に受託しているのが弊社の主要なビジネスです。保険や金融の仕事ではわずかなミスも許されませんから、品質に対しては高いこだわりがあります。

インタビュアー) そのようなお客様に対して営業部門に求められていることはなんでしょうか。

池谷) 保険業界全体や金融業界全体というのではなく、お客様ごとにそれぞれ異なる業務課題を引き出していくことです。そのため業界ごとの知識だけでなく、お客様ごとに異なる固有の知識を、ある程度持っていないと難しいという特徴があります。

問題解決型営業を育てるためマーケティング基本知識と営業スキルを浸透させる

インタビュアー) 営業部門に向けた研修を行うようになったきっかけを教えてください。


池谷) もともと弊社では部門別研修というのはほとんどやっていませんでした。それまでの営業部員は「案件に対してどう対応するか」ということは先輩からOJTで教わっているのがほとんどでした。

そのため当部門には、マーケティングのこと理解していない営業部員が多く在籍していたのです。

そこで、その営業部員を「問題解決型の営業」へと育てていかなければいけないと考え、シナプスに研修の開催を依頼。営業部門に在籍している全員(約40名)を対象に、2013年度から2014年度にかけてマーケティングの基礎研修を行いました。

そこでは、マーケティングの基本的なフレームワーク(「3C分析」や「マーケティングミックス(4P)」や「ニーズヒアリング研修」から始めています。

最終的な目標は、営業部員全員が「ソリューション提案力」と「問題解決スキル」を身に付け、仮説検証型営業ができるようになることです。しかしそれは一朝一夕で身に付くものではありません。そこでまず、「基本的な営業スキルを聞いたことはある」という状態に持っていこうと考えました。その結果、2014年度が終わるまでに、マーケティングの基礎知識や営業スキルは浸透させることができたと思っています。


2015年度からは“業務”として研修を行う実践的な営業研修を実施


営業会議資料をタダの研修ではなく、実践的な“業務”として分析を実施

インタビュアー) 2015年度以降はどのような研修を行われたのでしょうか。

池谷) 2015年度から実践的な営業研修へと移行していきました。

座学では飽きてしまいますし、単なる研修だとその場で終わってしまう恐れがあります。同時に、研修に対するモチベーションも落ちてしまいがちです。そこで“研修”というよりも“業務”として研修を行っていきました。

業務であれば同じミスを二回も三回もできませんから、営業部員も真剣になります。また、シナプスに対しては、「営業シナリオ会議で使っている資料をベースに、現在、弊社が実際に抱えている課題に基づいた研修をしてください」とお願いしました。

具体的には、実際に営業攻略したいお客様を研修のサンプルに挙げて、「このお客様を営業攻略するためには、どんな分析をすればいいのか」「このお客様の本当の考え方はどこにあるのか」といった仮説を立てました。そして、その内容をヒアリングしていき、提案するための施策として取りまとめる、といった仮説検証型のアプローチをしていったのです。

インタビュアー)次に、今年(2016年度)の営業研修の特徴を教えてください。

池谷) 研修の深度をより深めるために、上半期と下半期にメンバーを分け、対象も業種ごとに絞って営業実践研修を行っています。

具体的には、上半期に弊社の売上げの半分を占める保険業界を対象に研修を実施しました。そして下半期には、金融業界をはじめとした、産業系やアパレル系、不動産系など、その他の業界を対象に研修を実施しています。

営業会議資料をタダの研修ではなく、実践的な“業務”として分析を実施

インタビュアー) 実践的な営業研修ではどのような成果を得られましたか。

池谷) いわゆる「研修のための研修」にはならずに、実践業務でやっていることの延長線上で出来たことが良かったですね。

そのために以前と比較すると、営業部員同士の質問水準が高くなってきていると感じています。

今まで「事実だけを上げていたのが各チームが独自仮説を出す」ようになったり、「今の意見はニーズではなくてソリューションではないのか?」と、皆でしっかりと論議ができるようになってきており、全体がレベルアップしてきているのではないでしょうか。

とりわけ保険業界向けの研修については、旬のお客様をターゲットに業界シナリオをしっかり作成していただいたので効果がありましたね。具体的な数値としてはまだ上がってきていませんが、それは来年度以降に期待しています。

インタビュアー) 営業シナリオ会議でも変化はありましたか。

池谷) 業界シナリオが充実してきたので良い方向へと変化はあります。以前は個社の積み重ねでしたが、大きな括りで業界全体を見られるようになり、最近の業界動向をしっかり捉えられるようになっています。

ただ私から見ると、きちっとした仮説を踏まえた十分なシナリオにまでには到達していません。まだ直近の案件の積み重ねでしかないので、たとえば、3年先を見据えながら仮説を立て、「こういうことをやりたい、そのためには前段がこうなっていないといけない」という組み立てのレベルにまで到達してほしいと思っています。

そのためには、これからも研修で仮説検証型のアプローチを少しずつ補いながらやっていくしかないでしょう。


シナプスにはコンサルと研修の中間的な踏み込んだ提案を期待している


業界整理され仮説検証型営業が徐々に根付き始めている


インタビュアー) 研修を受講された方からはどのような声があがっていますか。


池谷) 自分たちが思い込みだけで抱えていた課題を少しずつ整理しながら研修を進めていただいていますから、「悩んでいたことがすっきりした」という意見は多く出ています。

スタートラインでは、「保険業界の研修は去年で終わったのでは?」という疑問の声もありましたが、始めてみてからは評判も良いですね。


第三者視点からより踏み込んだ研修とコンサルティングの中間的な提案をしてほしい


インタビュアー) 今後、シナプスの研修に対して期待することはなんでしょう。

池谷) シナプスに期待していたことは、単なる研修ではありません。研修とコンサルティングの中間的なところを期待していました。

その点では、シナプスと弊社の思惑は一致していると思っています。その上で、さらに弊社としての希望を言いますと、「私たちの弱点に対してもっと明確に踏み込んでください」ということです。

評価というのは第三者が行ったほうが的確ですし、「今は○○のレベルなので、もう一度これをやらなければまずい」だとか、「異なる議題で仮説を検証するために、○○側から攻めたらどうですか」などといった提案をしていただけることを期待しています。



アグレックス様で実施した企業研修プログラム


営業力強化研修

営業力強化研修は、法人営業力を組織的に強化する研修です。マーケティング基本プロセスにそって、実際の自社顧客を対象にワークショップ形式で分析し、講師兼コンサルタントと顧客攻略方針を検討します。

研修プログラム詳細は『「営業力強化研修」-コンサル講師と顧客分析ワークショップ』をご覧ください。


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