家弓です。

最近「営業革新」について、研究をしています。今回は、なぜ私が営業革新に注目するのか?そして、実際にどうやって営業革新を行えばよいのか考察します。

1.営業革新に注目する3つの理由

理由その1:営業革新の即効性

リーマンショック以降大不況の影響でコンサルティングのニーズは変化しました。多くの企業は、中長期的な投資よりも即効性のある短期投資に走っています。

シナプス社のコンサルティングテーマも「マーケティングング戦略構築」より、「営業力強化」や「ソリューション力強化」といった具体的テーマのご相談が増えてきてます。

なかでも、即売り上げにつながる「営業力強化」は、企業は非常に大きな関心を寄せています。

理由その2:営業の属人性

営業という機能は、どうしても属人的な要素が強いようです。10人の営業マンがいれば、10通りのスタイルが存在する。 そんな認識があって、プロセスあまり科学的に解明されてきませんでした。

それだけに、今後の営業革新余地は、非常に大きいと考えられます。

理由その3:営業向けITツールの進化

様々なベンダーからSFAやCRMのツールが提供されています。
そして、それらを導入する企業も増えているようです。
各社、セールスや顧客のマネジメントへの関心度は高いんですよね。

しかし、それらツールを導入すれば、課題が解決するわけではありません。
そこに、明確な営業戦略や勝ちパターンが可視化されている必要があります。
そこにナレッジを提供することは、とても意義のあることです。

2.営業革新のやり方1:マネジメントが重要ポイント

では、どのように営業革新をおこなうか?

トップセールスは、個々人のユニークなやり方が確立しています。
組織全体のパフォーマンスを高めるには、ボトム(ex.新人)から中堅営業マンの活動の品質を高めることがカギだと考えます。

営業の一連のプロセスを、大まかなステージに分解し、そこでの「成功モデル」を描いて可視化する。言いかえれば、トップセールスのやり方を誰でもマネできるような状態にするわけです。

一般に、トップセールスのやり方は暗黙知化されていると同時に、トップセールスはヒトに教えることが苦手だったりします。それを、わかりやすく形式知化してやり、行動レベルで模倣できるかたちにします。

2-1.営業革新に必要なマネジメント

営業革新のために、求められる営業マネジメントとはなんでしょうか。営業革新のプロセスにおいて、マネジャーは非常に重要な役割を果たします。

  • 案件の成約に向けて、各営業マンの行動プロセス管理、行動指導、情報共有。
  • 営業マンの育成のための、コーチング、目標管理、モチベーション管理。
  • 組織としての戦略構築のために、市場概観把握、戦略構築、具体的な施策立案。

これだけの機能をパーフェクトに行える人材は稀有と言わざるを得ません。
しかし、これらの実現を目指して、革新にチャレンジすることが求められています。

3.営業革新のやり方2:購買プロセスと顧客の関心を把握する

3-1.営業にとって本質的に重要なこと

営業として重要なことは、顧客理解です。
それも「顧客ニーズ」の理解は当然のことながら、「顧客の購買プロセス」の理解が求められています。

先日シナプスへのマーケティング相談で「今後は中小企業をターゲットして攻略したい」というものがありました。この時、初めに調査すべきなのが、「顧客の購買プロセス調査」です。

営業戦略を組み立てるには、まず顧客の現実を事実ベースで掴むこと。
これが全ての立脚点だと思います。

3-2.法人営業における購買プロセスの複雑性

顧客はその課題を解決するために、ソリューションの購買検討を始めます。
その購買プロセスを明らかにすることが、まず営業の第一歩だと思うのです。

いわゆるBtoBマーケティングの特徴として、「購買プロセスの複雑性」が挙げられます。

一般に、企業の購買は、様々なルールのもとに行われています。
誰が起案して、どのようにそれが承認されていくのか?
購買プロセスは長く、多くの人が関与し、起案から執行まで時間がかかるのが企業の購買の特徴です。この購買プロセスのルールを明らかにしておくことが不可欠です。

※BtoBマーケティングについてより詳細に知りたい方は『 「BtoBマーケティング研修基礎」BtoBプロの基本ノウハウ』をご覧ください。

4.営業革新のやり方3:プロセスをデザインする

営業には、購買プロセスに的確に対応するプロセスが求められるはずです。

そんな「営業プロセス」の設計について考えてみました。

最適な営業プロセスとは

何をもって「最適」とするかは、それぞれのセールスパーソンの個性や取り扱っている商材によって、かなり異なると思うのです。

だからこそ、「あるべき営業」については、深く研究がなされず、「企業によって異なる」とか「営業マンによって異なる」とされてきたのではないでしょうか?

確かに売れる営業マンにも様々なタイプがいます。

それでは、各企業、各営業組織、各営業パーソンによって、目指すべき「営業プロセス」を独自に考えなければならないのでしょうか?
それでは、なかなか「営業を革新する」ことはできないでしょうね。

強い営業組織を創るためになすべきこと

2つの考え方があると思うのです。
・ボトム~ミドルセールスの底上げ
・組織内トップセールスをさらに磨きあげる

トップセールスのエリート化は、なかなか難しいかもしれません。

ここでは「ボトム~ミドルセールスの底上げ」について、考えてみたいと思います。

ボトムは、なぜボトムなのか?

まず、ボトムのセールスパーソンがなぜ成果が上がらないのか?
を考える必要がありますね。

理由はいくつか考えられると思います。

(1)そもそも基礎スキルが足りない
(2)営業として為すべきことを分かっていない
(3)あまりにモチベーションが低い
(4)周辺業務の生産性が悪く、真の営業活動に専念できない
・・・・

(1)のスキルとは、マナーや商品知識など、いわゆる「テクニカルスキル」に類するものです。
これは、Off-JTなどを通じて、しっかり学ぶ必要がありますね。
しかし、逆にいえばある程度勉強し、経験を積めば、最低レベルはクリアできるようになるでしょう。

(3)は、個人個人の動機付け要因を明らかにする必要がありますね。
キャッシュか?ビジョンか?環境か?
これは、重要なファクターですが、
どちらかというと組織論の領域にお任せしたいと思います。

営業マンは、報告書や見積書は発注書、社内資料など、様々な「真の営業活動」以外の間接業務をもこなさなければなりません。
これが(4)のネックですね。
しかし、営業マンも会社組織の一員ですから、これは仕方のないことです。

一番、マーケティング視点から改善余地が大きいと思われるのは、
(2)営業として為すべきことを分かっていない
ではないかと思うのです。

営業パフォーマンスを上げるために

ベテランのハイパフォーマー営業マンは、
「この状況では、こんなアクションをとるべきだ!」
という成功パターンをたくさん持っているのだと思います。

しかし、難しいのはハイパフォーマーは、それを論理的に意識して実行に移しているとは限りません。むしろ職人的のように「自然な立ち振る舞い」として、最高の営業プロセスを無意識のうちに実行していることすらあります。

暗黙知化し、うまくヒトに伝えることもできない。
そのノウハウを持っていて部下指導も慣れていないケースがとても多いように感じます。

なぜなら、トップ営業マンは「営業が好き」で、決して「部下育成」や「マニュアルづくり」が得意なわけではないからです。

そこで、強い営業組織をつくるための「プロジェクト型組織」によってトップ営業マンの暗黙知を「形式知化」して、それを組織に浸透させる。
そんな活動によって、効率的に営業革新を推進できるのではないでしょうか?

ステップとしては、
(1)ハイパフォーマーのインタビュー
(2)営業成功のエッセンス抽出
(3)営業プロセスのステップ作成
(4)各ステップでの成功行動パターンを形式知化
(5)成功モデルのマニュアル化
(6)研修などによる組織へのインストール

概ねこんなプロセスを通じて、組織的な営業革新が求められます。

参考情報

1.法人営業力強化コラムシリーズ


「法人営業力研修」

法人営業力研修は、法人営業力を組織的に強化する企業研修です。マーケティング基本プロセスにそって、自社アカウント顧客を対象にワークショップ形式で、講師兼コンサルタントと顧客を分析し、営業方針を実践的に検討します。

プログラム詳細は『「法人営業力研修」一石二鳥。社内研修テーマで担当顧客分析』をご覧ください。


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