新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される今、新規事業担当者が考えるべきこと

シナプス後藤です。

※本エントリーには4/1時点で著者が考えるCOVID-19に関するネタが含まれていますが、COVID-19に関する情報は厚生労働省など公的機関の情報をご参照ください。

2020年度が始まりました。新型コロナウイルス(COVID-19)の影響によって、各社が入社式をオンラインに切り替えるなど、大きな影響が出ています。

経済的なマイナス影響が出始めていますので、様々な産業で急速なキャッシュフローの悪化、その結果として新規事業の活動に対する制限がかかるかもしれません。 さて、このような状況下で新規事業担当者は何を考えるべきなのでしょうか?

感染拡大を防ぐ

まずは当たり前ですが、今の日本においては、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を抑えるために、3密(密集、密閉、密接)を避ける、外出をしないなどの対応は必要です。医療や生活必需品を取り扱う企業の場合はどうしても事業活動の継続が望まれますが、感染拡大を防ぐ重要な局面なのは間違いないでしょう。
新型コロナウイルスへの対応は時々刻々状況が変化します。3月中旬くらいまでは、「経済を回しつつ感染を抑える」というモードでしたが、4/1現在は、「経済は犠牲にしてでも感染拡大を防ぐ」モードに入っています。(専門家会議などの発表から想像するとそれくらいまずい、という状況のようです)
ですので、厚生労働省等国や公的機関の発表を見ながら常に自分自身の情報をアップデートしつつ、今やるべき行動(あるいはやってはならない行動)を守りましょう。

新規事業活動を止めない

新規事業の場合、活動を止めない、というのは極めて重要なテーマです。特に検討段階の新規事業開発は、「やらなくても(短期的には)誰も困らない」ことであり、逆にやっていることでコストが出て行ったり、既存事業に何らかの影響を与えることもありネガティブな意見が出やすいです。したがって、一度活動を止めてしまうと再起動がすごく難しくなってきます。 新規事業はもともと中長期的な取り組みで、すぐに成果を求めても仕方がありません。だから、あきらめずに粛々と続けるというスタンスが重要です。

今回のケースに、印象として近いのは、3.11の東日本大地震に端を発したビジネスの影響でしょう。当時はまず東北方面を中心として様々な悲劇な出来事が起こり、最重要課題として被災地復興が挙げられていました。 現在の新型コロナウイルスとの状況の違いは、震災への対応では「事業としての最優先事項」が発生していることが多かった、ということです。例えば、東北エリアの事業を復活させる、分断されたバリューチェーンを早期に組み立てなおす、等でした。 ところが、今は(一部のマスクを製造する、というようなことを除くと)何もするな、というのがある意味での社会の要請であって、何かとってかわるものがないのです。だからこそ、将来の事業の柱を目指して検討を続けて頂きたいところです。

After コロナを考える

新規事業にとって重要なのは、新たに市場が拡大することです。新型コロナウイルスのような社会に大きな影響を与える出来事は、それ以前とそれ以後でマクロ環境が大きく変化する可能性が高いです。

例えば、今では当たり前になったクラウドファンディングですが、日本で急拡大したのは、東日本大地震の後だと言われています。それまでは儲けることが当たり前だったのが、「寄付」や「社会にとって価値のある事」が重要視されるようになったわけです。

では、新型コロナウイルスによる影響にはどのようなものが考えられるでしょうか? それを考えるためには、マクロ環境分析のフレームワーク、PEST分析が活用できます。

例えば、政治的要素Political関連では、現時点では、政治はウイルスの対応に追われていますが、少し落ち着いてくると「経済をいかに回復させるか」に論点が移ります。すでに経済対策として20兆円程の国の財政支出を検討していますし、2020東京オリンピックも一年後ろ倒しにすることを決定しました。これらから言えるのは、例えば、経済対策入る領域は急成長する可能性がある、例えば今なら外食や宿泊業でしょうか。また、スポーツ関連分野も改めて期待が出来ます。 また社会的要素Socialという点ではもともと「働き方改革」で在宅勤務やWeb会議などが進められていましたが、これを機に一気に進む可能性があります。多くの方が在宅勤務を選択できるようになる、実施できるようになると、人の動きも需要も変わります。また、学校が休校になった影響で、オンライン型の学習サービス各社が無料配信をはじめ、多くの学生が利用体験をしました。おそらく、afterコロナではこれらの学習方法が「当たり前」になっているものと思われます。

というように様々な変化が期待されるわけです。この変化を捉えられるかどうかは、自粛モードが解禁された瞬間にどれだけ準備ができているか、ということに他なりません。

勿論、上記1番目にあげた「感染拡大を防ぐ」というのが今の最重要論点なのは言うまでもありません。が、だからと言って、在宅でオンラインで出来ることを止めなければいけない理由は全くありません。 多少不謹慎な話で恐縮ですが、新規事業担当者にとっては、大きなチャンスが来た、という見方も出来るのではないでしょうか。



概論、その他のコラム

コンテンツに戻る