コンサルタントが選ぶ「新規事業立ち上げおすすめ本」8選

シナプスの新規事業開発コンサルティングを行うコンサルタントが、新規事業開発に携わる人が読むべき推薦書を選出。新規事業推進者に必要な志を学ぶ本、新規事業を生み出しやすい文化を理解する本、逆転の発想で新規事業を作り出す本、近年注目される新規事業手法「リーン・スタートアップ」の基礎を学ぶ本、新規事業を成功に導く戦略プロフェッショナルの本などを一挙紹介しています。

マーケティング・カレッジ(公開講座)

実務経験も重要ですが、先人の知恵が凝縮された本から学ぶことは多いです。

新規事業立ち上げの参考になる本もたくさんあります。今回はシナプスの「マーケティングコンサルタントが選ぶ新規事業立ち上げおすすめ本8選」をまとめました。

1.「世に棲む日々」司馬遼太郎著

新規事業推進者に必要な志を学ぶ本


世に棲む日々は、NHK大河ドラマ「花神」の原作本です。 「人はなぜ学ぶのか?」という問いに「公のために学ぶ」と教え、「実行の中にのみ学問がある。行動しなければ学問ではない。」と言い切った吉田松陰の思想には、現代に通じる学びと成長に関わる思想が込められています。

新規事業には、常に既存事業とは異なる変革が求められます。 そのため新規事業の推進にはスキルもさることながら「推進者の志やリーダーシップが重要」になります。変革の時代を生き抜いた吉田松陰と高杉晋作の生き様は、現代のビジネスパーソンに通じるリーダーシップ論として読んでほしい本です。(家弓正彦)


新装版 世に棲む日日 (1) (文春文庫) 司馬 遼太郎 (Amazon)

2.「新しい市場の作り方」 三宅秀道著

新規事業を生み出しやすい文化を理解する本


新しい市場の作り方は、新商品開発を日本の豊富な事例を元に語った本です。

新しい市場をつくるには正しい手順を踏まないといけない。それは、たんにこれまでにないコンセプトの商品を開発すればいいということだけではない。それを使う「文化」をも醸成しなければならない。

読みやすい書き口ながら、新規事業について、単なる商品開発ではなく、「問題開発」「文化開発」というキーワードで新規事業の文化をつくる本質に迫った本です。(後藤匡史)


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3.「リバース・イノベーション」 ビジャイ・ゴビンダラジャン著

逆転の発想で新規事業を作るための本


リバース・イノベーションは、新興国での成功を先進国へも反映するイノベーションのあり方を示しています。

これまでは先進国で成功したものを若干カスタマイズして新興国に導入するという流が主流でした。しかし、逆に新興国で開発した製品を先進国へ持ち込むという逆の流れが「リバース・イノベーション」です。

単なる低価格品の開発ではなく、先進国も含めた世界市場攻略の一つのアプローチが理解できます。新規事業でイノベーションを起こす1つのやり方として、有用です。(後藤匡史)


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4.「リーン・スタートアップ」 エリック・リース著

近年注目される新規事業手法「リーン・スタートアップ」の基礎を学ぶ本


リーン・スタートアップは、特にベンチャー立ち上げなどで注目される新規事業開発手法です。 リーン・スタートアップは、特にITなど動きが早い業界で使いやすい考え方です。ピボット、MVP(Mininum Viable Product)等、最近のベンチャー企業の戦略で使われるキーワードが盛り込まれています。

近年「リーン・スタートアップ」を始めプランをすぐ実行に移し、高速にPDCAを回す考え方が、マーケティングや戦略論では浸透しています。「リーン・スタートアップ」は、ベンチャーだけでなく、大企業の新規事業でも有効な考え方です。実際に、GEなどの大企業やIT以外の業界での新規事業開発手法としても、使われてきています。(後藤匡史)


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5.「発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファーム」トム・ケリー著

新規事業アイデアを生み出す「デザインシンキング」の原点となる本


発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームは、デザインシンキングの考え方を開発した世界的に著名なデザインファームIDEOのトップ「トム・ケリー」が書いた本です。デザインシンキングのやりかた、考え方が理解できます。 これまでIDEOで体系的に実践され、洗練されてきた最高機密「イノベーションの技法」が公開されています。

会社の規模や業種を問わず使えるマインドセットとツールを多数紹介。会社の創造力を高め、文化を育て、持続的にイノベーションを生み出しつづける方法を、さまざまな実例と写真をまじえてわかりやすく解説している本です。(後藤匡史)


発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームIDEOに学ぶイノベーションの技法(Amazon)

6.「戦略プロフェッショナル」 三枝匡著

新規事業を成功に導く「戦略プロフェッショナル」はどんな人間かわかる本


戦略プロフェッショナルは、ミスミグループ取締役で経営のプロフェッショナル三枝匡さんの「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」「V字回復の経営」の3部作の第1作です。「戦略プロフェッショナル」の増補改訂版がでて三枝さん直筆のサイン本をもらいありがたく読みました。

新規事業に限らず、経営書全般でみてもベストセラーの一つで、私は通常版を含め、この本を合計6回読んでいます。 しかし、やはり何度読んでも参考になる本です。「戦略プロフェッショナル」のファンは「この本は、読むたびに新しい発見がある」といいます。

三枝3部作、どれも面白く参考になります。しかし、他の2作品は新規事業より経営再建がテーマであるため、新規事業推進者には「戦略プロフェッショナル」が自分の姿を重ねやすく最もオススメな本です。 私が新規事業をやっているときは、うまくいかないときなど、この本を読んでモチベーションをあげてました。


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7.「ストラテジック・イノベーション」ビジャイ・ゴビンダラジャン著

大企業の新規事業はどう進めるべきかを考察した本


ストラテジック・イノベーションは、「経営思想家トップ50」の第3位に選ばれたVGこと、「ビジャイ・ゴビンダラジャン」の本です。

ここでいう「イノベーション」は主に、大企業の新規事業を意識しています。「新規事業をテーマとした本」は、たくさんありますが、「大企業での新規事業と既存事業との関係」という、ベンチャーとは異なる大企業ならではの課題と解決策を実際の事例を元に深く分析した本は少ないないものです。「大企業における新規事業立ち上げ」を考える方には必読書といえるでしょう。


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8.「キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論」ジェフリー・ムーア著

ハイテクマーケティングのバイブル本が、事例を刷新して再登場


「キャズム ver.2 増補改訂版」は、ハイテク業界のマーケティングでは「バイブル」「古典」といえる「キャズム」の改訂版です。

新規事業・新市場開拓では、途中まではうまくいっても大きな死の谷=「キャズム」があり、そこで多くの企業・商品がキャズムに落ちて消えていくといいます。

キャズム理論の骨子は最初の本「キャズム」と基本変わっていません。しかし、キャズム ver.2では、事例が新しいものに更新されています。

「キャズム」では、基本はアメリカの商品事例・新規事業事例を取り上げており、特に旧版では日本人は、あまり知らない事例も多いです。この「キャズム ver.2 増補改訂版」では、事例が新しくなり知っている事例が大幅に増えています。 ※ただし、それでもIT系/ハイテク系の業界人でないと、わからない事例が多いかもしれません。


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