シナプス海老原です。

実務は経験ももちろん重要ですが、先人の知恵から学ぶことは多いです。
新規事業開発の参考になる本もたくさんあります。今回は「シナプスのマーケティングコンサルタントが選ぶ新規事業開発推薦書」をまとめました。

  1. 「世に棲む日々」司馬遼太郎著(家弓推薦書
  2. 「新しい市場の作り方」 三宅秀道著(後藤推薦書)
  3. 「リバース・イノベーション」 ビジャイ・ゴビンダラジャン著(後藤推薦書)
  4. 「リーン・スタートアップ」 エリック・リース著(後藤推薦書)
  5. 「発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファーム」トム・ケリー著(後藤推薦書)
  6. 「戦略プロフェッショナル」 三枝匡著(海老原推薦書)
  7. 「ストラテジック・イノベーション」ビジャイ・ゴビンダラジャン著(海老原推薦書)
  8. 「キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論」ジェフリー・ムーア著(海老原推薦書)

1.「世に棲む日々」司馬遼太郎著

新規事業推進者に必要な志を学ぶ


世に棲む日々は、NHK大河ドラマ「花神」の原作です。
「人はなぜ学ぶのか?」という問いに「公のために学ぶ」と教え、「実行の中にのみ学問がある。行動しなければ学問ではない。」と言い切った吉田松陰の思想には、現代に通じる学びと成長に関わる思想が込められています。

新規事業には常に既存事業とは異なる変革が求められます。
そのため新規事業の推進にはスキルもさることながら「推進者の志やリーダーシップが重要」になります。変革の時代を生き抜いた吉田松陰と高杉晋作の生き様は、現代のビジネスパーソンに通じるリーダーシップ論として読んでほしい本です。(家弓正彦)

2.「新しい市場の作り方」 三宅秀道著

新規事業を生み出しやすい文化とは


新しい市場の作り方は、新商品開発を日本の豊富な事例を元に語った本。
新しい市場をつくるには正しい手順を踏まないといけない。それは、たんにこれまでにないコンセプトの商品を開発すればいいということだけではない。
それを使う「文化」をも醸成しなければならない。

読みやすい書き口ながら、新規事業について、単なる商品開発ではなく、「問題開発」「文化開発」というキーワードでその本質に迫った良書です。(後藤匡史)

3.「リバース・イノベーション」 ビジャイ・ゴビンダラジャン著

逆転の発想で新規事業を作る


リバース・イノベーションは、新興国での成功を先進国へも反映するイノベーションのあり方を示しています。
これまでは先進国で成功したものを若干カスタマイズして新興国に導入するという流が主流でした。しかし、逆に新興国で開発した製品を先進国へ持ち込むという逆の流れが「リバース・イノベーション」です。

単なる低価格品の開発ではなく、先進国も含めた世界市場攻略の一つのアプローチが理解できます。(後藤匡史)

4.「リーン・スタートアップ」 エリック・リース著

近年注目される新規事業手法


リーン・スタートアップは、特にベンチャー立ち上げなどで注目される新規事業開発手法です。
ITなど、動きが早い業界で使いやすい考え方で、ピボット等、最近のベンチャーで使われるキーワードが盛り込まれています。

近年「リーン・スタートアップ」のようなプランをすぐ実行に移し、高速にPDCAを回す考え方が、マーケティングや戦略論では浸透してきています。ベンチャーだけでなく、大企業の新規事業でも有効な考え方です。
実際にGEなどの大企業やIT以外の業界でも使われてきています。(後藤匡史)

5.「発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファーム」トム・ケリー著

新規事業アイデアを生み出す「デザインシンキング」


発想する会社! ― 世界最高のデザイン・ファームは、デザインシンキングの考え方を開発した世界的に著名なデザインファームIDEOのトップでるトム・ケリーが書いた本。
デザインシンキングのやりかた、考え方が理解できます。

これまでIDEOで体系的に実践され、洗練されてきた最高機密「イノベーションの技法」が公開されています。
会社の規模や業種を問わず使えるマインドセットとツールを多数紹介。会社の創造力を高め、文化を育て、持続的にイノベーションを生み出しつづける方法を、さまざまな実例と写真をまじえてわかりやすく解説します。(後藤匡史)

6.「戦略プロフェッショナル」 三枝匡著

新規事業を成功に導く「戦略プロフェッショナル」とはどんな人間か


戦略プロフェッショナルは、ミスミグループ取締役で経営のプロフェッショナル三枝匡さんの「戦略プロフェッショナル」「経営パワーの危機」「V字回復の経営」の3部作の第1作。
「戦略プロフェッショナル」の増補改訂版がでて三枝さん直筆のサイン本をもらいありがたく読みました。

経営書の中でもベストセラーの部類で、私は通常版を含めると合計6回読んでいます。
しかし、やはり何度読んでも参考になる本です。「戦略プロフェッショナル」のファンは「読むたびに新しい発見がある」といいます。

3部作どれも面白く参考になります。しかし、他の2作品は新規事業より企業経営・経営再建がテーマであるため、新規事業推進者は「戦略プロフェッショナル」が自分の姿を重ねやすく最もオススメです。
私が新規事業をやっているときは、うまくいかないときなど、この本を読んでモチベーションをあげてました。(海老原一司)

7.「ストラテジック・イノベーション」ビジャイ・ゴビンダラジャン著

大企業の新規事業はどう進めるべきか


ストラテジック・イノベーションは、「経営思想家トップ50」の第3位に選ばれたVGこと、なかなか発音しにくい「ゴビンダラジャン」の本です。

ここでいう「イノベーション」は大企業の新規事業を主に意識しています。
新規事業を題材とした本はたくさんありますが、「大企業での新規事業と既存事業との関係」。ベンチャーとは異なる大企業ならではの課題と解決策を実際の事例を元に深く分析した本はなかなかないものです。
「大企業における新規事業」を考える方には必読書といえるでしょう。(海老原一司)

8.「キャズム Ver.2 増補改訂版 新商品をブレイクさせる「超」マーケティング理論」ジェフリー・ムーア著

ハイテクマーケティングのバイブルが、事例を刷新して再登場


キャズム ver.2 増補改訂版」は、ハイテク業界のマーケティングでは「バイブル」「古典」といえる「キャズム」の改訂版です。
新規事業・新市場開拓では、途中まではうまくいっても大きな死の谷=「キャズム」があり、そこで多くの企業・商品がキャズムに落ちて消えていくといいます。

理論の骨子は最初の「キャズム」と基本変わっていませんが、事例が新しいものに更新されています。

基本はアメリカの商品事例を取り上げており、特に旧版では日本では知られていない事例も多いです。この「キャズム ver.2 増補改訂版」では、事例が新しくなり知っている事例が大幅に増えています。(海老原一司)
※ただし、それでもIT系/ハイテク系の業界人でないとわからない事例が多いかもしれません。

参考情報

1.参考書籍

家弓正彦の新規事業推薦書

後藤匡史の新規事業推薦書

海老原一司の新規事業推薦書

2.コラム著者紹介(シナプスマーケティングコンサルタント)


左から向川、後藤、家弓、海老原

ビジネスナレッジを執筆しているシナプスのマーケティグコンサルタント陣紹介です。

  • 家弓 正彦(かゆみ まさひこ)
  • 後藤 匡史(ごとう まさふみ)
  • 海老原 一司(えびはら ひとし)
  • 向川 敏秀 (むかいがわ としひで)

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