最近、地方の企業様や自治体様から「マーケティング」に関する問い合わせを受けることが増えてきました。
東北、北陸、四国、九州等、様々なエリアから様々な理由でお問い合わせいただいています。

以前は距離的な障壁が大きくなかなか良いご提案ができなかったのですが、最近はZoomをはじめとしたWeb会議ツールの進化やお客様自身の対応によって、「わざわざ泊りで飛行機でご訪問する」こともなく打ち合わせができるようになってきたのも一因です。
本質的には、都心であっても地方であってもビジネスの成長限界への対策として、マーケティングの力が見直されている、と理解しています。

一昔前の「地域活性化」について

当社では「地域活性化」というキーワードでビジネス支援をしたことがほとんどなく、一部の研修などでは国や自治体の予算で実施させていただいたこともある程度でした。
地域活性化が謳われていた当時、伝え聞こえてくるところによると、よく出てくる話は「東京やインバウンドの需要をどうやって取るか?」であり、結果的に一過性のイベントで盛り上がって補助金を使って終わり、というものが多かったような印象です。

勿論、実際に活躍されて成果をあげている地域もありました。地域を盛り上げるといっても、自治体など政治が絡むと「選択と集中」がやりにくく結果、物産展のようになってしまい、何が良いのかが市場から見えなくなってしまいます。うまく成功している事例は、「まず良いものを発見し、それを市場に提供できるように磨き・価値を伝える」ということを愚直に実施していたようです。総花的に予算をばらまくよりも戦略を決めて徹底的に実行する、というのが結果的に成功につながる、というのは「地域活性化」や「地方創生」等のキーワードに関わらず基本かとも思います。

「地方創生」でマーケティングを考える基本って何?

「マーケティング」と一言で言っても、ECをやりたい、調査をやりたい、売れる広告をやりたい、等様々なリクエストがあります。ECの立ち上げや調査手法、デジタル広告の最新技術など、新しくできるようになったことも様々ありますが、その前に基本に立ち返りたいものです。

基本とは、環境分析-基本戦略-具体的施策の3ステップですが、プロジェクトとして実行していくとなると次の6ステップが妥当でしょう。
1. 目的・ゴールの設定
2. 戦略仮説立案
3. 仮説検証・環境分析
4. 基本戦略構築
5. 施策プランニング
6. 施策遂行マネジメント

1. 目的・ゴールの設定

 一般に「地方創生」というような大きなテーマでスタートすると何を目的にするかが不明確のままで議論が進みます。特に複数のステークホルダーが関わると「自分のため」と「みんなのため」が悪い意味で絡まってあらゆるものに手を付けたくなります。
 マーケティングテーマであれば、売上向上なのか、集客だけできればよいのか、あるいはあらゆる商材の選択肢があるのか、特定商材だけなのか、等何をゴールに考えるべきなのか。これを整理することだけでも方針が立ちやすくなります。 

2. 戦略仮説立案

 プロジェクトの早い段階で「どうやって実現するのか」の仮説を立ておきたいところです。主にはターゲット「誰がお客様なのか?」と訴求ポイント「何の価値を提供するのか?」ですね。このタイミングで「このプロダクトであれば成功しそうだ」という魅力的なものが見つかるとかなり進めやすくなります。逆に、このタイミングでは「できることがあまりない」ということだとこの後しんどくなる一方です。

3. 仮説検証・環境分析

 成功のためには正しく分析する、事実に基づいて意思決定する、というスタンスが必須です。地方創生のようなテーマでは、もともと(主に自治体が)かなりいろいろな分析をされていらっしゃいます。一方で、それらのデータが十分に活用されないままに置かれているのも実態でしょう。また、本来意思決定に必要なデータが収集できないこともあります。成果を出すためには正しく事実を掴み、事実に基づいた意思決定をしたい。施策段階では過去に試したこともあるアイデアや前例に全くないアイデアも出てくるはずです。その時に周囲や現場に納得いただいて進めるためにも「根拠となる事実」が欲しいのです。

4. 基本戦略構築

 マーケティングにおける戦略はターゲティングとポジショニングです。ここでは戦略仮説立案で立てた仮説を検証した結果、「誰がお客様なのか?」「何の価値を提供するのか?」を整理します。
 ターゲットは主に、「当該地域の住民」「周辺地域の住民」「日本全国」「グローバル」の4段階あります。インバウンドの獲得が短期的に難しい昨今では、ECなどによる製品展開であれば日本全国を、観光などサービス資源の活用では「当該地域の住民」「周辺地域の住民」を意識しつつ、最終的には日本全国、という考え方が良いかもしれません。
 北海道や沖縄のようにもともとサービス資源が強く東京から観光需要が期待される立地では最初から日本全国を狙うのはありですが、ある一定距離を超えてやってくるにはそれなりにハードルが高いもの事実です。誰をターゲットとするかは重要な意思決定になりますので、様々な選択肢から意思決定してみてください。

5. 施策プランニング

 マーケティングの具体的施策は4P、すなわち、製品(Product)、価格(Price)、流通チャネル(Place)、コミュニケーション(Promotion)を中心に展開します。
 戦略的に考えられていない場合、「面白そうなイベント」「思い付きの製品」を実施することに夢中になってしまい、その結果、一瞬だけ盛り上がるがそれで終わる、というケースが散見されます。施策はあくまでも戦略の実現のために行うものです。ターゲットとなるお客様に価値を提供するために4つのPを組み立てたいものです。
 近年、様々な領域でIT/ICT技術の発展によりデジタルに関する施策が拡充されてきました。例えば、ECでの販売やWebサイトでのプロモーション、スマホアプリの活用や、観光や交通インフラにおいては地図情報(GIS)を用いた人流の把握なども可能になっています。これらを活用することで、より手軽に施策が実行できるようになってきています。

6. 施策遂行マネジメント

 施策は一回実行して終わり、ではなく実行結果を確認、検証し課題に対してさらに対応を打つ、PDCAが必要になります。
 面白そうなイベントをやるだけやって振り返りはできていますか?実行前に適切なKPIを設定し、実行後に検証する。その繰り返しによって目標を達成していきます。

まとめ

地方創生でマーケティングを進めていくうえでは6STEPで考えてください。
1. 目的・ゴールの設定
2. 戦略仮説立案
3. 仮説検証・環境分析
4. 基本戦略構築
5. 施策プランニング
6. 施策遂行マネジメント

これら6つのSTEPを踏むことにより戦略的な、すなわち成功確度の高い実行が可能になります。
我々シナプスでは、これらの活動を伴走型で支援しながら、マーケティング活動の実行につなげます。当社の支援の有無にかかわらず、上記の6ステップは必要なアプローチかと思いますので、もし「地方創生」というキーワードでお困りの場合には上記のステップで考えてみることをお勧めします。


先日、開催したマーケティング・ベーシックス講座でZoom懇親会を実施しました。


マーケティング・ベーシックスは、全6回、第三回目は
•戦略分析演習(ケーススタディ「ユニクロ」のターゲット顧客層)
•ポジショニング分析(マップの描き方)
•基本戦略演習(ケーススタディ「ユニクロ」のポジショニング)
を行いました。ポジショニングを行う場合には、まずはKBF(Key Buying Factor:購買決定要因)分析から、というのがセオリーでその具体的な手順をご理解いただきました。

さて、今回は懇親会について記載しようと思います。

1. Zoom懇親会って何?

Zoom懇親会は、今はやっている「オンライン飲み会」で、Zoom越しに飲みながら懇親会を行う、というものです。
講座実施後に講師もご受講者も各自、飲み物、食べ物をパソコンの前に持ってきて、飲みながら話す、というだけですが、講座と違って、フリートークなのとアルコールが入っているのでリラックスしながら会話ができる、というのが良い点ですね。

当社では、前回の講座でアナウンスをして、「本日、Zoom懇親会を(希望者で)参加しましょう」という声掛けとともに実施しました。
結果として、半数程度にご参加いただき、1時間強盛り上がりました。(人にもよりますが)ビール2本分くらいのほろ酔い、という感じでしょうか。
今は特に、新型コロナウイルスという「全員に共通の敵」がいますので、その対策だったり対応だったりで盛り上がっていた印象です。

2. 講座に懇親会を組み入れるメリット

講座で実施する最大のメリットはやはり、「懇親」そのものです。
せっかく、一緒に学んでいるので、横のつながり、つまりご受講者同士のつながりはお互いにとって学習効果や考え方の広がりを持たせるうえでとても効果があります。
実際、集合型で実施していた時には希望者がいれば毎回、多くの場合は全6回のうち、2-3回は懇親会を行っています。当社の講座は、19:00-21:30と遅い時間でのスタートということもり、おなかが空いているという側面もありますが。

懇親会をオンラインで実施することのメリットは大きく二つで、①家に居ながらにして参加できる、②お金が安くて済む、です。
まず、家に居ながら参加、ということは移動時間がないので、講座が多少遅くなったとしても帰宅時間がそれほど遅くならない、ということです。また、どうしても疲れたらそのまま眠ることもできるというのもメリットでしょう。
お金は、飲食代がかなり安くなるということです。一般的に飲食店の材料費は20-30%ですから、材料費の割引などを考えても、外で飲むと倍以上の金額がかかります。
この辺りは一般に言われているオンライン飲み会のメリットそのままですね。また、人によっては「普段あまり飲まないので割り勘負けをする」という方もいらっしゃると思いますが、オンラインだと自分が飲む分、食べる分だけ支払えばよいので納得感も高いでしょう。

勿論、同じ場所で懇親したほうがより仲良くなったり深い話ができる可能性は高いのですが、やらないよりはやった方が良い、ということは間違いありません。

3. Zoom懇親会のハードルと対処

オンラインでの懇親会でもいくつかのハードルがあります。
大きなところでいえば、
① 大人数は難しい
② 個人の事情は色々
の二つでしょう。

① 大人数は難しい

まず、一つ目は人数制限です。私の感覚では通常の飲み会では、1テーブル4人程度、多くても6人が良いところではないでしょうか。これくらいの人数だとじっくり話せますが、それ以上の人数になるとかなり話しにくくなります。Zoomの場合だと、ブレイクアウトルームにしても良いのですが、そうなるとどういうメンバー構成にして席替えをどうするか、等の課題が生まれます。また、幹事から見て全体のコントロールをどうするか、等の難しさもあります。
対策としては、ブレイクアウトルームを使うのは一つの手ですが、あとは気にせずに話したい人だけ話す、というのもありかもしれません。

② 個人の事情は色々

これはリアルの飲み会でも同じなのですが、ご家族のいる方にとっては、Zoom飲み会に出るということは家族の時間を犠牲にするという事でもあります。夜中に長電話をする、というのと同じ感覚でしょうか。少なくとも、「今からやりましょう」と当日に言われると飲食物がなかったり、時間を確保してなかったりと対応が難しいのが実際でしょう。
当社では、今回の状況確認も踏まえ、基本は前もってご案内する、ということと、節目節目で事務局より開催をご提案する(ZoomURLも当然事務局からお出しする)という流れにしております。

4. まとめ

Zoom懇親会はやらないよりはやった方が勿論よいです。
ただ、何でも出来るわけではないので、あくまでも個人の事情を尊重しながら実施するということですね。また、飲み会とはいえ、ZoomのようなWeb会議ツールのコミュニケーションは少し癖がありますので、状況によってはファシリテーションが必要になるかもしれません。

ただ一つだけ言えるのは、どうせやるならお互いに楽しんで参加しましょう、ということです。言い換えれば、参加者個々人がどれだけその場を楽しめるか、というマインドを持つこと、事務局側で楽しめる場をセットすることがポイントになるでしょう。

オンラインでのマーケティング研修

シナプスではオンラインでのマーケティング研修を実施しています。

Zoomなどを活用した研修:マーケティング研修
マーケティングカレッジ:マーケティング基礎講座
シナプスのオンライン研修


先日、マーケティング・ベーシックスDay2を実施いたしました。
Zoomに切り替えての2回目の講座になります。


前回とはカメラ設定を少し変えました。ホワイトがきつすぎて、ホワイトボードに書いたものが映らなかったので、今回少し設定をいじりまして、ホワイトボードが使える状態でスタートです。

前回講座の様子はこちら。

https://cyber-synapse.com/business-knowledge/online_marketing_training/Zoom_online_marketing_seminor.html

さて、今回はホワイトボードについて記載したいと思います。

ホワイトボードは、オンラインだろうと集合研修だろうといずれでも効果があります。
正確には「図解」が学習を助ける効果が大きいということですね。

一方で、オンラインになると、使いづらい部分もありますので、当社の取り組みをご紹介しつつ、オンラインでの図解を考えたいと思います。

1. オンラインでの「図解ツール」の選択肢

オンラインで図解ツールは大きく3つの方針があります。
① アナログ(ホワイトボードや紙とペンなど)
② デジタルホワイトボード(Zoomのホワイトボード機能やホワイトボードアプリ)
③ デジタルツール(パワーポイントやGoogle スライド等)

① アナログ(ホワイトボードや紙とペンなど)

ホワイトボードや紙とペンを使ってアナログで書くものです。今までのやり方で画面に移すだけなので簡単に使える、というところがポイントですね。

② デジタルホワイトボード(Zoomのホワイトボード機能やホワイトボードアプリ)

Zoom等のオンライン会議ツールではホワイトボード機能がついているものが比較的多いです。これらやオンライン会議ツール以外でもホワイトボードツールがありますので、それらをホワイトボードのように使うというのも選択肢です。

③ デジタルツール(パワーポイントやGoogle スライド等)

「図解」することを目的とした場合、ホワイトボードは一手段であり、デジタルの場合は例えばパワーポイントなどもツールとして使えるでしょう。

2. アナログツール

もともと講師業をされていた方は、ホワイトボードに慣れていらっしゃる方が多いので、そのまま使えるのであれば使いたい、と思っている方も多いのではないでしょうか?
アナログツールは大きく三つの方法があります。
① 会議室にあるホワイトボードを利用する
② 個人向けのホワイトボードを使う
③ 紙とペンを使う

それぞれ特徴を記載していきます。

① 会議室にあるホワイトボードを利用する

今回とった手段がこちらです。多くの方が使い慣れている手法なので、可能であれば、会議室にあるホワイトボードを使うのが良い手段です。
そのためのポイントは二つです。一つはカメラ、一つはホワイトボードの位置です。
まず、カメラですが、ノートPC付属のものでも使えなくはないですができれば、別にカメラを準備したいところです。ノートPCのカメラはあくまでも目の前の人を写すようにできていてそれほど解像度も高くないのです。
当社は書画カメラのカメラを使っていますが、今後もう少し進化させたいと思っています。
もう一つはホワイトボードの位置で、「カメラからちゃんと見える位置にある事」です。今回の講座では講師が間違えないように場所にしるしをつけています。(うっすらと画面上部に見えていますね)
この範囲に書くことでカメラにも確実に写すことができます。


ホワイトボードは書く範囲さえ気を付ければ、何でも書けますが、カメラの解像度に依存します。
当社でも前回よりは良くなりましたが、まだまだ改善が必要そうです。

② 個人向けのホワイトボードを使う

最近は在宅勤務の方もかなり多いと思いますが、在宅でホワイトボードを準備するのはかなりのハードルでしょう。最近では、個人向けにホワイトボードも出ており、私はバタフライボードを愛用しています。
https://www.butterflyboard.jp/

他にもnu boardを使われている方も聞きます。
この辺りは個人的好みで決めると良いかと思います。
一点、注意点としては、個人向けホワイトボードを使う場合でも、相手は画面で観ますので、細いペンではなく、太めのペンで書くことをお勧めします。
カメラの性能にも依存しますが、あくまでも相手に見せる、ということを忘れないようにしてください。

③ 紙とペンを使う

もう一つの選択肢は紙とペンです。講師によっては、自己紹介などを紙とペンに書いてもらって画面に出してもらう、というやり方を取る方もいらっしゃいますね。
紙とペンの最大の利点は誰でもできることです。ノートでもよい、という事であれば、受講者自身に書いてもらうことも出来ますし、紙とペンなら多くの方が簡単に対応できますよね。
難点は消して書いて、というのができないことですが、その点はリアルなワークショップにおける模造紙を使ったワークでも同じようなことが起こりますので、使い方の工夫次第かと思います。

紙とペンを使う場合は、サインペンやプロッキーがお勧めです。ボールペンや鉛筆ではやはり相手側に見えない、ということになります。
受講者にも書いてもらう場合には、ご自宅にサインペンを用意しているケースはそれほど多くないので、実施前に「サインペンが必要」というアナウンスをしておくと良いかと思います。

3. デジタルツール

デジタルツールでも大きく4つの方針があります。
① オンラインWeb会議ツールについているホワイトボード機能を使う
② 会議ツール以外のホワイトボードツールを使う
③ 共有できるツールを使う
④ メモ担当者がパワーポイント等を使う

① オンラインWeb会議ツールについているホワイトボード機能を使う

最初に考える選択肢は、Zoom等のWeb会議ツールに付属しているホワイトボードでしょう。Zoom、WebEx等でツールが使えますので、慣れている人はもう使いこなしていらっしゃるのではないかと思います。
これらの良いところは、そのまま画面共有ができることです。例えば、Zoomで会議をやりながら、他のアプリを立ち上げるのは意外とストレスがかかることです。(また、ツールによっては、他のアプリが共有画面を隠してしまうケースもあります)


私のPCはLet’s noteのタブレット型のもので、ディスプレイに指でそのまま書くことができます。マウスで書くと少し大変なので、iPadのようなタブレットか、タブレットPC、もしくはペンタブレットのような機材を準備すると良いかもしれません。

② 会議ツール以外のホワイトボードツールを使う

ホワイトボードツールは、近年、どんどん進化してきているように感じます。例えば、WebワークショップツールのRemoだと、Deskleというサービスを使っているようですね。
色々な方と会話していると、最近、普及しているのは、miroとJamboardが有力のようです。

③ 共有できるツールを使う

Google Docs等、ドキュメントを共有できるもの、同時に編集を出来るものを使うのも選択肢です。特に、グループワークでは使いやすい選択肢です。
ここまで在宅勤務が拡大する前から、フリーランスや副業などをされていた方を中心に結構使われていたようですし、IT系の方は慣れていらっしゃる方もいるかもしれません。
また、Web会議ツールにMicrosoft Teamsを選択されている場合には、Teamsの機能としてOffice系ツールを同時に編集できるので優れた機能ですね。

④ メモ担当者がパワーポイント等を使う

今、一番簡単な手法は、誰かがパワーポイントを起動し、画面共有して、その方が議論内容を記載する方法です。
このやり方は、リアルの会議でも、一人がプロジェクタに投影したファイルを編集しながら議論する、などをやっていた方もいらっしゃるかと思います。それと同じですね。
ツールは何でもよいですが、参加者全員が「画面を見ている」関係上、スライドタイプのものが親和性が高いでしょう。その意味で、PowerPointが一番使いやすいと思います。
当社のマーケティング・カレッジでは、事前にご受講者にワークシートを送付しておいて講座実施時に利用いただいています。
このやり方だと、発表の時にそのまま出せるというメリットもあります。

4. 結局どうすればよい?

結局どうすればよいのか?
個人としては、現時点では、アナログツール+メモ担当者がPowerPointを使う、が良いと考えています。
理由は、まだまだ慣れている人が少ないので、使いやすいツールの方が入りやすい、ためです。Web会議に慣れてくると、徐々に他のツールに移行していくと良いかと思います。当社のような、研修サービス提供者の場合、受講者のレベルが読めないということも影響しています。

一方で、私自身は、ZoomならZoomのホワイトボードツールを使うのが結構好きです。もともとホワイトボードが好き、というのもありますが、何かを図示するときに手軽に使えるので、慣れている方は今のところ、オンラインWeb会議ツールについているホワイトボード機能がおすすめです。

皆様のご参考になれば幸いです。
※記載中の製品名やサービス名は各社の登録商標です。

オンラインでのマーケティング研修

シナプスではオンラインでのマーケティング研修を実施しています。

Zoomなどを活用した研修:マーケティング研修
マーケティングカレッジ:マーケティング基礎講座
シナプスのオンライン研修


シナプス後藤です。

今期も当社が主催するシナプス・マーケティング・カレッジで一番人気の講座「マーケティング・ベーシックス」を開講いたしました。


新型コロナウイルスの影響により、集合して講座を実施することがナンセンスなため、当社もオンラインの講座に切り替えました。マーケティング・カレッジでの実施は初になります。

実施前にいくつかトライアルなどを重ねて、ご受講される皆様により良い学びを提供できるように進めて参りました。まだ、「オフラインでの講座」をベースにしていますが、徐々にオンラインでの学びを最大化するようにシフトして参りたいと思います。

さて、せっかくなので、Zoom機能と合わせて、どのように運営しているか、をご紹介します。

1. 環境

まず、環境ですが、PC二台を基本として、
1台目:講師用
2台目:画面投影用
としています。カメラは今後改善していきたいと思いますが、現在は書画カメラに搭載されているものを利用しています。



ディスプレイもあった方が良い、というのがスタンダードですが、ノートPCがフルサイズのものであるということもあり、今はナシで運用しています。この辺りは講師の意見も聞きながら最適なものを組み立てていく予定です。(おそらく、講師用PCをデュアルディスプレイの形にするのが最適なのだと思いますが、いろいろと試しているところです。)

講師用PC含め、スタッフ関係者は全員共同ホストに設定し、私のPCは「システム担当」という扱いで、何かトラブルがあったときに、サポートする位置づけです。基本は講師と現場のメンバーですべて対応できると考えています。



今のところは、まだ講師もメンバーも慣れていない部分があるので、事務局担当者がティーチングアシスタント(TA)として受講生の学びを支援しますが、いずれは講師だけでも運営できるようにしようと考えています。
一般にはTAや事務局は、受講生の学びの支援として、講師の講義をサポートする役割を持ちます。例えば、教材の案内や事前、事後課題に関わる相談役、講座実施時は配布資料の配布や機材切り替えなどが主な作業でしょう
Zoomの場合は、ミュートの設定とブレイクアウトルームの運用がちょっと手間がかかるので、従来のTAの役割に加えて、Zoomのアシスタントの役割も持ちます。(それをシステム担当者が行うケースもありますが、当社ではシステム知識がなくても運用できるようにフローを整備しているところです)

2. 受講生の環境

受講生も慣れていない方が多いので、事前に何日か接続テストの日程をご用意し、事務局が対応しました。
実は、今回の講座は、申込時は集合型で実施することを想定していました。(1月から申し込み受け付けはしておりました)
ですが、今回の事態を受けて急遽、オンラインにしましたので、環境が合わない方や、ご希望に沿わない方もいらっしゃったようで、キャンセル、延期(7月期以降への振り替え)等の対応を行いました。(数名がその選択をされました)
やはり、ご自宅に学習できる場所があるか(オンラインにつないで家族に邪魔されない/家族の邪魔にならない)、接続できるPC等端末や通信環境があるかがポイントになると思います。幸い、多くの企業様が在宅ワークを推奨して機材も整え始めたので、ほとんどの方はご受講いただけたのだと思います。

3. 講義の状況

シナプスの講義、特に、当社 代表の家弓講師の講義は、インタラクティブに受講生と会話しながら進めていくのが特徴です。
例えば、マクロ環境分析のPEST分析の解説では、フレームワークの使い方をざっと解説した後、受講生に質問していきます。
「○○さん、あなたのお仕事で、政治面に関わる大きな要素には何がありますか?」



このようなファシリテーションスタイルは、集合研修でもオンライン講義でも同じように効果的です。集合研修の場合は、講師と受講生一人一人のやりとりが遠くの方からは見えにくいこともありますが、オンラインだと、それぞれの顔が見えるのでより印象的なようです。

オンライン講義では。講師が注意すべきポイントは大きくは二つで、話し方の注意とファシリテーションです。

話し方は、やはり「聞き取りやすいスピード」が重要です。
これは通常の集合研修でも同様です。ですが、実際に目の前で話しているところが見えていると、受講生の脳が上手く情報補完するため、オンライン程わかりにくくなりません。また、講師からしても「わかりにくそう」にしているかどうかが全体として見えるので、場の雰囲気に合わせて話し方をコントロールしやすいです。
一方、オンラインでは、Zoomの設定や受講生人数次第ではありますが、画面で受講生が全て見えているわけではないので、全体のリアクションが分かりにくく、講師が話し方を修正しにくいため、聞き取りやすさが特に大事になるのです。
家弓講師はもともとプレゼンテーションにも定評がある講師で、話す言葉がとても聞き取りやすいというのはとても重要な要素です。こういった講師の地力はより目に見えて影響が出てくるのではないかと思います。

もう一つがファシリテーションの仕方です。
特に注意したいのが、「誰がボールを持っているか」を明確にすることです。集合研修でよくみられる振り方は、「何か意見がある人?」というようなものですが、この振り方だと、オンラインではボールを拾いにくいです。それよりも、最初から講師が「○○さん、***についてのご意見は?」と話者を明確にした方が全員が分かりやすいのです。
本来的には、受講生の自発性を促し、上手く捉えるのが講師の力量でもあるのですが、オンラインでのコミュニケーションに慣れない方々同士だと明示的なコミュニケーションの方が上手くいきます。

4. グループワーク~全体発表

研修講師として気になるのは、グループワークが上手く機能するか、でしょう。我々も学びを多くするために、グループでの討論をどれだけ密度の濃いものにするかに注力しました。

基本はZoomの機能であるブレイクアウトルームを利用しました。ただ、議論を上手く機能させるために事前に「書記役を決める」「ワークシートの準備」を行いました。
書記役を、各グループでおひとり、ブレイクアウトセッション時に受講生で決めて頂くようにします。
そして、講座開始前にご受講生全員に配布したワークシートを共有機能を使って共有していただいて、議論の結果を記載していただきます。



5. トラブルの対処

やはり接続関連でいくつかトラブルが出ました。今、多くの方が同じように悩む可能性がありますのと、我々が後で振り返るためにも記載しておきます。
本日のトラブルは3つです。

① 講師のイヤホンが認識しなかった

講師用のPCとして準備しておいたものに講師が持ち込んだ(使い慣れた)イヤホンを付けたら反応しなくなってしまいました。結局、再起動して回避しました。当たり前なのですが、機材チェックは本番用で行うべきですね。
今のPCはあまり接続トラブルがないので油断していました。

② 受講生のPCのマイクの調子が悪く声を出せなかった

受講生の中のおひとりの声が途中で聞こえなくなってしまいました。講師とやりとりをしているときに途切れてしまったので、急遽チャットで回答を打っていただきましたが、これだとやはり学びには支障が出ます。受講生がスマートフォンをお持ちでしたので、急遽、PCだけでなくスマートフォンでもサインインして頂いて、画面はPC、音声だけスマートフォンで拾う、ということで対応しました。
ブレイクアウトセッションも当然、同じルームに配置する必要があり、TAが頑張って対応しました。

③ 講師の音声が途切れた

ほんの一瞬ですが、講師の音声が途切れました。当社内のネットワークの関係か、PCの負荷かのいずれかだと思われます。講師の音声が一瞬でも途切れると受講生は「あれ?」という顔をします。この時、講師が気付けばよいのですが、往々にして講師は気付かずに話してしまいます。
今回は、大きな途切れではなく文脈は通じたので問題ありませんでしたが、同様の状況になった場合は、TAが「講師、声が途切れたのでもう一度お願いします。」とサポートする、というのがあるべき姿だと思います。

6. 今後

今回は、受講生が慣れていないことも想定して、基本機能を用いて運用しましたが、講師が話し方とファシリテーションに注意をすること、ブレイクアウトルームを活用することの二点でかなり臨場感のある講義になりました。
次回以降は、チャットをもっと活用したり、挙手ボタンなども使いながら、よりZoomだからこそできる講義にして参りたいと思います。

※いつのタイミングから、Zoom飲み会を実施するかも検討ポイントですね。

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