先日、開催したマーケティング・ベーシックス講座でZoom懇親会を実施しました。


マーケティング・ベーシックスは、全6回、第三回目は
•戦略分析演習(ケーススタディ「ユニクロ」のターゲット顧客層)
•ポジショニング分析(マップの描き方)
•基本戦略演習(ケーススタディ「ユニクロ」のポジショニング)
を行いました。ポジショニングを行う場合には、まずはKBF(Key Buying Factor:購買決定要因)分析から、というのがセオリーでその具体的な手順をご理解いただきました。

さて、今回は懇親会について記載しようと思います。

1. Zoom懇親会って何?

Zoom懇親会は、今はやっている「オンライン飲み会」で、Zoom越しに飲みながら懇親会を行う、というものです。
講座実施後に講師もご受講者も各自、飲み物、食べ物をパソコンの前に持ってきて、飲みながら話す、というだけですが、講座と違って、フリートークなのとアルコールが入っているのでリラックスしながら会話ができる、というのが良い点ですね。

当社では、前回の講座でアナウンスをして、「本日、Zoom懇親会を(希望者で)参加しましょう」という声掛けとともに実施しました。
結果として、半数程度にご参加いただき、1時間強盛り上がりました。(人にもよりますが)ビール2本分くらいのほろ酔い、という感じでしょうか。
今は特に、新型コロナウイルスという「全員に共通の敵」がいますので、その対策だったり対応だったりで盛り上がっていた印象です。

2. 講座に懇親会を組み入れるメリット

講座で実施する最大のメリットはやはり、「懇親」そのものです。
せっかく、一緒に学んでいるので、横のつながり、つまりご受講者同士のつながりはお互いにとって学習効果や考え方の広がりを持たせるうえでとても効果があります。
実際、集合型で実施していた時には希望者がいれば毎回、多くの場合は全6回のうち、2-3回は懇親会を行っています。当社の講座は、19:00-21:30と遅い時間でのスタートということもり、おなかが空いているという側面もありますが。

懇親会をオンラインで実施することのメリットは大きく二つで、①家に居ながらにして参加できる、②お金が安くて済む、です。
まず、家に居ながら参加、ということは移動時間がないので、講座が多少遅くなったとしても帰宅時間がそれほど遅くならない、ということです。また、どうしても疲れたらそのまま眠ることもできるというのもメリットでしょう。
お金は、飲食代がかなり安くなるということです。一般的に飲食店の材料費は20-30%ですから、材料費の割引などを考えても、外で飲むと倍以上の金額がかかります。
この辺りは一般に言われているオンライン飲み会のメリットそのままですね。また、人によっては「普段あまり飲まないので割り勘負けをする」という方もいらっしゃると思いますが、オンラインだと自分が飲む分、食べる分だけ支払えばよいので納得感も高いでしょう。

勿論、同じ場所で懇親したほうがより仲良くなったり深い話ができる可能性は高いのですが、やらないよりはやった方が良い、ということは間違いありません。

3. Zoom懇親会のハードルと対処

オンラインでの懇親会でもいくつかのハードルがあります。
大きなところでいえば、
① 大人数は難しい
② 個人の事情は色々
の二つでしょう。

① 大人数は難しい

まず、一つ目は人数制限です。私の感覚では通常の飲み会では、1テーブル4人程度、多くても6人が良いところではないでしょうか。これくらいの人数だとじっくり話せますが、それ以上の人数になるとかなり話しにくくなります。Zoomの場合だと、ブレイクアウトルームにしても良いのですが、そうなるとどういうメンバー構成にして席替えをどうするか、等の課題が生まれます。また、幹事から見て全体のコントロールをどうするか、等の難しさもあります。
対策としては、ブレイクアウトルームを使うのは一つの手ですが、あとは気にせずに話したい人だけ話す、というのもありかもしれません。

② 個人の事情は色々

これはリアルの飲み会でも同じなのですが、ご家族のいる方にとっては、Zoom飲み会に出るということは家族の時間を犠牲にするという事でもあります。夜中に長電話をする、というのと同じ感覚でしょうか。少なくとも、「今からやりましょう」と当日に言われると飲食物がなかったり、時間を確保してなかったりと対応が難しいのが実際でしょう。
当社では、今回の状況確認も踏まえ、基本は前もってご案内する、ということと、節目節目で事務局より開催をご提案する(ZoomURLも当然事務局からお出しする)という流れにしております。

4. まとめ

Zoom懇親会はやらないよりはやった方が勿論よいです。
ただ、何でも出来るわけではないので、あくまでも個人の事情を尊重しながら実施するということですね。また、飲み会とはいえ、ZoomのようなWeb会議ツールのコミュニケーションは少し癖がありますので、状況によってはファシリテーションが必要になるかもしれません。

ただ一つだけ言えるのは、どうせやるならお互いに楽しんで参加しましょう、ということです。言い換えれば、参加者個々人がどれだけその場を楽しめるか、というマインドを持つこと、事務局側で楽しめる場をセットすることがポイントになるでしょう。

オンラインでのマーケティング研修

シナプスではオンラインでのマーケティング研修を実施しています。

Zoomなどを活用した研修:マーケティング研修
マーケティングカレッジ:マーケティング基礎講座
シナプスのオンライン研修


先日、マーケティング・ベーシックスDay2を実施いたしました。
Zoomに切り替えての2回目の講座になります。


前回とはカメラ設定を少し変えました。ホワイトがきつすぎて、ホワイトボードに書いたものが映らなかったので、今回少し設定をいじりまして、ホワイトボードが使える状態でスタートです。

前回講座の様子はこちら。

https://cyber-synapse.com/business-knowledge/online_marketing_training/Zoom_online_marketing_seminor.html

さて、今回はホワイトボードについて記載したいと思います。

ホワイトボードは、オンラインだろうと集合研修だろうといずれでも効果があります。
正確には「図解」が学習を助ける効果が大きいということですね。

一方で、オンラインになると、使いづらい部分もありますので、当社の取り組みをご紹介しつつ、オンラインでの図解を考えたいと思います。

1. オンラインでの「図解ツール」の選択肢

オンラインで図解ツールは大きく3つの方針があります。
① アナログ(ホワイトボードや紙とペンなど)
② デジタルホワイトボード(Zoomのホワイトボード機能やホワイトボードアプリ)
③ デジタルツール(パワーポイントやGoogle スライド等)

① アナログ(ホワイトボードや紙とペンなど)

ホワイトボードや紙とペンを使ってアナログで書くものです。今までのやり方で画面に移すだけなので簡単に使える、というところがポイントですね。

② デジタルホワイトボード(Zoomのホワイトボード機能やホワイトボードアプリ)

Zoom等のオンライン会議ツールではホワイトボード機能がついているものが比較的多いです。これらやオンライン会議ツール以外でもホワイトボードツールがありますので、それらをホワイトボードのように使うというのも選択肢です。

③ デジタルツール(パワーポイントやGoogle スライド等)

「図解」することを目的とした場合、ホワイトボードは一手段であり、デジタルの場合は例えばパワーポイントなどもツールとして使えるでしょう。

2. アナログツール

もともと講師業をされていた方は、ホワイトボードに慣れていらっしゃる方が多いので、そのまま使えるのであれば使いたい、と思っている方も多いのではないでしょうか?
アナログツールは大きく三つの方法があります。
① 会議室にあるホワイトボードを利用する
② 個人向けのホワイトボードを使う
③ 紙とペンを使う

それぞれ特徴を記載していきます。

① 会議室にあるホワイトボードを利用する

今回とった手段がこちらです。多くの方が使い慣れている手法なので、可能であれば、会議室にあるホワイトボードを使うのが良い手段です。
そのためのポイントは二つです。一つはカメラ、一つはホワイトボードの位置です。
まず、カメラですが、ノートPC付属のものでも使えなくはないですができれば、別にカメラを準備したいところです。ノートPCのカメラはあくまでも目の前の人を写すようにできていてそれほど解像度も高くないのです。
当社は書画カメラのカメラを使っていますが、今後もう少し進化させたいと思っています。
もう一つはホワイトボードの位置で、「カメラからちゃんと見える位置にある事」です。今回の講座では講師が間違えないように場所にしるしをつけています。(うっすらと画面上部に見えていますね)
この範囲に書くことでカメラにも確実に写すことができます。


ホワイトボードは書く範囲さえ気を付ければ、何でも書けますが、カメラの解像度に依存します。
当社でも前回よりは良くなりましたが、まだまだ改善が必要そうです。

② 個人向けのホワイトボードを使う

最近は在宅勤務の方もかなり多いと思いますが、在宅でホワイトボードを準備するのはかなりのハードルでしょう。最近では、個人向けにホワイトボードも出ており、私はバタフライボードを愛用しています。
https://www.butterflyboard.jp/

他にもnu boardを使われている方も聞きます。
この辺りは個人的好みで決めると良いかと思います。
一点、注意点としては、個人向けホワイトボードを使う場合でも、相手は画面で観ますので、細いペンではなく、太めのペンで書くことをお勧めします。
カメラの性能にも依存しますが、あくまでも相手に見せる、ということを忘れないようにしてください。

③ 紙とペンを使う

もう一つの選択肢は紙とペンです。講師によっては、自己紹介などを紙とペンに書いてもらって画面に出してもらう、というやり方を取る方もいらっしゃいますね。
紙とペンの最大の利点は誰でもできることです。ノートでもよい、という事であれば、受講者自身に書いてもらうことも出来ますし、紙とペンなら多くの方が簡単に対応できますよね。
難点は消して書いて、というのができないことですが、その点はリアルなワークショップにおける模造紙を使ったワークでも同じようなことが起こりますので、使い方の工夫次第かと思います。

紙とペンを使う場合は、サインペンやプロッキーがお勧めです。ボールペンや鉛筆ではやはり相手側に見えない、ということになります。
受講者にも書いてもらう場合には、ご自宅にサインペンを用意しているケースはそれほど多くないので、実施前に「サインペンが必要」というアナウンスをしておくと良いかと思います。

3. デジタルツール

デジタルツールでも大きく4つの方針があります。
① オンラインWeb会議ツールについているホワイトボード機能を使う
② 会議ツール以外のホワイトボードツールを使う
③ 共有できるツールを使う
④ メモ担当者がパワーポイント等を使う

① オンラインWeb会議ツールについているホワイトボード機能を使う

最初に考える選択肢は、Zoom等のWeb会議ツールに付属しているホワイトボードでしょう。Zoom、WebEx等でツールが使えますので、慣れている人はもう使いこなしていらっしゃるのではないかと思います。
これらの良いところは、そのまま画面共有ができることです。例えば、Zoomで会議をやりながら、他のアプリを立ち上げるのは意外とストレスがかかることです。(また、ツールによっては、他のアプリが共有画面を隠してしまうケースもあります)


私のPCはLet’s noteのタブレット型のもので、ディスプレイに指でそのまま書くことができます。マウスで書くと少し大変なので、iPadのようなタブレットか、タブレットPC、もしくはペンタブレットのような機材を準備すると良いかもしれません。

② 会議ツール以外のホワイトボードツールを使う

ホワイトボードツールは、近年、どんどん進化してきているように感じます。例えば、WebワークショップツールのRemoだと、Deskleというサービスを使っているようですね。
色々な方と会話していると、最近、普及しているのは、miroとJamboardが有力のようです。

③ 共有できるツールを使う

Google Docs等、ドキュメントを共有できるもの、同時に編集を出来るものを使うのも選択肢です。特に、グループワークでは使いやすい選択肢です。
ここまで在宅勤務が拡大する前から、フリーランスや副業などをされていた方を中心に結構使われていたようですし、IT系の方は慣れていらっしゃる方もいるかもしれません。
また、Web会議ツールにMicrosoft Teamsを選択されている場合には、Teamsの機能としてOffice系ツールを同時に編集できるので優れた機能ですね。

④ メモ担当者がパワーポイント等を使う

今、一番簡単な手法は、誰かがパワーポイントを起動し、画面共有して、その方が議論内容を記載する方法です。
このやり方は、リアルの会議でも、一人がプロジェクタに投影したファイルを編集しながら議論する、などをやっていた方もいらっしゃるかと思います。それと同じですね。
ツールは何でもよいですが、参加者全員が「画面を見ている」関係上、スライドタイプのものが親和性が高いでしょう。その意味で、PowerPointが一番使いやすいと思います。
当社のマーケティング・カレッジでは、事前にご受講者にワークシートを送付しておいて講座実施時に利用いただいています。
このやり方だと、発表の時にそのまま出せるというメリットもあります。

4. 結局どうすればよい?

結局どうすればよいのか?
個人としては、現時点では、アナログツール+メモ担当者がPowerPointを使う、が良いと考えています。
理由は、まだまだ慣れている人が少ないので、使いやすいツールの方が入りやすい、ためです。Web会議に慣れてくると、徐々に他のツールに移行していくと良いかと思います。当社のような、研修サービス提供者の場合、受講者のレベルが読めないということも影響しています。

一方で、私自身は、ZoomならZoomのホワイトボードツールを使うのが結構好きです。もともとホワイトボードが好き、というのもありますが、何かを図示するときに手軽に使えるので、慣れている方は今のところ、オンラインWeb会議ツールについているホワイトボード機能がおすすめです。

皆様のご参考になれば幸いです。
※記載中の製品名やサービス名は各社の登録商標です。

オンラインでのマーケティング研修

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シナプス後藤です。

先日、Webワークショップ用ツールRemo(リモ)を使って、ワールドカフェを主催しました。
知人がメインファシリをやり、私はサポートメンバーという立ち位置です。
参加人数は全体で70名くらいだったかと思います。


テーマは、「COVID-19後の働き方と組織を考えるWorld Cafe」というもので、最近、「Before Corona/With Corona/After Corona」という言われ方をし始めていますが、この未曽有の環境変化が我々ビジネスパーソンにどういう影響を与えるのか、というお題です。

私の中での目的は大きく3つで、下記の問いでまとめられます。
・Remoってどんなだろう?
・オンラインでワールドカフェやるってどんなだろう?
・ビジネスパーソンとして、今、あるいは今後何を考えるべきだろう?

3つめについては、ここでは割愛するとして、Remoとオンラインでのワールドカフェのファシリテーションについて所感を記載します。

1.イベントのタイムスケジュール

Start End Time 概要
19:45 20:00 0:15 開場前待ち時間
20:00 20:20 0:20 オープニング、Remo説明、Q&A対応、ワールドカフェ説明
20:20 20:40 0:20 Round1:「COVID-19で働きかたはどう変わったか?」
20:40 20:45 0:05 移動
20:45 21:05 0:20 Round2:「変わったもので何が残り、何は戻るか?それはなぜ?」
21:05 21:10 0:05 移動
21:10 21:25 0:15 ビデオメッセージ
21:25 21:45 0:20 Round3:「変わったもので何が残り、何は戻るか?それはなぜ?」
21:45 21:55 0:10 全体共有
21:55 22:00 0:05 クロージング
22:00 22:15 0:15 終了

設計時の時間割(実際はもう少し詳細に落としています)は上記の通りです。
もともと、トライアルライセンスの制限の関係もあり、イベントは2:30となっていました。なので、2:30で出来ることを、出来れば、ラウンドは3回まわしたい、ということでこのような構成にしました。もう少し話す時間が欲しい、という意見が出てもおかしくない、とは思いつつ、この辺りはトレードオフで判断です。
企画側で議論している際、テーブルマスター制にするか、留守番役を変えるようにするかで一瞬悩みましたが、今回の議論内容からは前者の方が良い、という結論になり、全社にしました。
すなわち、Round1でテーブルマスターを決め、その方はRound2も同じテーブル、他の方は他のテーブルに行き、Round3で全員元のテーブルに戻る、という流れです。これによって議論の質を担保することを狙いました。

結果、良い議論になったのでは、と勝手に想像しています。

今回の結構目玉だったのは、途中の「ビデオメッセージ」で、現在、中国は上海で働いている方にお願いして、現状を話していただきました。(参加してもらえると良かったのですが、中国からRemoを使うのが難しいみたいですね。)
上海は、政府主導による外出禁止政策によってある一定の封じ込めに成功しており、現在は通常業務(マスクなどはしていますが)に戻っているようです。その辺の状況も含めて、リアルな状況を話してもらうことで、議論が深く多面的になった印象があります。

2.トラブル対処について

ワールドカフェなので、途中で何度か席移動がありますが、比較的席移動はスムーズにできたのはオンラインの効果かと思います。
時間割について苦慮したのは、
・トラブルがあった場合の対処にどれくらいかかるかが読めない
・議論の途中経過が読めないので、「想定通りの議論ができて切るかどうか?」が読めない
ということです。読めなければバッファを積めばよいのですが、2:30で3Round回すワールドカフェ(3Roundはやりたかったので、、、)なので、バッファもあまりとれず、緻密な設計を組むことに決めました。

通常、ワークショップで時間割通りに進まないのは、大きく二つの要素が絡みます。
① 参加者が予想外の動きをする
② 議論内容が想定実感に合わない
ここに、第三の要素である
③ ツールに慣れる時間、ツールのトラブル対処の時間
が入ってきます。

まず、①については、③と合わせて、3つの対策をしました。
一つ目は、「マニュアル」を公開しておくことです。ログインやChat、ホワイトボードの使い方を簡単なマニュアルにして、知っておいてもらいます。

当時準備したマニュアル:「Remoの事前設定方法に関するメモ」
※PDF共有などではなくWebにアップしたのは、「最低限ネットにはつながって欲しい」ということと、メールアドレスなどわからないのでそれ以外の手段がなかったためです

二つ目は、「事前にRemoを体験する時間を作る」ことをしました。やはりログイン時のトラブルや「つながらない」というトラブルが多いと想定されたので、試してもらうというのが最も効果的と考えました。。
案の定、いくつかのトラブルが出ました。Remoは現時点では、Windows10のEdgeとChromeしか対応していないので、それ以外のブラウザ(Internet Explorerなど)でははじかれてしまいました。また、音声設定が上手くできていない方も何人かいらっしゃいました。
70人中20人程度が事前に来たのですが、それ以外の方も一定確率で同様のトラブルに見舞われます。ですが、事前にトラブル対処の経験があると、次の方に対して素早い対応ができるようになるのです。
三つ目は、セッションスタート時にRemoの必要な機能を説明しました。この3つのステップを踏んでおくと、かなりトラブルを低減できたのではと思います。
人によっては、マニュアルも見ないし、事前体験もしていないという方もいらっしゃいました。ですが、Remoはグループでの議論が中心なので困っていればお互いに助ける、という活動が出来ます。ですので、ある一定層、「ちゃんと使える人たち」をどれだけ早期に作れるかがポイントになるのではないかと考えています。

3.オンラインならではの機能

オンラインでセッションをやる場合には、Chat、Q&Aが極めて機能します。特に70人規模だと、全員に話してもらうわけにもいかないので、この仕組みはRemoに限らず、集合型セミナーやワークショップに対してオンラインの仕組みがある最大の利点ではないかと思います。
使いこなすためには、サポートメンバーがどれだけ動けるか?ということがポイントになってきます。メインのファシリテーターは、それこそ仕切りで手一杯になっていますので、手を挙げた人の対処やQ&Aの対処、Chatのどのコメントを拾うかなどは、私の方でチェックして対応していきました。

4.ホワイトボードの使用

ワールドカフェの議論を残すために、ホワイトボードを積極的に使うようにしました。Zoom等他のツールを使う場合は、Google Slideやmiroを使っている、という話を聞きますが、今回はRemoの機能を使い倒すことを中心に考えましたので敢えてチャレンジしたとも言えます。
印象的なのは、付箋機能を使っているグループは結果どこもわかりやすくできている、ということでした。


ワールドカフェをやると、一定割合でマインドマップのような絵面を描かれるのを見ますが、PCで線を引くのは意外と難しいのです。PCの場合は、文字を書くのは簡単なので、付箋に考えていることを書き、必要な位置に動かす、という作業がPCでの議論では一番機能しやすいのではないかと思いました。

この辺りはツール特性がありますので、今後のツールの進化に期待したいところです。

5.オンラインワークショップの難しさ

 オンラインでワークショップを実施する最大の難しさは、「全体の空気がわからない事」だと思います。Zoomのブレイクアウトセッションでも同様ですが、結局そのグループの中に「入らないとわからない」のです。だから、盛り上がっているのか盛り上がっていないのか、質の高い議論ができているのか、出来ていないのか、もつかみづらいです。

 一つの対策は、各議論を見に行くことです。今回はホワイトボードに記載していただくことを基本にしましたので、テーブルを順番に回り状況を見る、ということが出来なくはない。ところが、私の知り合いも一定割合で参加していますので、各テーブルに行くと「あ、後藤が来た」と反応されてしまいます。リアルなワークショップの場合は、「遠目見る」ことで、見ているけど議論には加わらない、という姿勢が取れますが、Remoだと画面にバーンと表れてしまいます。
なので、私がとった手は、「さっと入って何のリアクションもせずただただ議論の様子を見る」というスタンスです。Zoomのブレイクアウトセッションでも、議論中に入った場合、こちらが介入の姿勢を見せないとそのまま議論していくことが多いです。ですので、どれだけ無表情でいられるか、みたいなところがオンラインでのファシリテーションのポイントになるかもしれませんね。

 さて、全体の空気感がわからないと何ができないのか?例えば、問題グループ(一人だけ話が長いとか、イシューずれを起こしている等)への介入がタイミングよくできません。また、ある程度経験のあるファシリテーターであれば、「この空気だともっと深く議論をしてもらった方が良い」あるいは「ここは軽く流そう」というようなことを全体の空気感で感じ取れるでしょう。ですが、オンラインだと、「全体の空気」が分からないので事前の設計でほぼ勝負がついてしまいます。それだけに事前設計が重要になります。
 もともと、「事前設計が大事だ」というのはリアルでも言われている事なのですが、オンラインの場合、「その場力で何とかする」という選択が取れないので、原理原則通りちゃんとやれ、というだけのことなのかもしれません。

それ以外にはやはりシステムトラブルでしょうか。「つながらなかったから今回はキャンセルした」「途中であきらめた」という声を多く聞きました。(本当に申し訳ないと思っています)
これらのシステムトラブルは、原因が個々の端末にあることもあり、トラブル解決が難しいというのが悩ましいところです。

もう一つ、今回我々が悩まされたのは、Remoの「トライアルの仕様が途中で変わった」ということです。今までできていたことがライセンス上出来なくなってしまいました。
これらのツールに起因するところは、本来は提供ベンダーと協力して、あるいは、強力なエンジニアのサポートで進めたいところです。

6.オンラインでワークショップをやるポイント

オンラインでワールドカフェを実施するには、Remoは良いツールだと思います。Zoomや他のツールでも工夫すればできますが、やはり視覚上「どこにいるか?」がわかるのはとても分かりやすい。
Zoomのブレイクアウトを駆使しても出来なくはないのですが、「自由に移動できる」気楽さがRemoの魅力だと思います。

さて、今回やるなかで私が感じたポイントは大きく5つです。
① オンラインでは設計の重要度が致命的に大きい
② 事前ワークで慣れていない人をキャッチアップさせる
③ 見える化ツールを正しく使う
④ ChatやQ&A等が効率化につながる
⑤ 「つながらない人対策」が本来は必要

① オンラインでは設計の重要度が致命的に大きい

オフライン、集合してのワークショップでも設計はとても大事なのですが、ある程度慣れてくると、「その場力と空気感」でなんとかできてしまうのも事実です。ですが、オンラインだと上述したように議論の状況が見えないのでコントロールがとてもしにくい。
また、意外と「思ったように進まない」ケースもあり、そのバッファをちゃんと読み込んでおくことも含めて、かなり重要です。
これはタイムテーブルの話だけではなく、どのツールを使うのか、トラブル時の対策は、等検討しておくべきことは様々あります。
今回は、私以外に、ワークショップのベテランお二人と設計をしていたので、彼らの知見が大いに役立ったというのが大きいです。
すなわち、言い換えれば、ワークショップのベテランがちゃんと設計すれば、オンラインでも同じように機能する、ということでもあります。ベテラン程、「その場で何とか」できてしまいますが、少なくとも慣れるまでは設計に時間をかけてみると良いかと思います。

② 事前説明で慣れていない人をキャッチアップさせる

今回、結構機能したな、と思ったのは事前のキャッチアップです。上述通り、マニュアル、事前接続機会、そしてスタート時の軽い説明と三重のサポートをしました。残念ながらそれでも「上手く使えなかった」という方が出てしまいましたが、一方で、楽しめた方のそれなりの割合で「マニュアルや事前の機会があったのでよくわかった」という方も多く、功を奏しました。
まだ、オンラインのワークショップは日本全国手探り状態です。しばらくは、「やり方が全くわからない人がいる」という前提で丁寧に対応する必要がありそうです。
これも、当たり前と言えば当たり前、なのですが、どうしても慣れてくると置き去りにしがちなので注意したいところです。
一方で、ある程度慣れてくると、例えば、出来る方が3割を超えてくると、テーブル内に誰かひとり知っている人がいる、ということになり、その方がサポートしてくれるようになるので、Zoom等のシェアの高いツールであれば徐々に事前のサポートが不要になってくるかもしれません。

③ 見える化ツールを正しく使う

ワークショップでは見える化ツールは重要です。集合型のワークショップの場合は、ファシリテーターの立ち位置によっては、(見える化ツールがなくても)複数のテーブルの状況を同時にチェックすることが意外と出来るものです。ですが、オンラインだと何等かアウトプットしてもらわないと、話を聞きに行くしかない。
従って、何らかのツールを使うのが極めて重要になります。今回は、Remoに付属のホワイトボード機能を使いましたが、利用者が使えれば何でもよいとも言えます。
おそらく、PCベースで使うホワイトボードツールは、上述通り「付箋」機能を上手く使うのが今のところの正解だろうなと感じます。
このあたりの使い方も事前に周知しておくことで精度が上がっていくのではないでしょうか。

④ ChatやQ&A等が効率化につながる

オンラインでのワークショップはやはり、オンラインで使えるツールは積極的に使っていきたいものです。ChatやQ&Aの機能はとても使いやすいと思います。以前、ある数百人レベルのカンファレンスでSlidoを使ってオーディエンスからの質疑を取っているのを見たことがあります。これは、オンラインのツールをリアルで使った事例ですが、同様のことはやっておきたいものです。
Chatなども積極的に使うとかなり使いやすい機能かと思います。
この辺りは、ファシリテーターも慣れておきたいところですね。

⑤ 「つながらない人対策」が本来は必要


今回はほとんど何もできませんでしたが、やはり最大のポイントは「つながらないひと対策」をどれだけ丁寧にできるか、ではないかという気もしています。
今回は「無料」で「トライアル」という位置づけで「友人」を招待してのセッションでしたので、「ノークレームでお願いします」というスタンスを貫けました。ですが、有料のカンファレンスでここまで「上手くつながらないんだけど」という声が出たら、もう大炎上でしょう。
(多分、参加しようとした方の1-2割程度は何らかのトラブルにあったのでは、という肌感覚です)
つながらない、うまく使えない、というケースのトラブルシュートは結構大変(ご自宅の回線問題や端末のバージョンなども影響するので)なのですが、それがスムーズにできることも今後事業者が心がけるべきポイントになりそうです。
シナプスのようなサービス提供者はもちろん、企業内の人材開発の立場でも、「組織変革のワークショップなんだけど、つながらない人は出なくていいです」とは決して言えず、どう全員に正しく参加していただくか、というのが実は極めて重要なテーマになります。
企業の場合は、情報システム部門の出番なのかもしれませんが、彼らの支援をちゃんと得ながら進めましょう、という事なのかと思います


7.最後に

今回は、お誘いいただいた知人や、一緒に設計に関わってくださった方、またご参加いただいた多くの方々とのご協力により、よいトライアルになりました。
バタついたことも多くありましたが、この場を借りて感謝申し上げます。ご参加いただいた皆様にも何らかの持ち帰りがあれば何よりです。

Remoは楽しいツールです。が、まだまだ進化の過程にある、という印象もあります。
オンラインでのファシリテーションは、集合型とは少し趣は異なるものの、コロナ禍のこの状況においては一つの有用な手段と考えて良いと感じました。
また、機会があれば、トライアルなり、今度は実践なり行ってまいりたいと思います。

オンラインでのマーケティング研修

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シナプスのオンライン研修


シナプス後藤です。

Zoomでのオンライン会議や研修などが当たり前になりつつありますが、慣れてくると出来ることと出来ない事がいろいろと出てくるものです。

最近、ネットで少し話題になっていますが、Remo(リモ)がワークショップに使いやすそう、ということで触ってみました。
※機会をくださった知人には感謝です。

※なお、この機能の紹介は私が触ってみて感じた範囲なので、間違っているかもしれません。間違っている点はぜひご指摘いただけるとありがたいです。また、Remo社の方でアップデートしていくでしょうから、あくまでも2020/04/09時点の情報です。

1. Remoって何?

Remoはオンラインでのカンファレンスやワークショップなどを行う、いわゆるWeb会議ツールの一つです。最近は、ZoomやWebExなどが当たり前になってきていますが、一つの選択肢として今後上がってくるのではないかと想像します。

https://remo.co/



特徴的なのは、テーブルがそれぞれ設定されているところで、「自分が座っているテーブルの人とだけ会話ができる」という機能です。Zoomでは、ブレイクアウトルームが機能として使いやすいですが、ブレイクアウトルームの限界はホスト側にしかテーブル設定権限がないことです。
Remoでは好きなテーブルに自由に移動できるので、「この人と話したい」と思ったらすぐに移動できます。
※仕様上は1テーブルの上限人数が決まっているようで、どこまで自由度が高いかは今後検証したいと思っています。

各テーブルにはホワイトボード(Directorライセンス以上)が設置されていて、自由に書き込むことも出来ます。


勿論、他のWeb会議システムと同様に、同一テーブル内の人とは会話できますので、会議システムとしても十分機能するのではないかと思います。
Remo.coのサイトを見ると、Conferenceの他にVirtual Officeもあるので、コワーキングスペースのような使い方もできるかもしれません。

2. Remoは何ができるのか?

では、Remoは何ができるのでしょうか?現時点では使いこなしていないので少し表面的ですが、Zoomと機能を比べて記載したいと思います。

① Web会議の様子

基本機能としてのWeb会議ですが、今のところZoomと比べて大きな遜色はなさそうです。ただ、私はPCで使っているのでそう思っただけで、スマートフォンやタブレットなどだと少し動きが変わるかもしれません。
画面共有も勿論、普通に出来ます。ただ、選択の仕方がZoomに慣れていると若干分かりにくい、選びにくい感じでした。



トライアルは2人で試しましたが、今後もう少し人数が増えた時にどういう反応になるかは要チェックです。
チャット機能も、(1) 個人間チャット(Privete)、(2) テーブル内チャット、(3) 全体チャット(General)の三タイプを使い分けられます。Zoomの場合はブレイクアウトルーム以外は「グループ」という概念がないので、よりグループワークに特化した内容になっていると感じます。

② 席移動

Remoの最大の特徴は席移動です。例えば、1番目のテーブルに座っていて、「移りたいな」と思ったら別のテーブルをクリックするとその席に移動できます。




各ユーザは、「自分の席の会話」にしか参加できません。(Zoomのブレイクアウトルームのそれぞれの部屋を移動するのと同じです)
なので、間違って他のテーブルをクリックしても簡単に移動ができてしまいます。
この機能がとても直観的で簡単なのが最大の特徴でしょう。

全体のアナウンスには(多分ホスト機能だけだと思いますが)、Announcementという機能があり、これを書くと全員にテキスト情報でのアナウンスが出来ます。




これによってファシリテーターが上手くコントロールする、という事なのでしょうね。

③ プレゼンターによるスピーチ

ワークショップではファシリテーターがいて全体をコントロールしますよね。Remoではプレゼンターがその任を担います。



全体像の上部に演台があり、そこでプレゼンをする形のようです。プレゼンターの役割はユーザごとに設定します。(ライセンス形態によって何人まで、等があるようです)


※この「Present」ボタンを押すと、参加者全員に(どのテーブルにいようと)プレゼンを見せることができる。
イメージとしては、ワークショップファシリテーターが全体の進行を説明したり、カンファレンスで講演やパネルディスカッションを行ったり、というようなものです。
※現時点で、プレゼンターが話しているとき、各テーブルがどうなっているかはよくわかっていませんが、どうやら強制的にプレゼンターの話を聞くようになるみたいです



こんな感じの画面が見えて、QAなどもチェックできます。

④ 画面掲示

Remoでは、ロゴやyoutube動画、スポンサー枠などを設定できるようです。
商用カンファレンスを意識しているのだと思いますが、会場全体が見渡せるUIなので、主催者のロゴやサイト、YoutubeのURLは常に流せるのかもしれません(まだ試していませんが)などを掲示しておくことでワークショップの運営にプラスに出来そうです。
また、面白いのがスポンサー枠で、リアルだと会場に貼ってある広告用看板ですね。協賛していただく企業のロゴを出す、等のやり方なんだろうと思いますが、機能として入っているのがとても面白いです。

⑤ その他いろいろ

Remoには、それ以外にもタイマー、ホワイトボード等の機能があります。
ホワイトボードは上述しましたが、Zoomと比べるとかなり広いスペースが準備されていて、各テーブルごとに設置されています。UIの限界はもちろんあって、リアルのホワイトボードや模造紙の方が使いやすいとは思いますが、選択肢と指定は良さそうです。
一方で、ZoomでのワークショップではGoogle Slideを使うケースが多いようですが、書きやすさと共有という意味ではまだまだ他のドキュメントツールの方が使いやすいとは思います。この辺は、Zoomも同様、どう使い分けるか、という工夫次第かなと感じます。
タイマー機能はUIとして分かりやすいので、個人的には結構好きな機能です。



何回セッションを回すか、一回のセッションは何分か、次のセッションまでのインタバルが何分か、というものです。例えば、ワールドカフェで3回セッションを回し、一回30分、移動時間を5分、など設定しておくことも可能です。
これを設定してもシステム上の強制力は何もなさそうですが、全員が見えるタイマーが見やすいところにある、というのはワークショップのファシリテーター経験者には貴重なものに映るでしょう。


Remoのサイト自体はまだ日本語対応されていないので、英語が苦手な方には若干しんどそうですが、参加者として参加する分には大きな影響はなさそうです。

3. Remoはどんな風に使えそうか?

Remoはワールドカフェのツールとしてはかなり良いのではと思います。Zoomでも出来るとは思いますが、運営側も参加者もそれなりに頑張らないといけないのに対して、Remoでは「テーブル」というUIのおかげでかなり使いやすいです。

また、グループワーク型の研修やワークショップでも成果を出しやすそうです。ただ、ライセンス形態として、実施時間や1テーブルの参加人数などに制限があるという仕様になっているので、どこまで柔軟に使えるか次第のところはありそうです。
まだ、進化中のツールとは思いますが、Zoom以外の選択肢としてとても有望、というのは間違いないでしょう。

一方で、ビジネスの会議や講演会等、一グループを基本とするものであれば、ZoomやWebExの方がまだまだ使いやすいと思います。あくまでもグループワークを主体とするツール、ととらえて頂くと良いかと思います。

4. ライセンス形態

(2022/11/29UPDATE)

本記事のエントリーからかなり時間もたち、remoのラインセンス形態も機能も相当変わったようです。
現時点での最新は下記のとおりです。
***

【Remoの料金·価格】

Remoの料金プランは大きく分けて2タイプ、主にイベント開催用の「Immersive(イマーシブ)」と、仮想オフィス向けの「Virtual Office(バーチャルオフィス)」プランです。
そのほか、RemoのZoom連携アプリを年間または月額で購入するプランがあります。

Immersive:年間プラン 月額3750円から
     月額プラン 4500円から

Virtual Office: 年間プラン 月額12500円から
       月額プラン 15000円から

Zoom連携アプリ:年間プラン 月額1875円から
     月額プラン 2250円から


いずれのプランも年間契約することで月あたりの料金が16%オフになるので長期利用する方がお得となります。
***

Zoom連携、というのも面白い機能ですね。
ZoomブレイクアウトルームにRemoのバーチャル会場を利用できるようになっているようです。
このエントリーを書いた時点では、Zoomも競合と思っていましたが、Zoomの拡張機能として出来るのは魅力的ですね。

5. その他気になる点

総論としては使えそうですが、ビジネスとして活用する場合には、次の点が気になります。

① UI

ユーザインタフェースは、直観的で使いやすいとは思いますが、iphone、Androidや様々なブラウザでどういう使い勝手になるのかはとても気になるところです。
PCだと今のところ使えていますが、これが人数がたくさん、例えば、100人規模のワークショップになった場合にどういう動きになるのか、等はワークショップの品質に大きく影響します。
今は良さそう、と思っていますが、たまたま「タブレットPCを使っているから使える」ということなのかは今後の確認事項です。

② セキュリティ

つい先日、Zoomでもセキュリティの脆弱性を指摘されましたが、ビジネスで活用しようとするとどうしてもセキュリティの問題は避けて通れません。
オープン型のワークショップであればあまり問題になりませんが、例えば、企業内の組織変革ワークショップをやる、というようなケースで使ってよいレベルのものかどうかは分かっておりません。この辺りは、しばらくは、「それぞれの責任の範囲内で」使っていくのだろうなーと思います。
とすると、我々のようなサービス提供者がお客様に提供してよいかどうかも判断が分かれるところでしょう。

③ 通信量やシステム安定性

Zoomの良いところは、データ通信が軽いことが大きいと言われています。Google Hangoutに比べると1/10とも聞いたことがあります。ではRemoではどうか、というのが気になるところです。また、Zoomも新型コロナウイルスの関係で一気にサーバ負荷がかかり安定しなくなったといううわさも聞きました。(体感したことはありませんが)
パッと使ってみた印象は良いので、今後(ビジネスモデルを間違えなければ)拡大していくだろうと思いますが、ユーザが増えた時にどうなるか、も気になるところです。

6. 最後に

以上、Remoを触ってみた感想を書いてみましたが、面白いツールであることには間違いないので、もう少し触ってみようかと思います。
また、ワークショップもバンバンやりたいと思っていますので、ご興味があればご連絡ください。
※もしかすると、Web会議飲み会を大人数で実施する場合にも機能しそうな感じがします。


シナプス後藤です。

今期も当社が主催するシナプス・マーケティング・カレッジで一番人気の講座「マーケティング・ベーシックス」を開講いたしました。


新型コロナウイルスの影響により、集合して講座を実施することがナンセンスなため、当社もオンラインの講座に切り替えました。マーケティング・カレッジでの実施は初になります。

実施前にいくつかトライアルなどを重ねて、ご受講される皆様により良い学びを提供できるように進めて参りました。まだ、「オフラインでの講座」をベースにしていますが、徐々にオンラインでの学びを最大化するようにシフトして参りたいと思います。

さて、せっかくなので、Zoom機能と合わせて、どのように運営しているか、をご紹介します。

1. 環境

まず、環境ですが、PC二台を基本として、
1台目:講師用
2台目:画面投影用
としています。カメラは今後改善していきたいと思いますが、現在は書画カメラに搭載されているものを利用しています。



ディスプレイもあった方が良い、というのがスタンダードですが、ノートPCがフルサイズのものであるということもあり、今はナシで運用しています。この辺りは講師の意見も聞きながら最適なものを組み立てていく予定です。(おそらく、講師用PCをデュアルディスプレイの形にするのが最適なのだと思いますが、いろいろと試しているところです。)

講師用PC含め、スタッフ関係者は全員共同ホストに設定し、私のPCは「システム担当」という扱いで、何かトラブルがあったときに、サポートする位置づけです。基本は講師と現場のメンバーですべて対応できると考えています。



今のところは、まだ講師もメンバーも慣れていない部分があるので、事務局担当者がティーチングアシスタント(TA)として受講生の学びを支援しますが、いずれは講師だけでも運営できるようにしようと考えています。
一般にはTAや事務局は、受講生の学びの支援として、講師の講義をサポートする役割を持ちます。例えば、教材の案内や事前、事後課題に関わる相談役、講座実施時は配布資料の配布や機材切り替えなどが主な作業でしょう
Zoomの場合は、ミュートの設定とブレイクアウトルームの運用がちょっと手間がかかるので、従来のTAの役割に加えて、Zoomのアシスタントの役割も持ちます。(それをシステム担当者が行うケースもありますが、当社ではシステム知識がなくても運用できるようにフローを整備しているところです)

2. 受講生の環境

受講生も慣れていない方が多いので、事前に何日か接続テストの日程をご用意し、事務局が対応しました。
実は、今回の講座は、申込時は集合型で実施することを想定していました。(1月から申し込み受け付けはしておりました)
ですが、今回の事態を受けて急遽、オンラインにしましたので、環境が合わない方や、ご希望に沿わない方もいらっしゃったようで、キャンセル、延期(7月期以降への振り替え)等の対応を行いました。(数名がその選択をされました)
やはり、ご自宅に学習できる場所があるか(オンラインにつないで家族に邪魔されない/家族の邪魔にならない)、接続できるPC等端末や通信環境があるかがポイントになると思います。幸い、多くの企業様が在宅ワークを推奨して機材も整え始めたので、ほとんどの方はご受講いただけたのだと思います。

3. 講義の状況

シナプスの講義、特に、当社 代表の家弓講師の講義は、インタラクティブに受講生と会話しながら進めていくのが特徴です。
例えば、マクロ環境分析のPEST分析の解説では、フレームワークの使い方をざっと解説した後、受講生に質問していきます。
「○○さん、あなたのお仕事で、政治面に関わる大きな要素には何がありますか?」



このようなファシリテーションスタイルは、集合研修でもオンライン講義でも同じように効果的です。集合研修の場合は、講師と受講生一人一人のやりとりが遠くの方からは見えにくいこともありますが、オンラインだと、それぞれの顔が見えるのでより印象的なようです。

オンライン講義では。講師が注意すべきポイントは大きくは二つで、話し方の注意とファシリテーションです。

話し方は、やはり「聞き取りやすいスピード」が重要です。
これは通常の集合研修でも同様です。ですが、実際に目の前で話しているところが見えていると、受講生の脳が上手く情報補完するため、オンライン程わかりにくくなりません。また、講師からしても「わかりにくそう」にしているかどうかが全体として見えるので、場の雰囲気に合わせて話し方をコントロールしやすいです。
一方、オンラインでは、Zoomの設定や受講生人数次第ではありますが、画面で受講生が全て見えているわけではないので、全体のリアクションが分かりにくく、講師が話し方を修正しにくいため、聞き取りやすさが特に大事になるのです。
家弓講師はもともとプレゼンテーションにも定評がある講師で、話す言葉がとても聞き取りやすいというのはとても重要な要素です。こういった講師の地力はより目に見えて影響が出てくるのではないかと思います。

もう一つがファシリテーションの仕方です。
特に注意したいのが、「誰がボールを持っているか」を明確にすることです。集合研修でよくみられる振り方は、「何か意見がある人?」というようなものですが、この振り方だと、オンラインではボールを拾いにくいです。それよりも、最初から講師が「○○さん、***についてのご意見は?」と話者を明確にした方が全員が分かりやすいのです。
本来的には、受講生の自発性を促し、上手く捉えるのが講師の力量でもあるのですが、オンラインでのコミュニケーションに慣れない方々同士だと明示的なコミュニケーションの方が上手くいきます。

4. グループワーク~全体発表

研修講師として気になるのは、グループワークが上手く機能するか、でしょう。我々も学びを多くするために、グループでの討論をどれだけ密度の濃いものにするかに注力しました。

基本はZoomの機能であるブレイクアウトルームを利用しました。ただ、議論を上手く機能させるために事前に「書記役を決める」「ワークシートの準備」を行いました。
書記役を、各グループでおひとり、ブレイクアウトセッション時に受講生で決めて頂くようにします。
そして、講座開始前にご受講生全員に配布したワークシートを共有機能を使って共有していただいて、議論の結果を記載していただきます。



5. トラブルの対処

やはり接続関連でいくつかトラブルが出ました。今、多くの方が同じように悩む可能性がありますのと、我々が後で振り返るためにも記載しておきます。
本日のトラブルは3つです。

① 講師のイヤホンが認識しなかった

講師用のPCとして準備しておいたものに講師が持ち込んだ(使い慣れた)イヤホンを付けたら反応しなくなってしまいました。結局、再起動して回避しました。当たり前なのですが、機材チェックは本番用で行うべきですね。
今のPCはあまり接続トラブルがないので油断していました。

② 受講生のPCのマイクの調子が悪く声を出せなかった

受講生の中のおひとりの声が途中で聞こえなくなってしまいました。講師とやりとりをしているときに途切れてしまったので、急遽チャットで回答を打っていただきましたが、これだとやはり学びには支障が出ます。受講生がスマートフォンをお持ちでしたので、急遽、PCだけでなくスマートフォンでもサインインして頂いて、画面はPC、音声だけスマートフォンで拾う、ということで対応しました。
ブレイクアウトセッションも当然、同じルームに配置する必要があり、TAが頑張って対応しました。

③ 講師の音声が途切れた

ほんの一瞬ですが、講師の音声が途切れました。当社内のネットワークの関係か、PCの負荷かのいずれかだと思われます。講師の音声が一瞬でも途切れると受講生は「あれ?」という顔をします。この時、講師が気付けばよいのですが、往々にして講師は気付かずに話してしまいます。
今回は、大きな途切れではなく文脈は通じたので問題ありませんでしたが、同様の状況になった場合は、TAが「講師、声が途切れたのでもう一度お願いします。」とサポートする、というのがあるべき姿だと思います。

6. 今後

今回は、受講生が慣れていないことも想定して、基本機能を用いて運用しましたが、講師が話し方とファシリテーションに注意をすること、ブレイクアウトルームを活用することの二点でかなり臨場感のある講義になりました。
次回以降は、チャットをもっと活用したり、挙手ボタンなども使いながら、よりZoomだからこそできる講義にして参りたいと思います。

※いつのタイミングから、Zoom飲み会を実施するかも検討ポイントですね。

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